セミプロ!? バイクメカの私がJ-TRIPを選ぶ理由
私は、約5年用品店のメカニックを経験し、三級二輪整備士免許を取得。その後バイクメンテナンスの編集部に10年在籍した経歴を持ちますので、純粋な一般ユーザーとは言えないかもしれないですが、準セミプロ目線?でJ-TRIPのメンテナンススタンドについて、私的レビューをしたいと思います。
とにかく個人ガレージでもプロショップでもサーキットでもよく目にする!
先の経歴の通り、とにかく今まで数多くのプロメカニックの仕事場やサンデーメカニックのガレージを見てまいりました。そこで、圧倒的に目にする機会が多いのがKTCの工具とJ-TRIPのメンテナンススタンドです。
それほどJ-TRIPが支持を集める理由と言えるのが直感的な使やすさと、どんなバイクが来てもひとつのスタンドで対応できる汎用性の高さ、そして驚異的な丈夫さが挙げられるのではないでしょうか。
私が過去に勤めていた用品店でも、もちろんJ-TRIPのスタンドを使用していましたが、多数のメカニックがひとつのスタンドを共有しますし、毎日何十回もスタンドアップを行います。
スタンドをかけたまま洗車をすることもありますし、ブレ―キフルードがかかったり、バッテリー液がかかったり、非常に劣悪な使用環境だったと思います。
しかし、Tレンチのハンドルが折れたり、ソケットが割れたりといった工具の破損は数年に一度は起こりましたが、スタンドが壊れたことはただの一度もありませんでした。
それだけ丈夫なので、サンデーメカニックであれば間違いなく一度買えば、バイクを降りるその日まで使い続けることができるはずです。
いつかマフラー交換をするために導入!
オーナー:丸山淳大
●愛車:Vmax1200 2007年式 ●走行距離:23,600㎞
●カスタム内容:レバー、USB電源、ETC
Vmax1200はシャフトドライブ車なのでスイングアームが独特な形状です。さらにスタンドフックも装着できないため、一般的なメンテナンススタンドは使えません。
ノーマルでセンタースタンドを標準装備しているのですが、マフラーをアフターマーケット品に変えると高確率でセンタースタンドは外さなければなりません。
そうなると、金輪際、車体をまっすぐ自立させることができなくなってしまうので、洗車やメンテナンス時にかなり不便なことになります。
そんなVmax1200オーナーの味方となるのが、
J-TRIPのメンテナンススタンド【JT-125RD】と
はじめて受けです。
私もいつかはマフラーの交換を目論んでいるので、センタースタンドを取り外した時のためにJ-TRIPのメンテナンススタンドを導入しました。
J-TRIPのスタンドでVmax1200が上げられる理由
Vmax1200のリアアクスルシャフトは純正で中空の貫通タイプなので、J-TRIPのはじめて受けが使えてしまうのです。
タイヤの脱着はできないですが、チェーン駆動でも無いVmax1200のリアホイールを脱着する機会はタイヤ交換の時くらいしかありません。ちなみに私はオーナーになってから5年経ちますがホイールは一回しか外していません。
リアスタンドのかけ方 Vmax1200編
詳細なスタンドのかけ方はJ-TRIPのYouTubeチャンネルにもわかりやすい動画がありますが、ここでは私のVmax1200で実演してみたいと思います。
まずスタンドアップの場所は平たんな場所に限ります。
ハンドルを左にいっぱいに切ります。車体は必ずハンドルの方向に倒れるので、これで万が一グラっと来てもサイドスタンドの方に倒れるというわけです。
フロントブレーキをロック (タイヤチューブを切った輪ゴムやタイラップで縛ればOK) します。
今回は「ブレーキレバーロック20【JT-1042B】」を使用しました。
Vmaxはひたすら重いので、サイドスタンドから起こすのも大変です。 そこで少しでも車体が直立に近づくようにサイドスタンド下にゴム板を入れて車体を立てておきます。木っ端などでもOKだと思います。
スタンドの受け金具をアクスルシャフトの幅に合わせて調整し
「はじめて受け」のシャフトをリアアクスルに通します。
その状態でリアホイールの後ろ側(ナンバーの辺り)に立って、グラブバーを持って車体を起こしつつスタンドに足をかけます。
スタンドを踏んだ状態でスタンド両側のホイールが地面に接地すればもう車体は倒れません。
そのままスタンドをスイングアーム下に潜り込ませるように踏み抜けば、スタンドアップできます!
