ブレーキローターやキャリパーをカスタムすることで、車の制動性能やを向上できます。本記事では、社外ブレーキローターとキャリパーの種類や効果、カスタムする際のメリット・デメリットについて解説していきましょう。
社外ブレーキローターの種類と特徴
スリットローター
スリットローターは、ブレーキローターの表面にスリットと呼ばれる溝が刻まれたタイプです。このスリットは、ブレーキパッドとローターの間に発生するガスやダストを効率的に排出する役割を果たします。ガスやダストが溜まると、ブレーキパッドとローターの摩擦が大きくなり、ブレーキ性能が低下するだけでなく、ブレーキ鳴きやローターの歪みを引き起こす原因にもなります。スリットローターは、これらの問題を解消し、ブレーキ性能を向上させる効果が期待できます。また、スリットによってローターの表面積が増加するため、熱を効率的に放出し、ブレーキの熱ダレを抑制する効果もあります。スリットローターは、スポーツ走行やサーキット走行など、ブレーキに高い負荷がかかる状況で使用されることが多いです。
ドリルドローター
ドリルドローターは、ローターの表面に多数の穴が開けられたタイプです。これらの穴は、ブレーキパッドとの摩擦によって発生する熱を効率的に放出し、ブレーキの熱ダレを抑制する役割を果たします。熱ダレは、ブレーキ性能の低下やブレーキフェードの原因となるため、特にスポーツ走行やサーキット走行など、ブレーキに高い負荷がかかる状況では、ドリルドローターが有効です。また、ドリルドローターは、スリットローターと同様に、ブレーキパッドとローターの間に発生するガスやダストを排出する効果もあります。ドリルドローターは、スリットローターよりも見た目がスポーティで、ブレーキ性能の向上と同時に、スタイリッシュな外観を実現したいユーザーに人気があります。
プレーンドローター
プレーンドローターは、スリットや穴などの加工が施されていないシンプルなタイプのローターです。加工が施されていないため、スリットローターやドリルドローターに比べて価格が安く、街乗りや日常の使用に適しています。プレーンドローターは、ブレーキ性能も十分に高く、コストパフォーマンスに優れた選択肢と言えます。ただし、スリットローターやドリルドローターに比べて、熱ダレやブレーキ鳴きが発生しやすいというデメリットもあります。
キャリパーの種類とその仕組み
浮動キャリパー
浮動キャリパーは、ブレーキパッドを挟むピストンが片側のみ固定され、もう片側はスライドする構造になっています。固定されたピストンは、ブレーキペダルを踏むことでブレーキパッドを押し付け、スライドするピストンは、ブレーキパッドがローターに押し付けられる際に、それに伴ってスライドします。浮動キャリパーは、構造がシンプルで製造コストが低いため、コストパフォーマンスに優れています。また、スライドするピストンにより、ブレーキパッドの摩耗を均一にする効果もあります。ただし、固定されたピストンがブレーキパッドを押し付けるため、ブレーキ力が片側に偏る可能性があります。
固定キャリパー
固定キャリパーは、ブレーキパッドを挟むピストンが両側とも固定された構造になっています。両側のピストンが同時にブレーキパッドを押し付けるため、ブレーキ力を均一に分散させることができます。そのため、浮動キャリパーに比べて、より安定した制動力を発揮します。また、固定キャリパーは、ブレーキパッドの摩耗を均一にする効果も高く、ブレーキ性能を安定させることができます。ただし、構造が複雑で製造コストが高いというデメリットがあります。
スライドキャリパー
スライドキャリパーは、ブレーキパッドを挟むピストンが片側のみ固定され、もう片側はスライドする構造になっています。浮動キャリパーと似ていますが、スライドするピストンがブレーキパッドに直接取り付けられている点が異なります。スライドキャリパーは、構造がシンプルでメンテナンスが容易なため、コストパフォーマンスに優れています。また、ブレーキパッドの交換も容易に行うことができます。ただし、浮動キャリパーに比べて、ブレーキ力が片側に偏る可能性があります。
社外ブレーキローターとキャリパーのカスタムメリット
制動力の向上
社外ブレーキローターとキャリパーは、純正品に比べて、より高性能な素材や設計を採用している場合が多く、制動力の向上に貢献します。例えば、社外ブレーキローターは、熱処理や表面加工を施すことで、耐熱性や摩擦係数を向上させています。また、社外キャリパーは、ピストンのサイズや材質を最適化することで、ブレーキ力を強化しています。これらの技術により、より強力な制動力を得ることができ、スポーツ走行やサーキット走行など、より高いレベルでの走行を楽しむことができます。
熱対策
ブレーキは、走行中に発生する熱によって、性能が低下したり、最悪の場合、ブレーキフェードが発生したりする可能性があります。社外ブレーキローターとキャリパーは、熱対策に優れた素材や設計を採用することで、ブレーキシステムの熱ダレを抑制し、ブレーキ性能を安定させる効果があります。例えば、ドリルドローターやスリットローターは、熱を効率的に放出し、ブレーキシステムの温度上昇を抑える効果があります。また、社外キャリパーは、ピストンのサイズや材質を最適化することで、ブレーキパッドの温度上昇を抑える効果があります。これらの技術により、ブレーキシステムの熱対策を強化し、より安全な走行を実現することができます。
ビジュアルの向上
社外ブレーキローターとキャリパーは、純正品に比べて、デザイン性の高い製品が多く、愛車の外観をスポーティに仕上げることができます。例えば、社外ブレーキローターは、カラーリングやデザインが豊富で、愛車の個性に合わせて選ぶことができます。また、社外キャリパーは、ブレーキキャリパーカバーなどを装着することで、見た目をさらにスポーティに演出することができます。社外ブレーキローターとキャリパーのカスタムは、愛車の性能だけでなく、見た目の向上にも貢献します。
社外ブレーキローターとキャリパーのデメリット
コスト
社外ブレーキローターとキャリパーは、純正品に比べて、価格が高くなる傾向があります。高性能な素材や設計を採用しているため、製造コストが高くなるためです。また、社外製品は、メーカーやモデルによって価格が大きく異なるため、予算に合わせて選ぶ必要があります。
メンテナンス
社外ブレーキローターとキャリパーは、純正品に比べて、メンテナンスの頻度が高くなる場合があります。高性能な素材や設計を採用しているため、摩耗や劣化が早く進む可能性があります。そのため、定期的な点検や交換が必要になります。また、社外製品は、純正品に比べて、部品の入手が困難な場合があるため、メンテナンスに時間がかかる場合があります。
取り付けの難易度
社外ブレーキローターとキャリパーは、純正品に比べて、取り付けが難しい場合があります。専門知識や工具が必要となる場合があり、自分で取り付けを行う場合は、十分な知識と技術が必要です。また、取り付けを誤ると、ブレーキシステムに不具合が発生する可能性があるため、専門業者に依頼することをおすすめします。
まとめ
社外ブレーキローターとキャリパーのカスタムは、制動力の向上、熱対策、見た目の向上など、多くのメリットがあります。しかし、同時にコスト、メンテナンス、取り付けの難易度など、デメリットも存在します。社外ブレーキローターとキャリパーのカスタムを行う際は、これらのメリットとデメリットを理解した上で、慎重に検討することが重要です。また、安全性と性能向上を両立させるために、信頼できるメーカーの製品を選び、専門家のアドバイスを参考にすることが大切です。