クルマのヘッドライトには、いくつかの種類があり、それぞれに特徴がある。中でも最近主流となっているのがLEDヘッドライトだ。しかし、多くの人が「LEDのヘッドライトはまぶしい」と感じることがあるだろう。この記事では、LEDライトがなぜまぶしく感じるのか、その理由について詳しく解説し、他のヘッドライトとの違いについても触れていく。また、ヘッドライトやテールランプの色について、法律でどのように定められているかも紹介する。
ヘッドライトに使用されている光源の種類をおさらい!
ヘッドライトに使用されている光源には、ハロゲン、プロジェクター、HID、LEDといった種類がある。
まずはそれぞれの特徴を述べていこう。
今でも多くのクルマに採用されているハロゲンランプ
ハロゲンランプは、昔から多くのクルマで使われている一般的なヘッドライトである。仕組みとしては、電球の中にあるフィラメント(細い金属の線)に電気を通して光を発生させるタイプで、温かみのある黄色っぽい光を出すことが多い。
このハロゲンランプの大きな利点は、価格が非常に安く、壊れた際にも自分で手軽に交換できる点である。さらに、柔らかい光を出すため、対向車や歩行者に対しても優しい光として受け止められやすい。しかし、その一方で、ハロゲンランプは明るさが控えめで、電力を多く消費するため、エネルギー効率があまり良くないのが欠点である。
独特な見た目が特徴のプロジェクターヘッドライト
プロジェクターヘッドライトは、レンズを使って光を遠くまで照らすことができるヘッドライトで、ハロゲンやHID、LEDなど、さまざまな光源を組み合わせて使える。光を集めて均等に広げることができるため、視認性が高く、夜間の安全運転に貢献する特徴がある。
また、プロジェクターヘッドライトは、そのスタイリッシュなデザインも魅力のひとつで、クルマの外観をより魅力的に見せることができる。しかし、製造コストが高いため、一般的なハロゲンランプに比べて価格が高めになりがちなのがデメリットである。
主流になりかけたが取り付けにハードルがあったHID(High-Intensity Discharge)ランプ
HIDランプは、キセノンガスを使った放電によって光を作り出すヘッドライトで、非常に明るい光を発するのが特徴だ。昼間のような白っぽい光を放ち、夜間でもはるか遠くまで道路をしっかりと照らしてくれる。
HIDランプの利点は、その圧倒的な明るさと長寿命であるため、頻繁に交換する必要がない点である。しかし、欠点としては、ハロゲンランプに比べて値段が高く、取り付けや交換が難しいことが挙げられる。そのため、初心者が自分で取り扱うのは少しハードルが高いかもしれない。
主流になりつつあるLED(Light Emitting Diode)ランプ
LEDヘッドライトは、現在最も主流となっているタイプのヘッドライトだ。電気を使って半導体が発光する仕組みで、非常に効率よく明るい光を出すことができる。LEDは、小さな光源を組み合わせることで、光を自在に調整し、クルマのデザインに合わせた形に作ることができる。
LEDの大きな利点は、少ない電力で強い光を生み出すことができるエネルギー効率の良さと、非常に長持ちするということだ。これにより、LEDライトは頻繁に交換する必要がなく、長期的なコストパフォーマンスが良い。しかし、その一方で、強い光が対向車や歩行者にとってまぶしく感じられることが多い。また、LEDヘッドライトは初期費用がやや高めであるが、その性能と耐久性を考えると、長い目で見てお得な選択肢であると言える。
なぜLEDヘッドライトはまぶしいのか?
LEDヘッドライトがまぶしいと感じる理由は、高い光の強度と色温度、そして指向性の強さにある。LEDは、少ない電力で非常に強い光を生み出し、その青白い光(色温度が高い)によって、夜道でも昼間のような視界実現している。しかし、この強い光が対向車や歩行者にとっては過剰にまぶしく感じられることがあるのだ。
さらに、LEDの光は特定の方向に集中しやすいため、光が一点に集まり、より強烈に見えることもまぶしさの原因となる。
特に車高の高いSUVだと相対的にヘッドライトの位置も高くなるため、よりまぶしさを感じやすくなるというわけだ。
まとめ
クルマのヘッドライトには、ハロゲン、プロジェクター、HID、LEDといったさまざまな種類があり、それぞれに特徴がある。現在ではLEDが主流となっているが、その高い光の強度や色温度の高さ、指向性の強さが原因で「まぶしい」と感じられることが多い。車検の際に光軸テストがあるズレている場合は検査をパスできないため、公道を走っている車両であれば基本的には法規的には問題ないと考えてよい。ただし、オーナー自身がヘッドライトをLEDに変更し光軸がしっかりと出ていない場合は、ショップ等で調整を受けておこう。