センタースタンドよりも楽!?はじめてスタンド
Vmax1200は超重量級なので、センタースタンドをかけるのもかなり気合と体力が必要になってくるのですが、J-TRIPのスタンドにはローラーが付いていることもあり、少ない力で簡単にスタンドアップできます。
フロントスタンドがあればできる作業の幅が広がる!
フロントスタンド【JT-1162】
フロントスタンドには付属品が多数です。
スタンドのホイールボルトはスムーズに締め付けができました。スタンドに限らず輸入格安工業製品はネジ山にまで塗料が入って、うまく締め付けできないことが本当に多いです。
細部に光る細やかな気配り!
リアスタンドも同様の構造となっていますが、スタンドの高さ調整のネジは供回りを防ぐ部品が付いており、工具を使わずにスピーディーに締め、緩めが可能。
フロントスタンドを立てて保管しておくと、誤って足で蹴ってしまった時などに、折りたたんだスタンドが倒れてしまう時があります。そんな事態を防ぐためにゴムバンドが付属。取り付けの突起もしっかり溶接されていおり、ゴムバンドがしっかりはまるのでバンド自体の紛失を防ぐことができます。
フェンダーと接する箇所には傷防止用ラバーが貼ってあります。
ステムシャフトのアダプターのOリングに少量シリコングリスを塗っておくとスムーズに挿入可能でした。
フロントスタンドがあって良かった!エピソード
先日、走っている時にフロントホイールの周辺から「カサッカサッ」っと断続的な異音が聞こえてきました。ブレーキパッドのバリでも出ているのかと思い確認してみることに。
異音の場所を特定するため、ホイールを浮かせて、キャリパーを外した状態で回転させてみたところ、音は消えませんでした。
そこで、ブレーキの引きずりではないと判断。ホイールのベアリングもゴリゴリしてなかったので、ダストシールにグリスを少量塗ってみたところ、音が消えました。
こうした作業ができたのもフロントスタンドがあればこそ。
ジャッキなどでフロントを上げた状態だと、バイクが非常に不安定になるのと、ハンドルが自然にどちらかに切れてしまい、作業性が悪いのです。
その点、フロントスタンドならば作業時の安定感もしっかりしていて安心できますし、タイヤは真っすぐの状態が維持されるので足回りのメンテが非常にしやすいのです。
同様にフロントフォークのメンテナンスの時にも便利なのは間違いありません。
フロントスタンドのかけ方 Vmax1200編
フロントスタンドに関しても使い方はわかりやすい公式動画が参考になります。
フロントスタンドは必ず先にリアスタンドをかけてから使用します。
ステムシャフト内径に合うアダプターを付属のものから選んで、フロントスタンドにセットしておきます。
念のためフロントフェンダーをウエスなどでカバーしておきます。Vmaxだとほとんど接触しませんが……。
スタンドを折り畳んだ状態でステムシャフトにスタンドアダプターの先端を差し込みます。
アダプターがしっかりステムシャフトに入ったのを確認したらハンドル側を下ろしていきます。
そのまま下げていけばフロントが浮き上がります。ローラーが付いているので力はほとんど必要ないですし、スタンドアップ後は頼もしい安定感を感じます。だからこそ、安心して作業に集中できるのです。
キャリパーがユラユラしない!ホースに負担がかからない!
キャリパーを外して、ブレーキホースでぶら下がっている状態だと、負担がかかりますし、キャリパーがフォークなどにぶつかって傷を付けたりして良いことがありません。
そこで、J-TRIPのフロントスタンドにはフックが付属していて、ここにキャリパーを引っ掛けておくことで、作業はしやすいし、バイクの傷や破損も防ぐことができます!
保管は壁掛けがオススメ
一般ユーザーだと大きなスタンドの保管場所が気になるところ。常時愛車をスタンドアップさせておくのも、もちろんタイヤやサスペンションには良いのですが、スタンド単体で保管するなら壁掛けがおすすめです。
私は単管パイプで棚を自作していたので、そこにスタンドを引っ掛ける用のパイプを増設して対処しています。
スタンドこそ良いものを選びたい!
ネット通販では激安のバイク用スタンドが販売されています。私も使ったことがありますが、明らかに剛性が不足していて、パイプが捩れて不安定感が出たり、力が逃げてしまいスタンドアップに力が必要だったり、そもそもバランスが悪くスタンドが上げづらいと、まあ、あまり良い印象はありません。
バイクは一度転倒させてしまうと、数万~数十万の被害が出てしまいます。下手に安いスタンドを使ってバイクを倒してしまうのは馬鹿馬鹿しいので、スタンドこそ信頼のおける製品を選んでいただきたいものです。
Photo&Text 丸山淳大