ヤマハ発動機株式会社は、自社の展開する「パフォーマンスダンパー」が装着されたされた児童送迎車両を使用する、児童発達支援・放課後デイサービス「てならいこ」代表の中田氏へインタビューを行った。今後、パフォーマンスダンパーを活用し、福祉施設の快適な送迎や、さらなる拡がりの可能性を探っていく。
福祉施設の「快適な送迎」に貢献する技術
揺れや振動を抑えて送迎に「安心」を
「車内に子どもたちの笑い声が増えた気がします。それから、以前と比べてよく寝るようになった印象もあります」
大阪市鶴見区の児童発達支援・放課後デイサービス「てならいこ」。その児童送迎車の車内の様子を代表の中田貢さんはこう話します。
当社が中田さんからの相談を受けたのは、新学期を目前に控えた今年3月のことでした。「児童の特性によるのですが、送迎車のちょっとした揺れや振動、音などにパニックを起こしてしまう子どもたちがいます。ドライバーは細心の注意を払って運転していますが、神経をすり減らすような運転がこれまで大きな負担にもなっていた」そうです。
こうした課題を解消するため、広く情報を集めていた中田さんがウェブサイトで見つけたのは、当社製の制振装置「パフォーマンスダンパー」でした。走行中のごくわずかな車体の変形や不快なノイズ、また振動などを効果的に吸収する自動車用の部品です。走りの上質感を追求する乗用車に採用されているほか、これまでに、つづら折りの山道が続く観光地のタクシーなどにも採用された事例のある製品です。
「働くクルマ」のドライバーに快適性で貢献
「パフォーマンスダンパーは、操縦安定性の向上で多くのお客様に支持をいただいている製品ですが、その機能は快適性向上にも寄与すると考えています」と話すのは、当社AM※開発統括部の飯倉雅彦さん。「ですから福祉車両や緊急車両、長距離バスやトラックなどの用途でも、効果を発揮するのではないかと考えていました」と続けます。
相談を受け、さっそく「てならいこ」を訪問した飯倉さんは、取引先試作メーカーの協力を得て同施設の送迎車に「パフォーマンスダンパー」を装着。送迎車に適合するラインナップはなかったものの、「私たちの技術で課題の解消に貢献できること、また、そうしたソリューションに向けた実証データを集められるという開発メリットもあり、既存製品に手を加えることでモニター対応をさせていただきました」(飯倉さん)
同施設で「パフォーマンスダンパー」装着車の運行が始まったのは、今年5月末。それから丸3か月が経過して、冒頭のコメントにもあるように、その効果は十分に発揮されているようです。
「パフォーマンスダンパー」が量産自動車に初めて採用されて18年。すでに累計260万本以上が出荷されているヒット商品ですが、性能は日ごとに進化して、「まだまだ活用の拡がりが期待できる領域」と飯倉さん。「働くクルマの快適性を高めることで、ドライバーの皆さんの働き方改革にも結びつけられると考えています。今後は、ソリューション領域への提案を拡げていきたい」と、その展望を話してくれました。
※AM = Automotive(自動車用エンジン)
■パフォーマンスダンパー
https://www.yamaha-motor.co.jp/pd/
■広報担当者より
福祉施設から受けた一件の相談メール。そこから始まったモニター対応の事例を紹介しましたが、私も現場の活用状況を視察して、パフォーマンスダンパーのさらなる拡がりの可能性を実感することができました。「ソリューション領域で提供価値を拡げていきたい」と話す飯倉さんの情熱に、大きな期待を抱いています。
リリース提供元:ヤマハ発動機株式会社