グローブはバイクの操作、安全性の上で大事なライディングギアの一つだ。
筆者は10年以上バイク業界で働いてきた中で、様々なライディンググローブを使ってきたが、これこそ至高というグローブが二つ存在する。
KNOX ハンドロイドPODマーク4
アンドロイド感全開のエクソスケルトンシステムを採用することで他のライディンググローブでは、まず見たことないような見ためのグローブがKNOXのハンドロイドPODマーク4だ。
見ためのインパクトに圧倒されるが、普段は柔らかく衝撃が加わることで硬くなるマイクロ・ロックや、スライダーの役割を果たすSPSなど防御力が半端じゃない。
そのうえ、分厚い革を採用しているのに使い始めから操作性は悪くない。使うごとに手になじんでいくので、どんどん愛着がでてくる製品だ。
色々試した中で、防御力・操作性・見た目のバランスに優れた至高の逸品として現在も愛用している。
モンベル モーターサイクルレザーグローブ
アウトドア用品メーカーのモンベルがバイク用品を製造・販売している事を知っている人は少ない。だがレインウエア、バッグなどグローブ以外にもバイク用品を販売しているのだ。
モンベルのバイク用品中でもイチオシなのが、モーターサイクルレザーグローブだ。
一般的なバイク用グローブはバイクの運転に関して特化した操作性を持っているが、最近ではバイクに乗りながらアクションカムの操作をすることも増えてきた。
そんな時に抜群の操作性を有していたのがモーターサイクルレザーグローブだったのだ。公式ホームページには「手を入れるほどになじむ」とあるが、なじむまでの時間は0秒。使い始めから抜群の操作性を発揮する。
至高のグローブ唯一の欠点が防寒性
以上の二つが筆者の選ぶ至高のグローブだ。
だがどちらにも唯一といってよい欠点が存在する。防寒性である。真冬に30分~1時間程度のライディングなら耐えることができるが、それ以上の時間となると手先が強烈に冷たくなる。
ナックルガードとグリップヒーターがあれば耐えられるかもしれないが、仕事で色々なバイクに乗るので、バイクの装備に依存することはできない。
そこで3シーズン用のレザーグローブを真冬でも使えるようにするのがインナーグローブだ。グローブの中に着用することで手軽に防寒性をアップすることができる。
インナーグローブを探すならアウトドアメーカーのモンベルの直営店をお勧めしたい。
バイクで使えないものもあるが、同社のホームページを確認すると28ものインナーグローブを見つけることができる。
本記事では筆者愛用の3つのモンベル製インナーグローブを紹介したい。
メリノウールグローブタッチ
筆者はインナーに適した素材としてメリノウール以上の素材を知らない。
メリノ種と言われる羊の毛から作られる天然繊維で吸放湿コントロール効果があり吸い取った汗を緩やかに放出する。更に抜群の保温力でウール特有のパチパチ感も少ない。
質感は一般的なウールの手袋といった感じだが、適度にストレッチするので手に馴染みすく、手首部分にはゴムが入っているのでフィット感もある。
生地は薄手なのでグローブが余程タイトでない限りは問題なく着用できるだろう。
注意すべきはウールなのでマジックテープとの相性が悪い点だ。筆者愛用のモーターサイクルレザーグローブは手首部分をマジックテープでフィット調整する。
マジックテープはウールに張り付いてしまうのでほつれやすく注意が必要だ。
シャミースグローブMen’s
モンベルが扱うフリースの中でも一番薄手の生地がシャミースだ。
人間の毛髪の10分の1という極細のマイクロファイバーを編んだ素材で、薄手で軽量ながら暖かい空気をため込む性能が高い。
蒸れを放出しやすく速乾性に優れる素材で、表側は肌触りが良く裏側は起毛のような質感になっており保温性が高い。
ストレッチ性に優れているのでフィット感は抜群で、薄手なのでインナーグローブとして使いやすい。
ウールと比べるとマジックテープにも付きにくいのがポイントだ。
トレールアクショングローブ Men’s
シャミースの次に薄いフリース素材なのがトレールアクショングローブに採用されるストレッチクリマプラスだ。
表地は滑らかな質感なので滑りが良く、グローブに入れる際に抵抗が少ない。裏地は起毛素材で暖かい空気をため込めるのが特徴だ。
こちらは前述した二種類のグローブに比べて僅かに生地が厚いが、縦横にしっかりストレッチする素材なのでフィット感は抜群だ。
指先と手のひらには滑り止めがついており、保温性と吸水発散性に優れているため、極寒期はバイクを降りた後で単体利用するのにも便利。
表面がスベスベしているので、今回紹介する製品中ではマジックテープが一番付かないのもポイントが高い。
動画でも御紹介しています
グローブによって最適解は異なる
筆者愛用グローブの場合ハンドロイドPOD4の方が指周りがタイト、手首のフィット感はリールアジャストで調整する。
そのため薄手でマジックテープに弱いメリノウールタッチとの相性が良い。
モーターサイクルレザーグローブは指周りが少々ゆるく、手首のフィット感はマジックテープ。
マジックテープが付きにくいトレールアクショングローブが最適解。
どちらでもそれなりに使い勝手のが良いのがシャミースグローブとなった。
それぞれのインナーグローブは寒い日に手袋としても使い勝手が良いので、ランニングする際や子供と外で遊ぶ際にも使っている。
春や秋ごろに寒さが読めない時には荷物に入れて携行してもスペースを取らない。
またインナーグローブで細かいサイズ調整をしてサイズ感ピッタリになると、アウターグローブの操作性も向上する。
今回紹介したグローブ以外にも、モンベルの直営店には多数のインナーグローブが用意されている。バイク用品店やツーリング帰りに立ち寄ってみてはいかがだろうか?