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都市伝説級の「ホンダNX125」 年間生産計画はバイクブーム時代にしてわずか1500台!?

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

一生に一度、出会えるかどうかの存在

ホンダ「NX125」と聞いて「ホンダが誇るスーパーカーNSXの間違いだろ?」というのは正当なリアクション。「中国ホンダのスクーターだよね」という人、かなりのバイクフリークですね。

「NX125」は、1987年に発売された「デュアルパーパス」と呼ばれるモデルです。デュアル(dual)は「二重」「二者」、パーパス(Purpose)は「目的」「意図」という意味。オンでもオフでもOKというコンセプトです。
Twitterでレアなバイクを探していたら、都市伝説的存在なNX125が「バイクショップ」にあるという情報をキャッチしました。機会を逃したら一生お目にかかることがないかもしれませんよ!

※ショップの承諾を受けて撮影していますが、問い合わせなどで業務に支障をきたさないよう店名は伏せます。

レプリカに続く二匹目のドジョウを狙ったHとY

NX125が発売されたのは1980年代後半のこと。各メーカーはレーサーレプリカに続く二匹目のドジョウを狙っていました。ホンダとヤマハは「オンとオフ、両方楽しめるバイクがあったら売れるんじゃね?」と思いつき、ホンダは1987年12月に4ストロークの「AX-1」、ヤマハも1988年1月に2ストローク45馬力の「TDR250」という素っ頓狂なバイクを発売しました。

「AX-1」の車名の由来は「モーターサイクルの新機軸(AXIS)を提案する1番目のモデル」という意味。ホンダの新たな分野を開拓する先駆者の役割が背負わされていました。

レコードジャケット

AX-1のイメージキャラクターに選ばれたのは、なぜか「ロマンチックが止まらない」で一世を風靡したC-C-Bのボーカリストの笠(りゅう)くんでした。

メーカー名:ホンダ
車名:AX-1
重量:116kg
エンジン:水冷4サイクル単気筒
排気量: 249cc
最高出力: 29PS / 8,500rpm

メーカー名:ヤマハ
車名:TDR250
重量:134kg
エンジン:水冷2サイクル2気筒
排気量: 249cc
最高出力: 45PS / 9,500rpm

ボンヤリした感じのAX-1に対して、TDR250は「どんな道でも走り出したら止められないっすから」のバリバリぶり。45馬力のパワーなどダートで乗りこなせるはずもなく、実際はロードが主戦場の「なんちゃってダートバイク」という感じでした。

年間販売計画台数1500台

当時は「AX-1を発売してしばらく様子を見よう」などという発想はなかったようで、翌年にはAX-1のコンセプトを受け継いだ弟分「NX125」を発売しました。一気にムーブメントを起こす予定でしたが、当時は「どっちつかずのハンパ者」と呼ばれていました。デュアルパーパスが「アドベンチャー」としてジャンルを確立するのは、それから約30年後のオハナシです。

NX125を見たことがある人は数少ないでしょう。それもそのはず、販売当時の販売計画(国内・年間予定)は超弱気の1,500台。まさに本当にあるかわからない「都市伝説級の存在」ですから!

メーカー名:ホンダ
車名:NX125
重量:110kg
エンジン:水冷4サイクル単気筒
排気量: 124cc
最高出力: 12PS / 9,000rpm

もちろん販売計画自体が「そのくらい売れたらいいな、できたらいいな」という「あんな夢」「こんな夢」のハナシなので実数ではありません。しかも発売から時間が経過するほど、販売台数が減少するのは当然のこと。世の中に出回っている台数は、そこいらの限定車以上に少ないことは明らかです。

砂漠の女王の真似をしてみたかった

「NX125」のネーミングは、1986年から参戦最終年の1989年まで無敗を誇り「砂漠の女王」と呼ばれた「NXR750」から由来しています。AX-1の輸出車名もNX250であることから、海外でラリーのイメージを押し出そうとしていたのでしょうね。

レーサーレプリカの販売手法を真似て、ラリーのスポンサーだったロスマンズ・カラーで発売すれば少しはライダー受けしたかもしれませんが、白一色という地味なスタイルで販売されていました。

ちなみにNXR750は、1988年に「アフリカツイン」の名前で市販化され、現在もアドベンチャータイプの「CRF1100L Africa Twin」として販売されています。

私を林道に連れてかないで!

パワーユニットは生粋のダートバイク「XL125R」の空冷・4サイクル・OHC単気筒・124ccエンジンを流用。街中で使いやすい低速域に重点を置き、レスポンス性に優れた出力特性です。「ダートバイクはキックで始動」が当然の時代にセル・スターターが装備されるなど、タウンユースでの使いやすさも考慮されています。
ただし最高出力は12馬力しかありませんので、思い切りスロットルを回しても時速80㎞が関の山。大地震のような振動もきつく、ゆっくり走ることしかできません。

「ロードはダメダメでもダートは行けるんじゃね?」と期待して林道に乗り込むと、たちまち後悔することに。街乗りに寄せたサスペションのセッティングのため、深い砂利のコントロールが難しい。フロントフェンダーが低く、泥道を走ればタイヤとの隙間に詰まります。残念ながら「ダートバイクの真似をしたオンロードバイク」と割り切るしかなさそうです。

絶対に人と被ることがない希少性がウリ

なぜ不人気の小型バイク市場に、ホンダがNX125をぶち込んできたのかわかりませんが、1993年に国内販売を終了した後も輸出仕様が1999年まで継続生産されたことを考えると、もともと海外市場を主軸にしていたモデルだったのかもしれませんね。

中古市場ではほとんど見ることがありませんが、ごく稀に入荷することがあるようです。パーツの入手が困難なため修理に手こずりそうですが、「他人と被るのは嫌だ」という人は購入を検討してみてはいかがでしょうか。

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