道の概要
三瓶山は鳥取県の大山とともに中国地方でたった2つの活火山のうちの1つで、最後に噴火したのは約4000年前だ。複数の山が窪地を囲むように連なり、人気の三瓶温泉をはじめ、周辺の多くの素晴らしい温泉の源となった。草原地帯は、”火入れ”の習慣によってその状態が維持され、草原を焼くことで、新しい草を芽吹かせている。斜面に大草原が広がる西の原エリアでは180度の大パノラマを見下ろせる。三瓶山には登山道やクロスカントリーなどのコース設定が多数用意されており、初心者から上級者まで幅広いレベルの登山者が登山やアウトドアスポーツを楽しむことができるエリアになっている。
『三瓶アイリスライン』は、三瓶山をぐるりと周回する三瓶山高原道路で、距離的には15kmと長くはないが、変化する森や草原に囲まれた大自然の中を爽快に走るワインディングロードである。アイリスラインの名称は北の原の姫逃池に咲くかきつばたの学名「アイリス」に由来する。三瓶山を中心に、草原風景の美しい西エリア、スキー場でリフトのある観光地帯の東エリア、三瓶温泉の南エリア、広い芝生や青少年交流の家などがある自然公園の北エリアの4つの地域に分けられている。
中でも絶景ロードとして抑えておくべきハイライトは西エリアの“西の原”付近の清々しい草原の景観だ。多くが林間ルートの中、雄大な三瓶山と共に突然開ける広大な草原地帯は、絶景ロードの名に相応しい感動的な光景だ。距離的にはほんの数キロの大変短い区間ながら“こんな山中にこんな風景が!?”と思わせる意外性が感動を高めてくれる。
周辺は様々なアクティヴィティが用意されているので、ツーリングがてら挑戦も可能だ。走った道を観光リフトに乗って山の上から見たり、軽登山で汗をかいて温泉でゆったりと疲れをとるのもよいだろう。3月末の西の原の草原の火入れ(山焼き)や4月の志学周辺の桜ロードはお薦め。
ただひとつ注意すべきは路面状況だ。積雪地ということもあり、舗装状態はお世辞にも良いと言えない。路面を確認しながら速度には注意して走行したい。また、道幅は2車線だが、路肩スペースは狭くなっているので注意したい。
お薦めのシーズン
- 青空の輝く春から秋。
周辺立ち寄りポイント
◆北の原 姫逃池(ひめのがいけ)
島根県の天然記念物に指定されたカキツバタが有名。数千本の花が5月中旬~6月上旬にかけて満開になる。かきつばたの学名がアイリスで道の名前に使われた。
◆浄善寺
樹齢600年以上の大イチョウがそびえ立つ。見頃は11月中旬~12月上旬。
◆志学展望広場
三瓶山の南側にある展望地。4月中旬には周辺の道路は6000本の桜で彩られる桜ロードになる。
◆石見銀山
2007年に世界遺産に登録されたアジアで初めての鉱山遺跡。最盛期には、世界の産出銀量の約3分の1を占めた日本銀のかなりの部分が石見銀山産だ。周辺は江戸時代風の町並みが残されている。登録当時活況はない分落ち着いて見学できる。