【Brand Pickup】
クラシカルなスタイルを現代のモデルに融合したネオレトロ、ネオクラシックなマシンが人気だ。
最新のモデルだから旧車のように手がかかることがなく、気軽にレトロな雰囲気を楽しむことができる。
走りも現代のバイクだから軽快で、車重も軽いから取り回しも楽だ。
そこで、今回はイタリアの名門F.Bモンディアルのネオレトロなスクランブラー『HPS125』とレトロクラシックな『SPARTAN125』 をそれぞれ紹介しよう。
国産モデルにはない個性あふれる秀逸なデザインと、クラスを超越した作りが魅力。
後半では、それらF.Bモンディアルの車両に実際に触れられるイベントとF.Bモンディアルの歴史も紹介しよう。
注目のネオレトロなスクランブラー「HPS125」
1940年代に生産されたF.Bモンディアルの”Hipster Generation”をオマージュし、新生F.Bモンディアルとして2015年に登場した初代HPS125。コンセプトと走りから欧州では大ヒットなったモデルである。
今回紹介するこのHPS125は2021年に刷新されたモデルだ。フロントに18インチ、リヤに17インチのタイヤをはき、125ccのエンジンを搭載したマシンとは思えないほど堂々とした車格。そしてイタリアのマシンらしい、造形の美しさに満ちている。
搭載するエンジンは排気量124ccの水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ。Euro5に準拠した最新エンジンは、燃費性能を向上しながらも出力とトルクのパフォーマンスを大幅にUP。高回転型のエンジンは従来と変わらず、エンジンを回して持っているパワーをしっかりと使って走る楽しさは125ccクラスならではのもの。
125ccだからとチープなところは全く無く、装備している各パーツのグレード、質感は非常に高い。
フロントブレーキにはラジアルマウントの4ピストンキャリパー、リヤブレーキは1ピストンのフローティングキャリパーを装備。それぞれABS機能を備えているため、安全かつ確実に止まることができる。
フロントサスペンションはφ40mmの倒立フォークを採用。
正立フォークと比べ剛性が高く、ブレーキングやコーナリングでの安定感が向上するため、走りを重視したマシンでは装着することが定番となっている。
スーパースポーツなどに取り付ける社外製の高性能倒立フォークだとφ43mmが多いが、それに近いφ40mmということからも、HPS125は走りに力を入れていることがうかがえる。
その他に、メーターに視認性の高い7インチのTFTディスプレイが用いられているのも大きなトピックだ。表示形式を任意で変えられ、使うシチュエーションや気分によって選ぶ事ができる。
エンジン | 水冷4ストローク単気筒DOHC |
排気量 | 124cc |
全長✕全幅✕全高 | 2025✕710✕1050mm |
ホイールベース | 1360mm |
シート高 | 795mm |
変速機 | 6速 |
燃料タンク | 9.5L |
車重 | 133kg |
フロントブレーキ | 4ピストンキャリパー、ディスク径:φ280mm |
リヤブレーキ | 1ピストンキャリパー、ディスク径:φ220mm |
フロントタイヤ | 100/90 x18 |
リヤタイヤ | 130/80×17 |
フロントサスペンション | φ40mm 倒立フォーク |
リヤサスペンション | ダブルショックアブソーバー(120mm) |
レトロクラシックの「SPARTAN 125」
2023年に新たに加わったのが『SPARTAN 125』だ。
アップライトなハンドル、タンクパッドの付いた丸みを帯びたタンク、フラットでステッチが施されているシートに、砲弾型のテールライトと、現代的にアレンジされたレトロクラシックなおもむき。HPS125と同様に高い質感と存在感は、125ccクラスとは思えない高い仕上がりだ。
HPS125が水冷エンジンだったのに対し、SPARTAN 125は124ccの空冷単気筒エンジンを採用し、最大出力11.56馬力、最大トルク9.5Nmを発揮する。
燃料タンクは15Lもの容量を備え、ワンタンクでかなりの長距離を走れることになる。
ちなみに125ccクラスで15Lもの容量を備えているものは他になく、一般的には11Lから8L程度だ。
125ccクラスのため高速道路は走れないが、ロングツーリングでは大きなアドバンテージとなることは間違いない。
空冷エンジンということもあり車重は125kgと、同クラスのマニュアルミッション搭載のネイキッドマシンと比べても軽い部類に入る。
シート高は800mmと、同クラスのスクーターといった他モデルと比べたら数値的には高い。しかし、リッターバイクのシート高800mmと違い、124ccの空冷単気筒エンジンのマシンのため、数値ほどの高さは感じないだろう。
LED搭載のフロントライトユニット、デジタルオドメーターといった現代的な装備をクラシックなスタイルにうまく融合しているのは、さすがイタリアンデザインのモデルといえよう。
エンジン | 空冷4ストローク単気筒SOHC |
排気量 | 124.6cc |
全長✕全幅✕全高 | 1960✕810✕1065mm |
ホイールベース | 1350mm |
シート高 | 800mm |
変速機 | 5速 |
燃料タンク | 15L |
車重 | 125kg |
フロントブレーキ | 3ピストンキャリパー、ディスク径:φ298mm |
リヤブレーキ | 1ピストンキャリパー、ディスク径:φ210mm |
フロントタイヤ | 110/70 x17 |
リヤタイヤ | 130/70×17 |
フロントサスペンション | φ37mm 正立フォーク |
リヤサスペンション | ダブルショックアブソーバー(64mm) |
高品質で所有欲を満たすバイクを、購入できる価格でユーザーに届けたい!
