道の概要
野呂山は空海(弘法大師)が入山修業し、古くから霊山として信仰の対象で山頂近くには弘法寺がある。標高839mは瀬戸内海に面する山では神戸六甲山に次ぐ2番目の高さがあり、山頂は東西2kmの高原状になっている。南側の展望台からは、安芸灘とびしま諸島やしまなみ海道、遠くは四国の霊峰石鎚山を含む四国山脈まで眺望し、瀬戸内海国立公園の中でも屈指の景観美を誇っている。
周辺は中国自然歩道、登山道、遊歩道が整備され、瀬戸内海の景色を眺望できる展望台や、巨石、奇岩が密集する岩海などもある。4月は桜、5月はつつじ、7月はアジサイが山頂一帯で咲き乱れる。
この野呂山山頂に向う観光道路が野呂山スカイライン(別名さざなみスカイライン)で、1968年に有料開通し1983年に無料化された。呼び名は地元では国道185号線の入口案内看板の野呂山スカイラインが一般的である。
国道185号、JR川尻駅付近の入口から北に向かい、山頂付近の十文字ロータリーを経てビジターセンターをつなぐ。わずか10kmで800m近くを登るため、道路は急勾配でタイトなヘアピンカーブが連続する中低速のワインディングロードである。
開通当初は瀬戸内海の景色も眺望できたが、現在は樹木が伸びて、走りながら眺望できる区間は少なくなっている。展望台は、スカイライン途中にハチマキ展望台、山頂ビジターセンター先に兜岩展望台、弘法寺付近に星降る展望台の3つがあり、それぞれ、安芸灘諸島と四国を眺望できる。お薦めは4月初旬で、ハチマキ展望台の少し下に見事な桜のトンネルが現れる。
山頂は2kmの台地上になっているため、野呂山ビジターセンター、国民宿舎野呂山高原ロッジ、オートキャンプ場、レストハウスなどが用意され、様々に楽しむことができる。また、弘法寺周辺には奇岩が数多くあり、6月のあじさいとともに参道周辺の散策は面白い。なお、冬季には積雪が2~3回程度あり、ハチマキ展望台から上は1~3cm程度積もることもある。車で野呂山に向う道は野呂山スカイラインだけでなく、ふるさと林道野呂山線があるのだが、2018年の豪雨災害で路面崩落した。現在復旧作業中のため通行止めになっている。2023年4月から通行再開の予定である。
お薦めのシーズン
- 年間を通してお薦めだが、沿道に桜が咲き誇る4月が一番美しい。
周辺立ち寄りポイント
◆お薦めの休憩食事処
とびしまCafé 豆ナ茶屋。
◆灰ヶ峰山頂展望台
呉中心部に移動するが、中四国地方で屈指の夜景を誇る場所で、日没直後の1時間くらいまでが一番美しい。