道の概要
長崎県の西に位置する平戸は、南北に32㎞、東西10㎞ほどの大きさで、1977年に九州本土と平戸大橋で結ばれた。北部の草原が広がる川内峠(かわち)を走る爽快な道は、360度の展望が開け、生月、西彼杵半島(にしそのぎはんとう)、五島列島まで眺望できる。
強烈な赤い平戸大橋を渡って左折してしばらく進み上大垣交差点を右折して内陸に向かって行く。案内看板が少なくわかりにくいが、狭い道が続いた後突然大草原の中を走る道に変貌する。すぐにビジターセンターがあり駐車場も完備している。そこから丘の上にあがってツーリング仲間と走行動画を撮ってもいいし、のんびりと時間を過ごすのにもよい場所だ。
道路からの景色がよく、車のCMの撮影が行われたこともある。しかし、展望のいい区間はわずかに2km程度で、走りを楽しむというより景色をゆっくりと楽しむ場所である。毎年2月上旬に「野焼き」が行われ、広大な草原に炎が広がっていく様は圧巻だ。
長崎県の西の端の平戸と生月の2つの島には、絶景道路と絶景地が多い。平戸では、最高峰の鯛の鼻、県道19号沿いにある景色抜群の平戸風力発電所と美しい砂浜(人津久浜)は是非立ち寄ってもらいたい。また、生月の生月大橋を渡って島の西岸をはしる生月サンセットウェイは、走りと景色を両立する超お薦めのシーサイドロードだ。南太平洋の孤島を思わせる断崖下の道路、棚田と断崖上を走る道路は本当に素晴らしい。距離も短いので何度も往復したくなる道である。午前中は日陰になるので、緑の豊かさを感じるなら午後からがいいだろう、名前のとおり夕陽も絶品。
また、2つ島はフランシスコ・ザビエルが上陸した地でもあり、江戸時代はキリシタン弾圧の下で、かくれキリシタンたちが大切に守ってきた信仰を今でも伝承する”祈りの島”でもある。2017年には「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として世界文化遺産登録された。絶景道路を走った後には、各地に点在する教会を巡るのもいいだろう。
お薦めのシーズン
- 緑輝く春から夏にかけて。
周辺立ち寄りポイント
◆田平公園
平戸大橋を南側から見下ろす九州側の公園。展望施設や子ども用の遊具などが備わった整備された公園。
◆中瀬草原
玄界灘を一望する草原地で民宿とキャンプ場がある。やや風が強いので状況にあわせてテントを張ったほうがよい。
◆平戸風力発電所
平戸島西岸の県道19号沿いの高台の絶景地にある風力発電所。
◆人津久浜
平戸島西岸の県道19号沿いにある、沖縄を除いた九州NO1の美しさを誇る海水浴場。少し南側の道路沿いからの景色が格別。『死ぬまでに行きたい世界の絶景~日本編~』でも紹介された場所だ。
◆生月サンセットウェイ
島西岸を走る農免農道。東シナ海と棚田、南太平洋の孤島を思わせる断崖下の道路は、距離は短いが走りと景色を両立した国内屈指のシーサイドロード。