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普通二輪免許で乗れる個性あふれる3モデル!実は兄弟車だった?!

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

KTMがリリースする390シリーズには、スポーツネイキッドモデル、『390DUKE』を筆頭に、 MotoGPマシンルックのフルフェアリングを纏った『RC390』、フロントに19インチホイールを奢り、ロングストロークの足回りによるオフロードでの走破性を高めた『390ADVENTURE』の3本立てがラインナップされる。それらのエンジンやフレーム周りは驚くことに共通プラットフォームを使用。

しかしこの3台。見た目だけでなく、乗ったフィーリングも全く異なる世界観を確立しているのが興味深い。

390DUKERC390390ADVENTURE
エンジン4スト水冷単気筒4スト水冷単気筒4スト水冷単気筒
ボア×ストローク89 mm × 60 mm89 mm × 60 mm89 mm × 60 mm
排気量373 cm³373 cm³373 cm³
出力32 kW32 kW32 kW
トルク37 Nm37 Nm37 Nm
変速機6速6速6速
潤滑ウェットサンプウェットサンプウェットサンプ
フロントブレーキ径320 mm320 mm320 mm
リヤブレーキ径230 mm230 mm230 mm
サスストローク(フロント)142 mm120 mm170 mm
サスストローク(リヤ)150 mm150 mm177 mm
燃料タンク13.4 L13.7 L14.5 L
乾燥重量150 kg155 kg158 kg
目次

390と125は共通の車体!?

390シリーズを紹介するその前に、じつはこの390、DUKEやRCに存在する125と基本的に共通の車体を用いているのをご存知だろうか。それはかなりじゃじゃ馬なマシンを想像させるパッケージングであるが、乗ってみると390を主軸に設計がなされているかのようなまとまりと一体感がある。

もちろん、軽量でコンパクトなことは大きなメリットとなるのであるが、決してエンジンのパワーに対して車体が貧弱といったことのないバランスが保たれているのだ。

幅広く走りを楽しめる万能バイク『KTM 390 DUKE』

まず、このシリーズ元祖ともいえるDUKEであるが、スパルタンなルックスに対して走りは良きバランスを誇るオールラウンダーといえる。

373ccの排気量を持つ390のエンジンは(KTMは90で終わるモデル名を好むが、正確な排気量を示しているわけではない)〝Ready To Race〟をポリシーとするKTMからイメージさせるアグレッシブな印象はなく、優しい肌触りは万人向けだ。

とはいえトルクも十分で、回転数を上げなくとも過不足ないパワフルさを感じさせる。そしてそこからしっかり高回転に向けてストレスなく回るエンジンを駆使すれば、大型モデルと行動をともにしても足かせとならないポテンシャルを有している。

アップライトなライディングポジションで、シリーズ中もっともコンパクトな車体は、1クラスどころか 2クラスも小さなマシンを操っているかのようなイージーさでもある。

日常的な足としてはもちろん、スポーツライディングも余裕でこなす守備範囲の広さが魅力のマシンとなっている。

スポーツライディングを堪能できるバイク!『KTM RC390』

MotoGPマシンRC16からインスパイアされたスタイリングを持つRC390は、2022年モデルでフルモデルチェンジ。こちらは、DUKEのフルモデルチェンジから数年間は従来型の車体回りを継続して使用していたが、2022年モデルより兄弟車と同様に刷新。各部のバージョンアップとともに大幅な軽量化も実現している。

もともとのRC390は、スタイリングのイメージよりもフレンドリーな性格を持っていたが、よりスポーツライディングを堪能出来るマシンに変化したといえる。 足まわりもよりしなやかかつしっかりとした手応えを感じさせ、DUKEの着せ替えマシンといった印象からよりスポーツマシンらしいキャラクターが与えられている。

オフロード性能をもたせつつロードも得意なバイク『KTM 390 ADVENTURE』

そして、2020年よりファミリーに加わったアドベンチャー。 このセグメントのブームに便乗して、スタイリングだけをらしく見せたマシンとは異なり、しっかりとオフロード性能を充実させてきたことは、さすがといえるだろう。

ストローク感ある足回りはオフロードでの安心感だけでなく、ロングライドでの快適性も備えている。そして、オンロード上での走りも侮れないどころか、じつに高いポテンシャルを有している。右 に左にスイスイとレスポンス良く反応してくれる車体回りは、ワインディングをかなりのペースで攻めてみても破綻をきたすことがない。大柄になりがちなアドベンチャーマシンのなかでダントツでコンパクトかつ気軽にポテンシャルを引き出せるわかりやすさが魅力である。シート高を除けば、もっとも取っ付き易い390ともいえるかもしれない。

ビギナーからエキスパートまで楽しめる懐の深さ

390シリーズに共通していえることは、ベースにある作り込みの確かさをそれぞれのモデルに上手に振り分けた点。
そしてエキスパートライダーにも「面白い!」と感じさせるとともに、バイク経験の少ないライダーに向けても優しく手を差し伸ばしてくれるような存在である。

それは、様々な電子制御アシスト機構を備えていることでも理解出来る。
このクラスとしては異例ともいえる、トラクションコントロールの採用も嬉しい。上級モデルの細かい設定に比べるとこれは安全制御の意味合いが強いものではあるが、任意でオフとすることも可能であり、エキスパートがサーキット走行でよりラップタイムを追求する際にも重宝する。

また、アドベンチャーにおいては22年モデルより、オフロード走行対応となる設定が新たに追加されたこともトピックといえる。 さらにはリーンアングルと連動して作動するコーナリングABSを装備するとともに、フロントホイールのみが作動するスーパーモトモードをDUKEとRCに採用。また、アドベンチャーにはオフロードモードが設定され(こちらもリアのABSは効かない)路面に適応したABSが選択出来るのも嬉しい。

それぞれにキャラクターの異なる390ファミリーであるが、入り口は広くとも、なかなか奥が深い設定としていることが素晴らしい。

やんちゃだったKTMが成熟したブランドになったと感じさせる機会がここ最近は増えているが、それを見事に具体化した3モデルとなっている。

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