「すべてのライダーに感動を」をコンセプトとするサスペンションメーカーのYSS。今回の東京モーターサイクルショーでもそのテーマどおり、オンロードとオフロードとスクーター、レーサーからシティコミューターまで、幅広いユーザーに対応する豊富なバリエーションを披露した。ブースには、ホンダ・GB350のカスタムマシンとホンダ・CBR250RRベースのレーサーを展示。リヤショックの内部構造がわかるクリアダンパーや、減衰力のセッティング変更による効果を体感できるイスのような装置など、市販製品以外にも多彩な展示で多くの来場者を集めた。
技術革新で近年はレースシーンでも好成績を獲得!
「Your Supreme Suspension」(あなたにとって最高のサスペンション)の頭文字を取って、1983年にタイランドで設立。創業以来、アジアを中心に多数のバイクメーカーに純正採用され、OEM製品を供給してきた。
2005年、北欧のメジャーメーカーから招へいした技術者によって飛躍的な技術革新を遂げ、世界レベルのレースシーンで通用するリヤショックの開発に成功。2008年には株式会社ピーエムシーと日本での代理店契約を締結し「YSS JAPAN」が発足した。その後、日本国内でもレース活動を積極的に続け、2015年の鈴鹿4耐などで勝利。一方でYSSの市販車対応は2600車種にもおよび、幅広いユーザーの要望に応える。
“すべてのユーザーに”の精神をTMCSでも表現
YSSの日本代理店となる株式会社ピーエムシーの東京モーターサイクルショーブースは、センターにグランドピアノを配置。土日にはプロの演奏者を招いて生演奏を実施するという、モーターサイクルショーのブースとしては斬新な演出を取り入れた。これにより、YSSのサスペンションもよりラグジュアリーなイメージに。リズミカルにコーナーを駆けるYSSの雰囲気が強調されていた。ピーエムシーブースのうちYSSエリアは、GB350のカスタムマシンとCBR250RRレーサーを展示の中心としながら、これらを囲むように多数の市販製品を配置。ラインアップの多さも表現する展示だった。
足まわりカスタムによる運動性能向上や走りの快適化をアピール
豊富なラインアップを誇るYSSは、3年ぶりの開催となった東京モーターサイクルショーの会場にも多数の市販製品を展示。これによりさまざまなマシンに乗るユーザーに、愛車に適合する製品があることをアピールした。
また、これは従来からあるシステムだが、減衰力のセッティング変更による効果を体感できるよう、リヤショックが装着されていて座面が上下に動くイスのような装置も設置。サスペンションのグレードアップにより、減衰力が調整できるようになることのメリットを来場者に体感してもらっていた。
今年の東京モーターサイクルショーでの注目ポイントは?
展示のメインとなったのはGB350のカスタムマシンとCBR250RRベースのレーサー、リヤショックの内部がわかるクリアダンパー(アクリル試験機)。とくにGB350は、昨年新発売の人気モデルとあって、市販製品の仕様などをスタッフに細かく質問しているユーザーが目立った。
優雅に走れる快適性を追求!
ホンダ・GB350用
Z362リヤショット&フォークアップグレードキット(開発中)
Z362は、シンプルな外観ながら軽快なライディングに必要な調整機構を備えた、オールラウンドタイプのリヤツインショック。すでにGB350用も発売されている。プリロードは無段階調整式で、減衰力は伸側を30段階に調整可能。車高は最大+10mmまでセッティングできる。Z362はオプションによりショック全長の変更が可能(GB350の標準値は365mm)。ボディはブラックとシルバー、スプリングはブラック、レッド、シルバーから選べる。 現在開発中のフォークアップグレードキットは、フロントフォークのスプリング、プリロードアジャスター、しなやかさとコシを与えるインナーバルブ(PDバルブ)などからなるキット。こちらも各車種専用設計で、より快適なライディングフィールを実現する。
価格●7万1500円(GB350用Z362)/予価3万7400円(GB350用フォークアップグレードキット)
4年連続でJP250のチャンピオンマシンに装着!
ホンダ・CBR250RR用
MR456
YSS JAPANは2018年からロードレースチームの「TEAM TEC2」にサスペンションを供給。全日本ロードレース選手権で併催されているMFJカップ JP250(市販車ベースの250ccクラスレース)では、4年連続でシリーズタイトルを獲得した。 MR456は、一体成型のアルミ削り出しボディにアルミシリンダーを組み合わせ、大容量リザーブタンクを装備したレーシングモデル。一体成型ボディによりストローク時に流れるオイル通路を最適化させて余分な減衰抵抗を減らしている。もちろんフルアジャスタブルで、車高調整も最大+10mm幅で可能。圧側減衰力は高速側と低速側の2系統を備え、伸圧減衰力ともに30段階に細かく調整できる。カワサキのNinja ZX-25R用やZX-10R用、ヤマハのYZF-R1用やスズキのGSX-R1000/R用、BMWのS1000RR用などもラインアップする。
価格●22万円(CBR250RR用MR456)
リヤショックの中身と動きがわかる!
クリアダンパー(参考出品)
リヤショックを透明なアクリル素材で製作することで、サスペンションが動いたときに内部のオイルやピストンなどがどのように動いているのかを“見える化”したクリアダンパーも参考出品。大容量リザーブタンクの重要性などが、視覚的に理解できた。
こちらも要チェック!
市販製品を数多く展示したYSS。注目アイテムは多数あるが、その中でも人気となっているスクーター用のリヤショックとスポーツモデル向けのフロントサスチューニングパーツを紹介しよう!
スタンダードフロントフォークの性能が飛躍的に向上!
フロントフォーク・オープンカートリッジキット
アウター&インナーチューブはノーマルを使いながら内部パーツを刷新することで、スムーズな動きと広い調整範囲を手に入れられるキット。フルアジャスタブルで、伸圧減衰力はそれぞれ30段階に調整可能。調整機構はトップキャップに集約されていて、調整作業がしやすい。車種別専用設計で、カワサキのZ900RS用やヤマハのMT-09/07用の人気が高いとのことだ。
価格●11万円
スクーターの走りが激変!
TG302
ホンダのPCXシリーズやADV150、ヤマハのN-MAXシリーズ、スズキのバーグマン200など、原付二種クラス以上のスクーターに幅広く適合するリヤツインショック。無段階調整可能なスプリングプリロード30段階の伸側減衰力調整機構を装備。YSSならではの優れた路面追従性で、ワンランク上の走りを実現する。スクーターツーリングでの快適性向上にもつながるアイテムだ!
価格●7万1500円