バッグが好きだ。本来一個あればいいはずのバックパックが我が家には5個も存在する。
「5個も」とは言ったが、厳選を重ねたバックパックである。過去には買ったものの数週間でフリマアプリ行きという製品も多数ある。
それほど厳選された5個なのである。そのため最近はそうそう欲しい!というバックは存在しない。
特に筆者大好物の30L級の防水バッグとなると、20L級の製品に比べて極端に少ないのである。
先日何気なくSNSを見たところクラウドファンディングで「こ、これは!」というバックパックを発見してしまった。
筆者が見つけた時にはクラウドファンディング募集中だったが、結果的には84人の支援、320万1600円を集めて終了した。
製品はBOUNDARY社のARRISというシリーズだ。
BOUNDARYって?
BOUNDARY SUPPLY社はアメリカのメーカーで、日本には総代理店がない。
製品毎に扱っている販売店が異なり、クラウドファンディングで見かけることが多くなった。
バッグ本体の機能性はもちろんだが、様々な拡張機能を採用している製品も存在する
今回紹介するARRISは「拡張性」という点においては特に究極ともいえる製品と言えるだろう。
拡張性に関して
本体の拡張パーツは驚きの11点
クラウドファンディングが終了したばかりということもあり、まだ全ての拡張パーツが日本に到着しているわけではないという。
今回は5点お借りすることができたが、すべてのオプション品を紹介しよう。
LTドライバッグ
バッグ本体に取り付け可能な小分け用のバッグ。容量は10Lで防水なので濡れてしまったものを入れて置いたり、濡らしたくないものを入れておくことができる
ラッシュストラップ
追加アイテムをバッグに着けるための使用するストラップ。
ARRISの拡張機能の肝ともいえるストラップだ。
※今回はサンプルなし
スタシススリング
ARRISの前面に装着可能な拡張バッグ。容量は10Lで、単体でショルダーバッグとして使うこともできる
リフトパック
ARRISの上部に装着可能な拡張バッグ。容量は3.5Lでボディバッグやウエストポーチとしても使用可能
フィールドスペース2.0
ノートパソコンやタブレット、それに付随するガジェット類をまるっと収納することができるサブバッグ。
※今回はサンプルなし
テックケース
バッグ内部が細かく分かれており、小さなガジェット類を納めるのに最適なサブバッグ。
サイズ的にはARRIS本体の上側のポケットにピッタリおさまる
※今回はサンプルなし
パッキングキューブ
通気性に優れた片布素材のポーチ三種類の総称。
メインバッグのARRISは容量が大きいので一泊二日の良好などにも最適だが着替えなどを入れるのに最適なポーチ。
※今回はサンプルなし
カメラケース
衝撃保護パット入りのカメラケースで容量は8.4L。マジックテープで脱着可能な仕切りも付属。
機動力重視でチョイスした、マイクロフォーサーズ規格のデジタル一眼レフカメラは望遠レンズをつけたままで収納可能。
フルサイズのデジタル一眼レフカメラも問題なく収納できるだろう。
ストラップ付でショルダーバッグとしても使うことができる。
ヘンプのランドリーバッグ
吸湿発散性にヘンプのランドリーバッグで容量は10L。ヘンプ以外にリサイクルポリエステルを混合することで強度を増している。
着用して汚れた衣服などを分けて入れておくのが便利。
※今回はサンプルなし
アドベンチャーウエストベルト
ARRISは標準でチェストストラップが採用されており、更に荷物が重い際にはウエストにアリスベルトを追加することができる。
アドベンチャーウエストベルトはアリスベルトに収納を追加するモノだ。スマホや鍵、小銭入れなどを入れることで利便性を上げることができる。
※今回はサンプルなし
アリスレインチェックダッフル
もともとARRIS本体が防水性に優れたバックパックだが、長時間雨に降られれば浸水の可能性がないわけではない。
ARRIS全体を覆うレインチェックダッフルを装着すれば限りなく浸水の可能性がなくなる。
またレインチェックダッフル事態も35Lの超軽量なダッフルバッグとして使うこともできる。