「国内外のバイクを問わず、環境対策や、製造コストのアップなどによりバイクの価格は年々上昇しています。
バイクを取り巻く環境は、バイクユーザーの高齢化、車両の高価格化といったことで、厳しいのが現実です……。
魅力ある製品であることが重要ですが、購入できなければ意味がありません。
車両の細部や質感を見ていただけたら分かると思いますが、このクオリティながら購入しやすい価格設定になっています」
とF.Bモンディアルの輸入総代理店の高岸さんは語る。
F.Bモンディアルの正規ディーラーは全国に20店舗!
F.Bモンディアルの正規ディーラーは全国に20店舗用意されている(2023年9月現在)。
すべてのモデルが用意されているわけではないが、これら店舗でF.Bモンディアルの車両を見ることが可能だ。
75年の歴史あるF.Bモンディアルとは?
F.Bモンディアル (F.B-Mondial )は75年の歴史があるイタリアの老舗バイクブランドだ。
日本では2018年から正規販売され、2022年の東京モーターサイクルショーに初出展している。
現代のマシンなのに、どこかクラシカルな雰囲気をまとったモデルは特徴的で、記憶に残っている読者もいることだろう。
日本ではまだ〝知る人ぞ知る〟というバイクメーカーかもしれないが、ホンダがロードレースに参戦し始めた1950年代の中頃、すでにロードレース世界選手権でF.Bモンディアルはタイトルを獲得していたのだ。
世界選手権で5回のタイトル獲得!
ロードレース世界選手権でマニュファクチャラーズのタイトル5回、ライダースチャンピオン5回を獲得しているF.Bモンディアル。
それまでのロードレース世界選手権の小排気量クラスでは当時2ストロークマシンが優勢であったが、F.Bモンディアルが投入したDOHC4ストロークマシンの強さは圧倒的だったのだ。その勢いはロードレースにとどまらずイタリアのモトクロス選手権でも優勝を収めるなど、破竹の勢いでレース界を席巻。
高い技術力で一目置かれていたF.Bモンディアルだが、車両の販売面では伸び悩み、1957年にはレースを撤退。1979年に会社は一度解散してしまった。2000年にはF.Bモンディアルから権利を買い取った会社も5年で活動を停止。
現在はF.Bモンディアルの創始者の子孫と、ファンティックのテクニカルディレクターであったチェザーレ・ガレ氏によって、2014年に復活。
クラスを超えた質感を備える、小型モデルを中心にラインナップしている。
2023年10月15日のイベントで実車に触れられる!!
注目の名門イタリアンブランド『F.Bモンディアル』。今回紹介した車両を間近で見れて、触れることができるイベント『バイクde秋祭り』が2023年10月15日に愛知県安城市で開催される。
イベントでは体験試乗会、展示販売会、自分のバイクで参加できるマイバイクライディングスクールなども行われ、グルメ屋台も出展される。入場無料なので、気軽に足を運んでみるとよいだろう。
なお、F.BモンディアルではHPS125 ABS(2023年モデル)、SPARTAN125 CBS(2023年モデル)を試乗車として用意。それ以外にも展示車を複数台用意する予定だ。
この機会に、ぜひとも復活したイタリアの名門『F.Bモンディアル』のこだわりと質感に触れてみてほしい。