【brand pickup】
バイク用インカム国内シェアNo.1を誇るあのB+COMシリーズに新たなモデルが登場するというビッグニュースが飛び込んできた今年の東京モーターサイクルショーから早5ヶ月…あの時は「今夏発売」をずいぶん遠くに感じていたものだが、この半年は多くのことがありすぎて時間の流れがあっという間に感じている方も多いのではないだろうか?
今回は、そんな待ちに待ったつもりがあっという間に発売となったB+COM PLAYを早速入手したので、開封から装着、操作感まで、実際に使用した感想を綴っていこう。
【SYGN HOUSE(サイン・ハウス) / B+COM PLAY : impression】
軽量&コンパクトな本体で手の出しやすい価格も魅力的
今回、B+COMシリーズに新しく登場したB+COM PLAYの位置付けはカジュアルモデルとなっており、インカム機能を無くすことで非常にコンパクトになった本体は22gという驚きの軽さを実現。また、インカム通話こそできなくとも、ワイヤーマイクを搭載しているので電話回線や無料通話アプリを使った通話に加えて、音声認識によるデバイス操作なども可能だ。本体価格12,980円(税込)という手の出しやすい価格設定ながら、化粧箱の「ちゃんとしてる感」には開封時から期待が高まっていく。
B+COM PLAYのセット内容は、
- B+COM PLAY本体 × 1
- ヘルメットスピーカーユニット × 1
- スピーカー固定用面ファスナー(メス) × 2
- スピーカー固定用調整パッド × 4
- ワイヤーマイク × 1
- ワイヤーマイク用スポンジ × 1
- 本体固定用面ファスナー(オス・メス) × 2セット
- 充電用USB Type-Cケーブル × 1
- ユーザーズマニュアル(保証書) × 1
となっており、本モデルはアームマイクに対応していない為、オープンフェイスタイプや付属のワイヤーマイクが取り付けられないヘルメットの場合はオプションのワイヤーマイクホルダーを用意しておく必要があるので、取り付け前に自分のヘルメットと合わせて確認しておきたい。
また、本体とヘルメットの装着についてもベースプレートを必要とせず、ファスナーテープで固定する仕様なので、複数のヘルメットを使い分けている場合にもスピーカーユニットと固定用ファスナーをあらかじめ取り付けておくことで換装も簡単にできそうだ。
シンプルな構造で取り付けやボタン操作も簡単
早速ヘルメットにインストールしていくと、左右のスピーカーの配線にマイクの配線もまとまったユニットになっているので、充電時などに一度取り外す場合はもちろん、本体に別途マイクを接続しなくて済むのは見た目にもスマートだ。今回はオープンフェイスのヘルメットに取り付けたため、別売オプションのワイヤーマイクホルダーも一緒に取り付けたのだが、5分足らずで作業は完了。取り付けの際にヘルメットピローがあるとヘルメットを逆さまに置いて作業するのが楽になるのでおすすめ。各ヘルメットに合わせた詳しい取り付け方法については下記のサインハウス公式HPにも記載されている。
取り付けが完了したら、今や慣れた手つきでデバイスと接続確認していく。最新のBluetooth 5.1を搭載していることで、接続速度も速く非常に安定している。さらにシンプルになったボタン操作は、メインボタンの押し込み、押し上げ&下げ操作が無くなったことで、電源オンのアクションはメインボタン+デバイス1ボタン(上ボタン)の同時押しをすると、お馴染みの起動音と共に「ビーコム起動」のアナウンスが流れてきた。
ハイエンドモデルのSB6Xと比べてみると、その大きさは歴然。ベースプレートも必要としないことでさらにスマートにまとまって見えるのも特徴だ。また、取り付け時のアドバイスとしては、スピーカーユニットの端子接続口が従来モデルのような後方部ではなく、やや前方気味にレイアウトされているので配線をヘルメットのチークパットに仕舞い込む際は気をつけよう。
より多くのライダーにとってベストな選択肢がさらに広がる
取り付けから接続確認までの準備ができたら、今度は実際にバイクを走らせて使ってみよう。
B+COM PLAYで出来ること
- 音楽再生
- ハンズフリー通話
- 音声認識機能
- デバイス2台接続
- モバイルアプリ(B+COM PLAY APP)※今秋リリース予定
B+COM PLAYで出来ないこと
- B+LINK通話
- ユニバーサル通話
- B+COM SOUND SYSTEM
- 聴きトーク
グローブをつけたままでも操作しやすい3つのボタンは上のデバイス1ボタンが音量上げ(長押しで曲送り)、下のデバイス2ボタンが音量下げ(長押しで曲戻し)、メインボタンは上下のデバイス1・2ボタンとの同時押しで電源のオン・オフだけでなく、曲の再生・停止や着信時の応答に終話、3秒以上の長押しでリダイヤルなどの操作も可能だ。中でも個人的にオススメしたいのがメインボタン2回押しでのsiriやGoogleアシスタントを使った音声認識機能。一度停車して、グローブを外して、ポケットからデバイスを取り出して曲を選んで…といったライダー特有の面倒な手順を省いて、メインボタンを2回押したら「〇〇の曲流して!」と口で言うだけ。その日の気分やツーリング先の景観に合わせて、お気に入りの音楽やラジオを素早く聴くことができる。スマフォホルダーがついている場合はこの機能を使って「〇〇まで車で行きたい!」と言うだけで、経路の案内までしてくれるのだ。
B+COM同士のインカム通話ほどのクリアな音声ではないものの、デバイスの回線や通話アプリを使った通話も問題なく使用できた。また、音質に関してはやはりB+COM SB6X / ONEの方が全体的にハイクオリティとなっている印象はあるものの、乗車中に音楽や通話を楽しむという点においては充分以上のスペックだ。
B+COM SB6Xを毎週末に複数人でツーリングに行くようなツーリングユース向けとするならば、B+COM ONEはツーリングからタウンユース向きと言えるだろう。そして、今回紹介したB+COM PLAYはONEよりもさらにライトでカジュアルなモデルとして通勤や通学などの日常的な使用はもちろん、1人でのツーリングが多いというライダーにとって最適なモデルとなっている。といってもインカム通話ができないだけなので、複数人でのツーリングの際だけ、それぞれが通話アプリなどを使って会話をするといった使い方も考えられる。さらに、バイクや使用状況に合わせてヘルメットを使い分けているライダーも少ないと思うので、ツーリング用のB+COM SB6X / ONEとは別に通勤用のヘルメットに取り付けて使い分けるといったサブ的な使い方も良さそうだ。
通信技術の発達によって、いつでもどこでもデバイスと無線で繋がるのが当たり前となった現在。今では当たり前となったバイク用インカムを一気に普及させた、あのB+COMブランドでありながら手の出しやすい価格で登場し、誰でも簡単に使いこなすことのできるB+COM PLAYという機種の登場は、バイク用インカムの枠を超えて、より多くのライダーにとってベストな選択肢を広げてくれるアイテムとなるだろう。