【brand pickup】
空冷ビッグシングルのテイストを末永く堪能するために定期メンテナンスを!
2021年に登場し、大きなヒットモデルとなった空冷シングルのGB350。
エンジンの冷却を走行風に頼る空冷エンジンは、冷却経路を持たない分、エンジン騒音が出やすいし、エンジン温度を一定に管理しづらいので、排ガスを抑えるのも水冷エンジンより難しい。
さまざまな規制が厳しい現代において、空冷エンジンのテイストを“今”新車で堪能できるという意義は非常に大きなものといえるのではないだろうか。
そんな貴重な空冷エンジン車のエンジンコンディションを末永く保つのに気を遣いたいのがエンジンオイルだ。
油温が上がりづらい冬期こそ高性能なエンジンオイルが必要
空冷エンジンは水冷よりもエンジンオイルへの依存度が高く、より高性能なオイルを使うのが好ましい。
オイル性能が低ければ夏場のオーバーヒートが懸念されるし、それと同じくらい冬場のオーバークールはエンジンにとって非常に厳しいものだ。
また、空冷エンジンはピストンクリアランスを多めに取る傾向があり、そうしたことから固めのエンジンオイルが良いとされるが、そうすると冬場は油温が上がりにくく、エンジン性能の低下は避けられない。
このような外気温の変化が弱点となる空冷エンジンだからこそ、効果的なのがスーパーゾイルだ。
新車にスーパーゾイルを使うメリットとは?
金属表面を再生し強靭に再形成する効果を有するスーパーゾイル。
その効果は旧車や過走行車に向けたものかと思うかもしれない。しかし新車であっても、スーパーゾイルの使用は非常に効果的である。
新車のエンジンパーツは微細なバリなどがあるため、パーツ同士を馴染ませてスムーズに摺動させるために「慣らし運転」が必要不可欠だ。
新車のエンジンパーツからでたバリはオイルフィルターにキャッチされるまで、エンジンオイル内の浮遊し、異物となってエンジン内を傷つける原因となりかねない。
そうした理由から、新車の初回オイル交換は1000km前後という早いタイミングで設定されているのである。
つまり、新車時のエンジンのバリ(鉄粉など)は少なからず金属表面のダメージの要因となり、そのダメージを早期に平滑な金属表面に再生できるのがスーパーゾイルなのだ。
だからこそ、新車にもスーパーゾイルが最適なのである。
GB350のメンテナンスを実施!
今回エンジンオイル&エレメント交換を行ったGB350は走行1000kmに満たないほぼ新車状態で、初回のオイル交換となる。
また、スーパーゾイル・ラバーグリースや SUPER ZOIL フュエルチューナーを使用してメンテナンスを実施した。
HONDA GB350エンジンオイル、オイルフィルター交換に必要な道具類
エンジンオイル、フィルター交換を行うには、パーツクリーナー、ウエス、廃油処理ボックス、オイルジョッキが必要となる。手の汚れを防ぐニトリルゴム手袋もあると便利。
今回使用したエンジンオイルは「セミシンセティックゾイル 10W-40」。GB350の場合、オイル・フィルター交換で2.0リットル必要となるので、2本用意した。
100%化学合成油よりも油膜の厚さが期待できるので、空冷エンジンとのマッチングも良好だ。
オイルフィルター、フィルターケースのOリング、ドレンガスケット、フィラーキャップのOリングまですべてセットになったデイトナの「オイル交換パーフェクトセット(24584)」を準備した。DIYオイル交換には大変便利な製品だ。
GB350のオイル、オイルフィルター交換手順
オイルを抜く前にフィラーキャップを緩めてオイル量を確認する。固着しているとオイルを入れられなくなるので必ず先に緩めておく。
オイルドレンボルトは車体左側のエンジン下にある。サイドスタンドの状態でよりオイルが抜けやすいように左側に設けられているものと思われる。
12mmのソケットレンチを使用してドレンボルトを緩める。メガネレンチではアクセスしにくいので、ソケットレンチが良いだろう。
いったん緩んだら手でドレンボルトを緩めていく。
ドレンボルトを抜き取ってオイルを排出させる。廃油処理ボックスがあれば、抜いたオイルを燃えるゴミとして出すことができる。※各市町村のルールによります。
エンジン側にドレンガスケットが残っていると、ダブルパッキンになってオイル漏れの原因になるので確認しておく。
ドレンボルトのネジ山を清掃して、ドレンガスケットを新品に交換する。
続いてオイルフィルターのカバーを外す。オイルフィルターは、エンジン右の丸型カバーの部分にある。オイルで汚れないようにカバー下に養生テープを貼っておいた。
8mmのソケットレンチを使用して、2本のボルトを均等に緩めていき、カバーを取り外す。スプリングが入っているので紛失に注意する。
オイルフィルターは奥まったところに入っているので、ラジオペンチで引っ張り出した。組み付け向きがあるので、外す前に覚えておく。
オイルフィルターケースには新車時特有の鉄粉が多く見られた。
こうした鉄粉がオイルフィルターを詰まらせるおそれがあるので、新車の初回オイル交換時は必ずフィルターと同時交換を行う。
フィルターカバーにも鉄粉が付着していることがあるので、パーツクリーナーでよく洗浄しておく。
フィルターカバーのOリングを交換する。
溝にはまったOリングは外れにくいので、マイナスの精密ドライバーを使用すると良い。
カバー組み付け時にOリングが切れてしまわないように、新品のOリングにスーパーゾイル・ラバーグリースを塗布しておく。
ラバーグリスが無い場合には新品のエンジンオイルを塗っておく。
エンジン側のオイルフィルターケース内の汚れをしっかりウエスで拭き取って、オイルフィルターを組み付ける。
フィルターの穴が貫通していない方が手前側となる。
スプリングの脱落に注意してオイルフィルターカバーを組み付ける。カバーのボルトは左右均等に締め付ける。規定締め付けトルクは10Nmとなる。
エンジン側、ドレンボルトの締付け座の汚れを拭き取ってから、ドレンボルトを手で締まるところまで締め付け、次に工具を使って本締めする。
トルクレンチがある場合は、24Nmの規定トルクで締め付ける。
オイルで汚れたままだと、オイル漏れを発見しづらくなるので、ドレンボルト周辺とフィルターカバー周辺をパーツクリーナーでよく洗浄しておく。
セミシンセティックゾイルを注入!
