「停車」と「駐車」の違いについては、日常的に意識していないと混同してしまうことも少なくありません。ではそれぞれ法律的にどのように定義され、どのような場合に違反となるのでしょうか。
今回はその違いと、駐車禁止区域で停車した場合の罰則について詳しく紹介していきます。
じゃあ「駐車」と「停車」でルールはどう違うの?
道路の脇に、クルマが「停車」または「駐車」されている場面は、日常的によく見かける光景です。
一見すると似ているこれらの行為には明確な違いがあり、駐停車に関する法律では、道路上で車両を停める際に遵守すべきルールが細かく定められています。
まず、停車とは「一時的にクルマを止める行為」を指しており、運転手が車両の中にいるか、短時間停止してすぐに運転を再開する予定がある場合がほとんど。
たとえば、信号待ちや荷物の積み下ろしをおこなうために一時的に停車するようなケースがこれに該当します。
停車は基本的に短時間で済む行為であり、法律では一時的に車を止める行為として位置付けられています。
一方、駐車とは「車を止めたまま、運転手が車両から離れる行為」のこと。これは、長時間にわたってクルマを停止させる、または運転手がクルマから離れて、一定の時間が経過することを意味します。
たとえば、ショッピングモールの駐車場に車を停めて、クルマを降りるような場合がこれにあたります。この場合、クルマは長時間止まっていることが多いため、駐車として扱われます。
ちなみに歩道やバス停、交差点の近く、消火栓の前などの駐停車禁止区域では、駐車を含めて一切の車両の停車が禁止されているため、その場所に停車した場合は駐車禁止違反に該当します。
また、駐車禁止違反には、その状況によって「放置駐車違反」と「駐停車違反」の2つに分かれます。
まず、駐車を禁止されている場所に駐車し、運転者がその場を離れてすぐに運転できない場合は「放置駐車違反」となります。普通車が駐車禁止場所に停めていた場合は、違反点数2点と反則金1万5,000円、駐停車禁止場所に停めていた場合は、違反点数3点と反則金1万8,000円が科せられます。
一方、運転者がその場にいてすぐに運転できる場合は「駐停車違反」となります。普通車が駐車禁止場所に停めていた場合は、違反点数1点と反則金1万円、駐停車禁止場所に停めていた場合は違反点数2点と反則金1万2,000円が科せられます。
さらに駐車禁止区域に停車している時間が長くなればなるほど、違反の度合いが強くなり、罰金や違反点数が加算されることもあるようです。
特に、緊急車両や公共の交通機関の通行を妨げるような場所に駐停車していると、道路を安全に利用するために重大な支障が出る可能性があるため、厳しく取り締まっているようです。
駐停車違反をしないために何を知ってどうするべきか
駐停車違反を避けるためには、まず駐車禁止区域や停車禁止区域の標識を確認することが重要です。これらの標識がある場所では、停車も含めて車両を停めてはいけません。
特に、路上駐車が一般的に許されていない場所や、交通量の多い道路では駐車を避けるべきです。また、運転者は駐停車をおこなう際、短時間の停車であってもその場所が合法かどうかを事前に確認することが求められます。
駐停車違反を避けるためには、公共の駐車場を利用することがもっとも確実です。もし、どうしても路上に停車しなければならない場合は、停車する時間を極力短縮し、車両がすぐに動かせる状態であることを確認することがポイントになるでしょう。
また、駐車禁止の時間帯を避けるのも重要なポイント。
たとえば、商業施設や住宅街の周辺では、夜間に駐車禁止の時間が設定されていることがあるため、その時間帯に停車しないよう心がけます。もしくは、駐停車の際は運転者が車両から離れないことが望ましいでしょう。
車内にいることで「停車」として認められやすくなり、違反とみなされにくくなりますが、どんな場合でも長時間の停車は避け、できる限り速やかに発進することが最善です。
停車と駐車の違いを理解し、適切に車両を扱うことは、道路上での安全を守るために欠かせません。
駐車禁止区域での停車を避けることで、罰則を防ぐだけでなく、他の交通の流れを守ることにもつながります。法律を守り、安全なドライブを心がけましょう。