カワサキは、東京モーターサイクルショーの舞台を、ユーザーがカワサキの製品と世界観を“体感”できる場所としてデザイン。来場者がまたがれる車両を9台用意して、多くの順番待ちをつくった。 一方で、カワサキZシリーズの始祖となった通称・Z1こと900スーパー4の誕生から50周年を記念したアニバーサリーモデルや、レーダーシステムを新搭載するなどのモデルチェンジが施されたNinja H2 SX、あるいは新型ミドルヘリテージモデルのZ650RSなど、この春のショーで実車が国内初披露となったモデルも多数展示!
人気モデルを多数輩出中のカワサキ!
2018年型での発売以来、昨年まで4年連続で排気量400cc超の大型二輪クラスで国内新車販売台数トップをマークしているZ900RS/CAFEと、250ccクラスとしては久々となる4気筒エンジン搭載車として2020年9月に国内導入されたNinja ZX-25Rが、今年に入ってもユーザーから絶大な支持を集めているカワサキ。この他にも、メグロK3やW800シリーズ、Ninja 400/250などの人気車種を多く抱えるのに加えて、Z650RSやモデルチェンジが施されたNinja H2 SXシリーズ、Z900/RSの上級版となるSE仕様など、2022年型でも新機種を多数導入して、さらなるラインアップ強化を図る。
モーターサイクルショーは“体感モデル”を充実化
まず来場者を迎えたのが、モデルチェンジが施された新型Ninja H2 SX。その対角線に位置するブース奥側展示スペースには、創業者の川崎正蔵がみずから考案して1870年代に所有船で使用していた、川崎重工のリバーマークが大きく飾られていた。「川」の字をモチーフとしたこのシンボルに対して、右側ステージにはZシリーズの50周年記念車を3モデル、左側にはNinja ZX-25Rの市販車とレーサーを展示。とはいえ展示の中心は、あくまでも実際にまたがってライディングポジションや雰囲気を確認できる車両たち(体感モデル)。ブースには9台が用意。
体感モデルの中でもとくに大人気だったのは、4月下旬発売でこのショーで実車がユーザーにも初披露となったZ650RSや、カワサキスーパースポーツのフラッグシップに位置するNinja ZX-10R。このうちZ650RSは、実際に購入を考えているユーザーも多数。一方で10Rは、「自分にはスゴすぎるバイクだけど、雰囲気だけでも味わってみたい!」なんて来場者も多くまたがっていた。
今年のモーターサイクルショーでとくに注目だったのは?
ブース全体が常に大盛況だったカワサキブースだが、その中でも注目度が高かったのは、壇上に飾られた3台のZシリーズの50周年記念モデルと、国内初披露となったNinja H2 SX SE。さらに、Ninja ZX-25Rおよびそのワンメイクレース用マシンも、市場で人気のモデルとあって多くの来場者がじっくり眺めていた。
ボッシュ製のレーダーシステムを新採用!
Ninja H2 SX SE
2022年型でモデルチェンジを果たしたのが、最高出力200馬力を発揮する998cc水冷並列4気筒バランス型スーパーチャージドエンジンを搭載したスポーツツアラーのNinja H2 SXシリーズ。3月11日に国内仕様が正式発表されたばかりとあって、一連のモーターサイクルショーが実車の国内初披露となった。 この最新型は、レーダーセンサーシステムを用いたボッシュ製のARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)を新搭載。ミリ波レーダーを、前走車を追従するアダプティブクルーズコントロール、前方衝突警告や死角検知&警告に利用する。さらに、カワサキ初のビークルホールドアシスト(停車時のリヤブレーキ保持機能)やエマージェンシーストップシグナル(急制動時のブレーキランプ点滅機能)も採用している。ショーでは上級版のSE仕様を展示。こちらは、新たにショーワ製スカイフックテクノロジーを採用した前後セミアクティブサスも備える。
価格●265万1000円(Ninja H2 SX)/297万円(Ninja H2 SX SE)
伝説の名車たちをオマージュした車体色!