※今回はサンプルなし
記事を書いていても、こんなにもポイントが多いバックは近年まれである。
この時点で若干お腹いっぱいに。
11点のオプションパーツの中には、「それはなくても別に・・・」と思うものもあるが、旅行やキャンプで使う際にも買い足すものがないほどの充実している。
ARRIS本体の特徴
ARRISは最低限の付属品3点がセットになった価格が3万8000円。
庶民感覚の筆者にとっては安いとは言えない価格だが、様々な防水バッグパックを試してきた筆者が断言しよう。
これはお値段以上だわ
クラウドファンディングの製品はコンセプトが斬新でも品質がイマイチというものも多いが、ARRISはクオリティが非常に高いのだ。
ギミック搭載のバッグだけに細かい点を挙げて行けばきりがないのだが、ここぞ!というポイントを3点お知らせしたいと思う。
バッグの防水性
ナイロン生地表面を耐水性に優れた素材でコーティングし、内側は100%防水フィルムが採用された3層構造を採用していてメインの収納部に関しては縫い目にシームテープを採用していることも確認できた。
オプションでアリスレインチェックダッフルが用意されてはいるが、特に必要ないのでは?と思うぐらい防水性は万全を期している。
特に防水リュック好きの筆者を唸らせたのが止水ファスナーである。
最近はファスナー部分からの浸水を防ぐために密閉性に優れた止水ファスナーが採用されることも増えた。
メインの荷室は利便性のために両開きを採用することが多いが、その場合どうしてもスライダー同士の間に隙間ができてしまうのだ。
しかしARRISは限りなく隙間ができない形状を採用している。防水バッグは色々見てきたが、このタイプは初めて見た。全防水バッグが採用するべき止水ファスナーである。
ショルダーハーネスの位置調整が可能
ショルダーハーネスの位置調整ができる機能も驚かされた。
バイクはショルダーハーネスよりも高い位置に荷室があると、ヘルメットが干渉してしまう恐れがある。
ショルダーハーネスをギリギリまで上に調整すれば干渉知らずだ。
逆にお尻にバッグが当たって邪魔と感じる場合には、ショルダーハーネスを下にずらせば良い。
35Lの大容量だが荷室が適度に分かれていて使いやすい
バッグの容量表記は意外にあてにならない。
我が家にも30L級バッグはいくつかあるが、そのどれよりよもARRISは大きい印象だ。
楕円形だが、ほぼスクエアな形状で縦にも長いので大きな荷物やトラベル三脚も収納可能。
更に今回はお借りすることができなかったラッシュストラップがあればトラベル三脚はバッグ横に固定することができる。
これは近年増えつつあるモトブロガーやカメライダーにはたまらない。
ツーリング先でお土産を買いたくなってしまった際にも、このバッグを持っていけば困ることはないだろう。
いくら大容量でも荷室が一つだと使い勝手がいまひとつだが、ARRISは荷室が分かれているので良好だ。
特に前側の荷室は止水ファスナーが一方通行でひさしがついているので、他の荷室に比べて雨が入るリスクが低い。
バッグ上側の荷室は出し入れすることの多い財布や細かいガジェット類を入れておくのに便利だ。
マイナスポイントは二つ
チェストストラップがないとショルダーストラップがずれて運転中気になることがある。
ARRISにはマグネット式チェストストラップが採用されており質感が高い。
だがARRISは各所にプラスチックや金属パーツが使われているために少々重い。
またメインファスナーの開閉は少々硬い印象だ。だが止水ファスナーは少々硬い方が防水性が高い。
止水ファスナー用のグリスなどで対応したいところだ。
動画でも御紹介しています
クラウドファンディングは終了したが通信販売開始を待とう!
でかいからヘルメットぐらい入るかな?と思って入れてみたところ、なんと入ってしまった。
ちなみに入れたのはSHOEIのZ-8 Mサイズだ。
防水性やショルダーストラップの位置、チェストストラップなどバイクにもピッタリなので、気になった方はクラウドファンディングは終了しているので、通信販売開始を待とう!
文/写真:相京雅行