オイルジョッキにスーパーゾイルのセミシンセティックゾイル 10W-40を注ぐ。
オイルフィラーからオイルを入れるが、一気に規定量の2.0リットルを入れるのではなく、量を確認しながら徐々に注入する。
オイルフィラーキャップのOリングを新品に交換しておく。劣化すると雨水などの侵入の原因となる。
Oリングにはスーパーゾイル・ラバーグリースを少量塗布しておく。
平坦な場所にセンタースタンドで車体を立てた状態で、オイルフィラーキャップをねじ込まないで差し入れて量を確認する。
目印線の間に油面があればOK。オイルの入れ過ぎは良くないので、必ず規定量に合わせる。
オイル量が規程内に入ったら、エンジンを始動して2~3分アイドリングさせる。その間、オイル漏れが無いかドレンボルト周辺、フィルターカバー周辺を確認する。
エンジンを停止させたら、2~3分待ってオイル量を確認。減っていればさらにオイルを補充する。今回はほぼ2.0リットル注入して規定量に合わせることができた。
最後にフィラーキャップをしっかり締めて作業は完了だ。
オイル、オイルフィルター交換に使用した工具
GB350のオイル、フィルター交換に使用した工具は、12mmと8mmのソケットレンチ、ラチェットハンドル、エクステンションバー、ラジオペンチ、マイナス精密ドライバー、養生テープ、トルクレンチとなる。
スーパーゾイル・ラバーグリースを使ったフロントフォークメンテナンス
バイクの車体の中には金属とゴムが摺動する部分が多々あるが、中でも大きなところがフロントフォークである。
フロントフォークのダストシールは、インナーチューブとオイルシールの隙間にゴミなどの異物が入らないように保護する部品だが、反面摺動抵抗を生み出す要因になる。
インナーチューブにラバーグリースを塗布すれば、ダストシールとの摺動抵抗を低減させて、フォークの作動性向上を望むことができる。
また、インナーチューブを雨水などから保護し、サビの発生を抑えることもできるのだ。
インナーチューブの清掃&グリスアップ手順
インナーチューブの汚れを軽く掃除して、ラバーグリースを塗布する。
指で全周に薄く塗り伸ばしておく。
フォークをストロークさせて、グリス分を良く行き渡らせておく。
余分をウエスでしっかり拭き取っておく。グリスでベタベタしていると砂利やホコリなどを吸着させてしまうのだ。
フォークのダストシールに薄く塗っておくと、ゴムの劣化やひび割れなどを防ぐことができる。
燃料添加剤「フュエルチューナー」でビッグシングルのパンチ感が際立つ!
あまり乗っておらず、走行距離が伸びていなかったGB350。ガソリンは“ナマモノ”なので、乗っていない時間が長くなると変質して劣化が進んでいく。
そうなると、微細なインジェクションノズルの穴などに詰まって不調の元になりかねないのだ。
そこで、燃料システムや燃焼室に堆積したカーボンや汚れを除去できるスーパーゾイル「フュエルチューナー」を添加した。
フュエルチューナーの添加率は車両状況に合わせて約0.1%~0.2%となり、GB350の15リットル燃料タンク満タン時には15ml~30ml程度となる。
今回は計量カップを使用して30ml注入したが、フュエルチューナの赤いキャップを計量カップ代わり使うこともできる。キャップ1杯が約5mlとなるので、30mlの場合6杯分入れれば良い。
スーパーゾイルを使ったメンテナンス後は走りの変化を実感!
空冷ビッグシングルといえば、鼓動感や豊かな低速トルクが魅力のひとつだが、それらはエンジンの雑味と背中合わせの面がある。
しかし、オイル交換後はそういった雑味がうまく消されていて、気持ちの良いエンジンフィールが際立つようになった。スロットルオン・オフに対するフィーリングもスムーズとなり、加速時はトルクが増した感覚も強かった。
この変化はセミシンセティックゾイルだけでなく、フュエルチューナーによる効果も強いのかもしれない。
これなら、街乗りからロングツーリングまで快適に走ることができるだろう。より、一層走りが楽しくなった印象だ。
また、フォークの動きも明らかな改善が見られた。
路面のゴツゴツをよく拾うフォークだったが、サスペンションの動きが良くなった分、荒れた路面でのタイヤの追従性が向上し、より乗り心地も良くなっている。
新車時こそスーパーゾイルを使ったメンテナンスを!
新車は「バイクが最も良い性能を発揮する状態」だと思う人も多いかもしれないが、実は新車は足回りからブレーキ、エンジンまで、部品同士の当たりが付いておらず、慣らしをしなければ本来の性能は発揮できない。
そんな新車のうちに高性能ケミカルを使ったメンテナンスをすることは、その後のバイクの性能に良い影響を与えることになるのだ。
だからこそ、新車こそスーパーゾイルの使用をおすすめしたい。