Z900RS/Z900/Z650RS 50th Anniversary
1972年にデビューした通称・Z1から続くカワサキのZシリーズ。その50周年を記念して、2022年型のZ900RS、Z900、Z650RSには特別なカラー&グラフィックを採用した50th Anniversary仕様が設定されている。
このうちZ900RSとZ650RSの50周年記念車は、Z1を象徴する火の玉カラーを採用。キャンディカラーを独自の技法で重ね塗りした、艶やかで深みのある燃料タンク塗装を誇る。前後ホイールはゴールドとして、美しいデザインを強調。シート表皮はシボ入りの専用タイプで、グラブバーを標準装備し、各部に専用のロゴやエンブレムを備える。 Z900 50th Anniversaryは、1981年型Z1100GPをはじめとする80年代Zに使われたカラーリングがモチーフ。フレームを艶ありブラック塗装、フロントフォークアウターをゴールドカラーとして、全体のイメージを高めてある。こちらもシボ入りで上質な専用シート表皮で、フェンダーやシュラウドに専用ロゴやレタリングが配されている。
価格●149万6000円(Z900RS 50th Anniversary)/121万円(Z900 50th Anniversary)/110万円(Z650RS 50th Anniversary)
ほぼノーマルで参加型レースを楽しめる!
Ninja ZX-25R
カワサキは、最高出力45馬力の249cc水冷並列4気筒エンジンを搭載したNinja ZX-25Rのワンメイクレースとして「Ninja Team Green Cup」を開催中。2022年は全5戦が開催予定だ。ロードレースというと「敷居が高そう……」と思われがちだが、カワサキではその前段階としてサーキットデビューに最適な「KAZEサーキットミーティング」や、レース参戦に必要な知識やルールやテクニックなどを学べる「Ninja Team Green Trial」など、ロードレースデビューに向けたプログラムも多数実施。これらを活用することで、サーキット初心者でも不安なくレースデビューできる。 そして「Ninja Team Green Cup」で使用するマシンも、オイル受けとなるアンダーカウルの装着などは必要だが、ほぼノーマル状態でも問題ナシ。実際、ショーのブースに飾られていた「Ninja Team Green Cup」参戦マシンは、マフラーやステップすらノーマルだった!
価格●93万5000円(Ninja ZX-25R SE/KRT EDITION)
オフロードファンにはこちらもニュース!
昨年も「Kawasaki Team Green Program」の一環として、指定の期間にKXシリーズなどを新車購入したユーザーのうち全日本や地方選などのモトクロス選手権に参戦したすべてのライダーに、レース参戦支度金(全日本は6万円、地方選やその他の指定競技は3万円)を、新車1台につき1回進呈し、全日本モトクロス選手権に参戦するライダーのサポートプログラムとして、入賞報酬金制度も導入していたカワサキ。今年もこの制度は継続されるが、それに加えて2022年は、オフロードの楽しさをより多くのユーザーに体感してもらうべく、エントリーユーザーをはじめとした幅広いライダーが気軽に来店できるオフロード特化の「オフロードエントリーショップ」を展開する。
この指定店では、オフロードの魅力を発信し、これからオフロードをはじめたいユーザーの相談窓口的な役割を担い、ステップアップを希望するライダーにはアドバイスやサポート対応を実施。オフロードモデルで参加できるイベントの開催や、参戦できるレースの案内などにも力を入れる。詳細は後日発表されるが、概要は今回のショーで発表。市販モトクロッサーのKX250を展示し、KLX230SとKX112とKLX110R Lの体感モデル(またがれる車両)を用意するなど、オフロード分野の展示にも力を入れていた。
その他の取り扱いブランド
Bimota
カワサキモータースジャパンは2021年末に、日本総輸入元としてイタリアの高級ハンドメイドモーターサイクルブランドとして知られるBimota社の取り扱いを開始。秋のEICMA(ミラノショー)で発表されたばかりの新型KB4を、50店のBimota正規取扱店で販売する。今回のカワサキブースには、このKB4も展示。初期販売台数に限りがあるため、購入権は抽選。すでに第7期までの受付が終了され、第8期以降の購入権申し込みスケジュールは随時発表となる。価格は437万8000円だ。