道の概要
景色の見えない日本百名道。新潟県の湯之谷温泉郷から国道352号と分岐し、奥只見ダム建設のために作られた道路は、現在はダム関係の点検調整のためだけでなく、紅葉の名所とスキー場への観光道路として知られている。
奥只見ダムは高さ157m、全長480mの直線重力式コンクリートダム。同形式のダムでは日本一の高さを誇ります。奥只見ダムによってできた奥只見湖の面積は約11.5km²(東京都千代田区や文京区とほぼ同じ)、貯水量は約6億㎥、東京都の小河内ダム(奥多摩湖)や富山県の黒部ダムの約3倍になり、奥只見発電所の出力は一般水力(揚水発電を除く)では、国内最大の56万kW(約18万世帯の生活電力に相当)を発電するという。
全長22kmのうち18kmがトンネルというちょっと異質な道。トンネルは長短あわせて19。途中の絶景紅葉ポイントとして有名な銀山平への分岐がある。ナトリウム灯の色合いが最初は新鮮で、思わずため息が出る。途中大型車用の方向変換スペースが作られているので、そこに車を停めれば撮影が可能。紅葉の時期をはずせば車は多くないので、早朝ならゆっくりとトンネル内で撮影できる。側壁がきれいに舗装されているところと素掘りのままのところがある。
残念ながら二輪車の走行が禁止されているので、国道352号線を走って、山越えで奥只見湖の銀山平に向うのも楽しい。駒ヶ岳を横目に本格的な山岳スカイラインで、やや狭い区間もあるが、完全舗装のタイトコーナーが続く道だ。最高地点1065mの枝折峠(しおりとうげ)には駐車場とトイレがあり、駒ヶ岳登山の入口にもなっている。ここは圧巻の滝雲の見える場所でもある。滝雲は秋の早朝に奥只見湖で発生した霧が雲海となり山の稜線を越え、山の斜面を滝のように流れ落ちる現象だ。滝雲の出る条件は、前日晴れて昼夜の温暖差が激しい時、早朝の天気予報が晴れで気温が下がること、そして適度な風がある時となる。運にまかせるような話だが、晴れ予報なら確率は高そうだ。
道路は枝折峠からヘアピンを下っていく。途中展望のいい場所はたくさんあるので撮影も勤しみたい。そして銀山平に到着する。
この後は、紅葉の時期ならそのまま奥只見樹海ライン(国道352号)で湖岸をトレースしよう。本州でもトップクラスの真っ赤に染まる山々が、ロングツーリングの辛さを吹き飛ばしてくれる。福島県との県境を越え尾瀬、檜枝岐(ひのえまた)を過ぎて国道401号~国道289号~とつなぎ、国道252号(六十里越道路)で田子倉湖沿いを走って関越道小出ICまで戻るというツーリングプランも立てやすい。
お薦めのシーズン
- 紅葉が見頃となる10月中・下旬頃。
周辺立ち寄りポイント
◆銀山平
越後駒ヶ岳などの登山や、奥只見湖(銀山湖)での釣りで人気のエリア。秋はブナをはじめ広葉樹が色付き、美しい紅葉が人々を魅了する。日本を代表する紅葉の絶景地である。
◆奥只見樹海ライン
緑の季節は飽きてしまうが、10月中下旬の紅葉の時は東北地方にも勝る美しさ。奥只見湖と燃えるような赤い山々の紅葉が延々と続く。
◆尾瀬沼山峠
御池駐車場にバイクをおいてバスで行く尾瀬の展望休憩所。北側から尾瀬沼を眺望できる。