年末年始は、帰省をはじめスノーボードなどウィンターレジャーも本格化してくるシーズン。そのため、いまからクルマの冬支度をはじめる人も多いでしょう。
その際に、タイヤやバッテリーと合わせて気をつけたいのが、カーエアコンのフィルターです。汚れたままのフィルターをそのまま使うと、暖房が効かないといったトラブルの原因にもなるためです。
そこで今回は、フィルター交換の目安や注意点について紹介します。
エアコンフィルター交換の目安って?どうやって判断する?
カーエアコンのフィルターは、エアコンが取り込む空気から塵やホコリなど異物をろ過し、内部機械を保護するためのパーツ。現在のクルマでは標準装備され、一般的には助手席前にあるグローブボックス(収納ボックス)の奥に設置されています。
ただ、カーエアコンのフィルターは水洗いできず、基本的には使い捨ての消耗品。仮に掃除機で吸い取ったとしても、フィルター繊維内の異物までは取りきれません。
このように、ひとつのフィルターを使い続けることは、エアコンだけでなく健康面にも悪影響を及ぼすため、フィルターは定期的に交換する必要があります。
その時期は、一般的には1年に1回が適当といわれています。フィルターについた消臭や抗ウイルス、抗菌、防カビといった効果も1年ほどで薄れるものが多いようです。
またあるいは、1年を待たずとも走行距離が1万kmを越えたタイミングで交換するとよいとされています。交換作業は整備工場やカーディーラーのほか、ガソリンスタンドやカー用品店などで依頼できます。
なお、特に空気が汚れていると感じる場合は前述の期間にこだわる必要はありません。
たとえば、タイヤチェーンで粉塵が飛ぶ積雪地帯や、砂埃の多い地域ではより早めの交換が推奨されています。車内で喫煙している場合も、ニコチンタールによってフィルタがより汚れやすくなります。
ちなみにフィルターが汚れると以下のような症状が出るので、交換の目安にするとよいでしょう。
・送風口から出る風が弱くなる
フィルターに詰まった汚れが空気の通りを妨げるので、エアコンを通って送風口から出てくる風の量も少なくなります。こうなると設定温度になかなか達しないため、エアコンが余計なパワーを使い燃費が悪くなることもあります。
・嫌な臭いの風が出る
多くの場合、悪臭の原因はフィルターで発生したカビや菌です。フィルターにチリやホコリがたまったところに水分が加わることで、カビや菌が増殖しやすい環境ができあがるためです。
エアコンフィルターを交換する時に注意したい点はある?
フィルターの交換はそれほど難しい作業ではなく、10分ほどあれば自分でもおこなうことができます。
多くの国産車は、グローブボックスの奥にフィルターが収まっていることがほとんどですが、設置場所や交換方法などを、事前に取り扱い説明書で確認しておくと安心です。
一般的には次のような手順で交換します。
1)グローブボックスそのものを取り外す
扉を開き、ダンパーが付いている場合は横に倒して外します。その後、ボックス側面や底部にある飛び出し防止用の「ひっかかり」を外し、ボックス本体を取り出します。
2)フィルター格納室の蓋を取る
グローブボックスを外すと、その奥にフィルター格納室の蓋が見えてきます。ツメを外しながら蓋を取り外します。
3)フィルターを交換する
格納室から古いフィルターを手前へゆっくり引き出し、新しいものを挿入します。その後、これまでと逆の手順で蓋やグローブボックスを元にもどします。
また実際に自分で交換する際は、次の点に注意するとよいでしょう。
・クルマに合ったフィルターを使用する
カーエアコンのフィルターは統一規格がなく、クルマの型式によりサイズや形状が異なります。そのため、事前に車検証などから型式を調べ、そのクルマに適合したものを購入する必要があります。
・フィルターは使用する際に開封する
密封袋に入っているフィルターは、機能低下を避けるために、袋から出したら放置せずにすぐに取り付けるとよいでしょう。
・作業する前にエンジンを停める
エンジンが稼働するとエアコンが作動してしまうため、交換する前には必ずエンジンを停止させます。
・グローブボックスを慎重に扱う
扉を閉めたまま外そうとすると、「ひっかかり」が破損する恐れがあります。また、元に戻す際に、すべての「ひっかかり」をはめこまないと扉に違和感が出ることもあります。
・正しい向きでフィルターを差し込む
フィルターは風を通す方向が決められており、逆に風を通すと本来の効果が発揮できなくなる可能性があります。そのため、フィルターについた矢印などを確認し、正しい向きで設置することが大切です。
なお、フィルターの交換で多いうっかりミスとして、”前回いつ替えたのかを忘れること”が挙げられます。そのため取り替え終えたら、作業日付を書いたシールなどを貼り付けておくのもひとつの手です。
このように、エアコンフィルターの交換は多少のコツが必要になるものの、自分でもおこなえる作業であることがわかります。
ちなみに最近では、片手があれば十分なほど簡単にフィルター交換できる車種も増えているようです。