道の概要
リアス海岸で有名な若狭湾にある三方五湖は、淡水湖の三方湖、汽水湖(海水と淡水が混ざる)の久々子(くぐし)湖・水月(すいげつ)湖・菅(すが)湖、塩水湖の日向(ひるが)湖の総称で、面積は水月湖が一番広い。かつて、三方五湖は海岸から遠く離れた内陸の湖だったが、縄文時代前期になると海水面は3~5mも高くなった。久々子湖は大きな入り江となり、その後耳川によって運ばれた土砂が入口を塞ぎ、入り江は潟湖となった。他の湖は50万年前に三方断層の沈殿部にできた断層湖とみられている。
『三方五湖レインボーライン』は、この三方五湖を縫うように走る全長11㎞の観光有料道路である。入り口は、東側が県道214号の笹田交差点から入り料金所は日向ゲート、西側が県道216号から入る海山ゲートで、区間内には大小合わせて5つの駐車場があり、第一駐車場は山頂公園に通ずるリフト乗り場になっている。
日向からレインボーラインに入ると、最初の嵯峨ずい道横展望駐車場から見える日向湖に浮かぶ筏の景色は、ほのぼのとした日本の漁村風景を醸し出し心が安らぐ。そこからは直線道路とゆるやかなカーブが連続する急勾配のワインディングが始まり、日本海を見ながらの走行は豪快な山岳スカイラインのようだ。
一番タイトなヘアピンを走って程なく第一駐車場に到着。週末は駐車場渋滞が発生することがある。ここからリフトまたはケーブルカーに乗って梅丈岳(400m)のレインボーライン山頂公園に行くことができる。料金所入口でもらう割引券を活用しよう。公園は2020年4月に「三方五湖に浮かぶ天空のテラス」をコンセプトに、おしゃれなテラスが5カ所オープンした。歩きながら360度の大パノラマが楽しめる公園の魅力が大幅にグレードアップした。晴れた日にはぜひ立ち寄りたいスポットだ。第一駐車場から西側の海山へは、日本海を右手に見ながら、緩やかなカーブを下って行き、料金所を過ぎて水月湖畔に至る。
若狭湾は半島の先端のあちこちに原子力発電所を抱え、原子力銀座と言われる地域。原子力発電所の設置と引き換えに、政府から出される地域振興財政支出によって過疎地域の生活が維持されている側面がある。そういう意味では、このレインボーラインは地域観光の目玉とも言える道路だ。
2022年10月以降は県道移管に伴い無料化することが予定されている。より身近となりますます魅力ある道路になりそうだ。
お薦めのシーズン
- 一番の季節は蒼い日本海が輝く夏!
- 春から秋まで楽しめる。春は特に沿道の桜が美しい。
周辺立ち寄りポイント
◆レインボーライン山頂公園
展望台から全ての湖を眺める事が出来る絶景スポット。2020年4月に三方五湖に浮かぶ天空のテラスをコンセプトに、おしゃれなテラスが5カ所オープンし、魅力が増大した。中腹の第一駐車場よりリフト(別料金)を利用する。
◆エンゼルライン
三方五湖レインボーラインの西にある内外海半島の久須夜ヶ岳頂上まで続く9.7kmの道路。途中には大狼岩といわれる巨岩や頂上には展望台があり、走りと景色の両方を満足させてくれる道。
◆気比の松原
敦賀湾最奥部に広がる気比の松原は、白砂青松の景勝地で、日本三大松原のひとつに数えられ、国の名勝にも指定されている。