道の概要
下北半島は、青森県北東部に位置する本州の最北端の半島である。まさかりの形が特徴で、その西にある津軽半島との間には平舘(たいらだて)海峡がある。下北半島の北東端は尻屋崎、北西端は本州最北端の大間崎である。北側では、津軽海峡を挟んで北海道の渡島(おしま)半島と向かい合い、大間崎は北海道最南端の白神岬よりも北に位置する。「まさかりの刃」に当たる部分には、釜臥(かまふせ)山(879m)を最高峰とする恐山山地が広がり、日本三大霊場に数えられる恐山がある。下北半島は野生のニホンザルの生息北限地だが、これはサル類の世界最北限でもある。
北海道函館市から海上区間を越えて大間から青森県むつ市を経て、上北郡おいらせ町に至る国道338号のうち、下北半島の大間と脇野沢を結ぶ区間を海峡ラインと呼んでいる。大間から南に進むと、やや狭めの2車線道路で海岸線を走る。願掛岩周辺の海岸道路は奇岩・絶壁が続く迫力ある区間だ。この道の見どころのひとつは観光地として有名な巨岩・奇岩が2kmにわたって立ち並ぶ仏ヶ浦だ。北側の展望台からは観光写真で良く見る風景が眼下に広がるが、一度は20分歩いて海岸に行き、間近で巨岩を体感して欲しい。遊覧船に乗ればすべての巨岩を見ることもできる。
仏ヶ浦から南は海岸線を離れ、一気に山岳スカイラインに変貌する。海峡ラインからイメージする道路とは無縁である。しかし、走りに関してはこの区間は素晴らしい快走路になる。幅広の完全2車線で道路の舗装状況も大変良く、ヘアピン、アップダウン、直線など様々なシチュエーションの中を爽快に走ることができる。海はほとんど見えないが、車両も少ないので走ることで充分満足できるだろう。なお、途中道の駅「かわうち湖」方面の交差点では、県道253号が直線でつながっていて間違えやすいので注意しよう。
脇野沢で海峡ラインは終わるが、海岸沿いを走る道は、おだやかな陸奥湾を眺めながら、交通量が少ないシーサイドラインをむつ市に向って走る。
お薦めのシーズン
- 緑輝く夏がお薦め。
周辺立ち寄りポイント
◆仏ヶ浦
巨大な奇岩が立ち並ぶ景色は圧巻。「仏ヶ浦」とは如来の首、五百羅漢、一ツ仏、屏風岩、天龍岩、蓮華岩、双鶏門、帆掛岩、極楽浜などの名前が付けられた岩々の総称を指す。北側の展望台からの眺望と浜辺におりて岩の合間を歩いたり観光船で遊覧するのもよい。
◆願掛岩とゴジラ岩
海峡ラインの北側の巨岩が続く区間にある道路脇の巨岩。すぐ南には津軽半島をめざすこちらも巨大なゴジラの背中に見える岩がある。
◆大間﨑
マグロで有名な本州最北端の大間。突端のマグロと漁師の腕の碑は朝夕のバイクとの撮影にもってこい。すぐ近くに無料のキャンプサイトがある。函館からフェリーで大間について即利用できるのがうれしい。少し狭いが設備も綺麗でトイレは温水洗浄便座。海峡保養センターで入浴可能。
◆脇野沢野猿公園
道の駅「わきのさわ」に隣接する野猿公苑では約50頭のニホンザルが飼われ愛嬌のある姿を見ることができる。
◆釜臥山展望台
恐山山地の最高峰で標高は878.2m。自衛隊のレーダー基地の近くにあるむつ市と陸奥湾を見下ろす絶景展望台。