道の概要
ビーナスラインの西側の麓には、松本盆地を見おろす有名な高ボッチがある。360度の眺望が開けた山頂は標高1665mで、東方向には諏訪湖に加えて条件次第では富士山を望むことができ、西方向には穂高連峰や北アルプスが広がる。神々しささえ感じるような日の出や日の入りだけでなく、夜には満点の星空が広がり、10月中旬から12月までみられる雲海も素晴らしく、シーズンには多くのカメラマンが高ボッチに集まる。「高ボッチ」という不思議な名前の由来は諸説あるものの、代表的なものは以下の3つのようだ。
- だいだらぼっち、でいだらぼっちという巨人が、腰をおろして一休みしたところであるという伝承から。
- アイヌ語で巨人、巨大をボッチということから、大きな山をあらわしているという説
- 高いところにある「くぼち(ボッチ)」という意味から名前がついたという説
この高ボッチの上にあり、北アルプスの展望台として、美ヶ原に勝るとも劣らない位置を占めているのが鉢伏山だ。美ヶ原が戦後、有名になって観光地化が進む中、鉢伏山はまだ未開発といっていい静けさを保っている。
鉢伏山へは、高ボッチからさらに北へ向って鉢伏高原スカイラインを走る。名前に負けない展望を誇る道だが、道幅の整備状態は林道クラスで、離合はなかなか厳しい場所も多くある。それでも、富士山から北アルプスをほぼ俯瞰するこの道は何物にも代えがたい。特に下りは、絶景スカイラインの魅力を100%感じるに違いない。終点の鉢伏山荘の駐車場(500円)に車をとめて、登山道(ハイキング程度)を1km20分歩くと素晴らしい絶景が待っている。ここに来たら、ぜひ登山もセットにしたい。
2021年8月の豪雨によって市道高ボッチ線東山ルート(塩尻峠側)が路面崩落し、2022年9月現在も地滑り等が続き、復旧の見通しは2023年8月以降になる見込みである。現在は唯一のルートとして崖の湯ルート(東山山麓広域農道口)のみ開通している。こちらは、道路幅が狭くすれ違い困難箇所が多いので、それなりの覚悟と技量を持ってドライブをする必要がある。
お薦めのシーズン
- 通行可能期間ならいつでもよいが、夏から紅葉の秋が一番美しい。
周辺立ち寄りポイント
◆高ボッチ山
諏訪湖を眼下に富士山の眺望や御嶽山から北アルプスの眺望は素晴らしい。晩秋の早朝には雲海が広がる幻想的な景色が見える。