日本各地の走って気持ち道、楽しい道、美しい道などを紹介しているモトメガネの人気コンテンツ『日本百名道』。
北海道から沖縄県まで、紹介している道は100本以上にわたる。
今回はその名道の中で眺望の良い絶景道『渓谷編』を紹介しよう。
さらに『道の駅』コンテンツもあるので、そちらと合わせてルートを組めば完璧!
ぜひともツーリングプランに役立ててほしい。
【三重/奈良】香落渓(かおちだに)道路
〜柱状節理の岩肌は壮観!自然の息吹が感じられる名道〜
三重県と奈良県を流れる名張川の支流・青蓮寺(しょうれんじ)川に沿う香落渓(かおちだに)は、関西の耶馬渓と呼ばれる渓谷で、柱状節理の絶壁の岩肌が約8kmに渡って続いている。中でも天狗柱岩・屏風岩などの眺めは素晴らしく、その雄大な光景は自然の造形美を楽しませてくれる。春は山吹・ツツジが色鮮やかに咲き誇り、秋には全山が燃え立つような紅葉は本州でも屈指の雄大な美しさを誇っている。
この美しい渓谷を青蓮寺川に沿って走るのが『香落渓道路』だ。周辺の地名となっている青蓮寺は、今から約1200年前、真言宗の開祖である空海(弘法大師)が近隣の室生寺から現在の青蓮寺地区に入り教えを広め、その後、地域住民が力を合わせて寺を作り上げたのが起源とされている。
香落渓へは、北側の青蓮寺湖か南側の曽爾高原から向う2つのルートがある。周辺には青山高原道路もあるので、1日のツーリングのルート構成の中で検討すればよいだろう。今回は北側から走ることを想定する。
国道165号沿いの夏見から県道81号を川沿いを進むと、まず現れるのが青蓮寺ダムだ。アーチ式コンクリートダムは高さが82.0 mでなかなかの迫力である。ダムによってできた人工湖青蓮寺湖にかかる赤い弁天橋を渡り、青い青蓮寺橋を見ながら川沿いを進むか、橋を渡って対岸の道を進んでもよい。そしてトンネルを抜けるとそこからが香落渓だ。
【愛媛・高知】中津明神山
~天空の林道~
高知県と愛媛県の県境に位置するツーリングコースとして、UFOライン(瓶ヶ森林道)や四国カルストが人気を集めていますが、中津明神山の「天空の林道」も負けず劣らずの好ロケーションです。
四国カルストの白い石灰岩、瓶ヶ森林道が岩の多い荒々しい雰囲気なのに対し、中津明神山は四国山脈らしいなだらかな山肌と、笹原がどこまでも続く景観が特徴となっています。
天空の林道からの景色も素晴らしいですが、中津明神山の山頂からの四国山脈をする景色は絶品ですよ。
まだまだ観光地化されていないため秘境感が高く、他の2つに比べちょっとした自慢になること請け合いです。
本州からは、しまなみ街道で今治に渡り、国道196号~国道194号と走って高知方面に向います。国道194号は愛媛と高知を結ぶ四国山脈を横断する山岳快走路でとても楽しい道です。途中にはUFOライン、道の駅木の香、仁淀ブルーで人気沸騰中の「にこ渕」もあります。この道路だけでツーリングコースができてしまうくらい魅力的な道路です。
天空の林道は、途中国道439号に分岐し西へ向います。439号と言えば、四国では有名な酷道として名を馳せていますが、国道33号につながるこの区間は完全2車線の素晴らしい快走路なので安心して下さい。国道33号線に入ってしばらく走ると中津渓谷入口の看板があるのでそちらを登っていきましょう。
【宮崎】高千穂神話街道
〜沿線には日本神話の舞台が多数点在する快走路〜
延岡から日本神話の故郷「高千穂」をつなぐ国道218号が『高千穂神話街道』。五番ケ瀬川渓谷の右岸と左岸をつなぐ橋を何本もわたる快走路。
宮崎県を代表する觀光地を結ぶ完全2車線道路は整備の整備状況も素晴らしい。パイパスも作られて走りやすいが、渓谷美を味わうという点では寂しい気もする。左岸に点在する農村風景はゆっくりと時間をかけて回りたくなる魅力ある場所。
渓谷の川沿いを走る旧道は1.5車線~2車線、地元の生活車程度しか走らないのですいている。ここから見上げる高さ137mのアーチ橋青雲橋も魅力的だ。
【埼玉/山梨】雁坂峠/国道140号線
〜紅葉シーズンがオススメ!秩父と塩山を結ぶ観光ロード〜
埼玉県秩父と山梨県塩山を結ぶ雁坂峠に、1998年雁坂トンネルが開通し観光ルートとして重要な国道になるとともに、ドライブルートとしても魅力あるものになった。長さ6625mの雁坂トンネルは一般国道としては日本最長で、これまでほとんど見ることのできなかった山梨ナンバーを埼玉で、埼玉・群馬ナンバーの車を山梨で頻繁に見るようになった。
埼玉側は秩父の峰々が連なる奥深い谷間を走るが、滝沢ダムの建設で周辺の道路が一新され一気に快走路となった。ダムの目の前を走る奥秩父大滝ループ橋は大自然の中の人工美を感じる。
山梨側には、新緑と紅葉で人気の西沢渓谷がありシーズン中は大変混む。しかし塩山市周辺にも新道が建設され、アクセスは格段によくなった。甲府盆地はフルーツラインと呼ばれる広域農道がぐるりと盆地を周回しているので、そこを走るのも楽しい。
【三重/滋賀】鈴鹿スカイライン/国道477号線
〜ダイナミックな走りが楽しめる山岳ワインディング〜
1972年に伊勢と近江を結ぶ鈴鹿国定公園横断道路として開通した『鈴鹿スカイライン』は、1997年に通行料が無料となり、国道477号線の一部区間になった。。全長は約19㎞、鈴鹿山脈の御在所岳と鎌ケ岳の間を通り、峠の武平トンネル(標高800m)を越えて甲賀にぬけていく。
鈴鹿という名前からはサーキットが連想されるが、サーキットはもう少し南に位置する。道路はその名に相応しく、ヘアピンが連続する山岳スカイラインになっている。渓谷を登るようなルートなので、景色がいいのは三重県側で、山頂の武平峠トンネル手前の駐車場からは伊勢湾や伊勢平野を臨むことができる。道路は完全2車線で路面状況もよい、三重県側の武平峠までは、ヘアピンが連続し、コーナーをクリアするごとに高度を上げていくワインディングロードだ。小出力エンジンだとやや力不足を感じるかもしれない。ほとんどのコーナーには減速帯がもうけられており、爽快な乗り心地とまではいかないのが残念。展望のいい箇所には少々狭いが駐車スペースもある。なお、御在所岳の登山口になっていて、登山客が道路を歩いていることがあるので注意が必要である。