こんにちは、この度モトメガネにライターとして参加することになりました茂田と申します。一人のライダーとして有益な情報をみなさまにお届けしていきますので、よろしくお願いします!
今回はKabutoさんが2021年5月下旬に発売予定の新作ヘルメット「SHUMA」をお借りすることができましたので、実際に使いこんだ感想をお伝えします。
通勤シーンのような普段使い、高速やワインディングも含めたロングツーリングなどさまざまなシーンで使い込んでみました。
ウルトラクールシステムは驚きの風量
SHUMAは「走行した瞬間から風を感じる」ウルトラクールシステムが目玉機能となっています。
さっそくベンチレーションをフルオープンにして走り出してみると、すぐに味わったことのない涼しさを感じてビックリ。
時速20キロ前後でほんのり風を感じはじめ、30キロも出るとかなりの風量でヘルメット内はとても快適です。
渋滞中のノロノロ運転を除けば、一般道でもほとんどのシーンで相当量のフレッシュエアーがヘルメット内を駆け抜けます。
口元の大きなベンチレーションを開けると、ブレスガードから出る上向きの風と、直接口回りに届く2ルートの風が入ってきます。
風の動きはしっかりコントロールされていて、口元に直接風が刺さる感覚はなくさわやかに換気してくれます。
上方向の風もシールドに沿って頭に抜けているため、乱気流で目が乾くことはありませんでした。
頭部ベンチレーションは3つ。
センターだけでもそこそこの風量がありますが、サイドの2つを開けるとグッと風量がアップしてかなり快適になります。
全部のベンチレーションを開けても風が暴れることはなく、ヘルメット全体をやさしく換気してくれる印象でした。
リアベンチレーションは開閉機構がなく、走行風の負圧で排気する形式です。
下向きなので雨が入る心配はなさそうですね。
大容量のベンチレーションから入った風は、通り道を計算した内装のおかげですみずみまでいきわたっているようです。
ホットプレス加工で縫い目を減らし、立体感のある内装で風の通り道を確保しているそうです。
僕が普段使っているKabuto製のRT-33とくらべてみると、SHUMAは明らかにベンチレーション性能がワンランク違います。
RT-33も決してベンチレーション性能は悪くありませんが、SHUMAの快適性は相当高いレベルだと思います。
フィット感は良好で普段使いもしやすい
SHUMAの出入り口は比較的緩めで脱着はスムーズ、通勤や買い物などで頻繁にバイクに乗り降りするシーンでも使いやすかったです。
フィッティングは頭部全体でホールドするイメージで、こめかみの圧迫感が少なく耳回りもかなり余裕がありました。
僕は耳が硬いせいで圧迫感が強いと痛くなるため、余裕があるとかなりありがたいですね。
頭を左右に振ってもヘルメットがずれない程よいフィット感で、圧も均一にかかるので疲れは少なそうです。
ヘルメット選びの重要な要素である重量は、実測で1588グラムでした。(ブレスガード含む)
実際の乗車中は数字以上の軽さを感じるシーンが多くありました。
例えば車線変更や左折時に首を大きく動かして後方確認するとき、重量バランスが悪いヘルメットだと首に負担がかかり疲労の原因になります。
SHUMAはコンパクトなシルエットのおかげか重量バランスが良く、サッと振り返っても重さによる負担が少ない印象です。
加減速や道路の凹凸を越えたときのショックによる首への負担も少なく、普段使いの快適性も高いと感じました。
サイズ感や各部の詳細をチェック
SHUMAはエッジを効かせつつ丸みを帯びたコンパクトなシルエットで、どのようなバイクにも合わせやすそうです。
クセのない外観なので最新モデルや最近流行のネオクラなどにも合いそうですし、コンパクトなのでスクーターや小排気量車にも違和感がないですね。
グラフィックモデルもラインナップされる予定なので、SSやツナギなど本格派の方も選びやすいと思います。
普段使っているRT-33とサイズ感を比較してみました。
全体的なフォルムはとても似ていますが、SHUMAの方が丸みを帯びて一回りコンパクトな印象です。
Kabutoの特許技術であるウェイクスタビライザーも搭載しています。
走行中の気流をコントロールして首への負担を抑える技術ですね。
実際に高速道路でもヘルメットが押されたり浮いたりするような感覚は少なかったです。
快適機能としては、KAMUI-3(カムイ3)にも採用されているTEIJINと共同開発の赤外線・紫外線をカットする「UV&IRカットシールド」も搭載されています。
4月中旬の日差しではまだはっきりと効果を実感できませんでしたが、本格的な夏場のツーリングで効果を発揮してくれそうですね。
紫外線を99%、赤外線を74%カットしてくれますが、まぶしさを軽減するものではないようです。
太陽光が当たる角度によってわずかに乳白色がかって見えることがありますが、視界不良や不快感につながるようなことはありませんでした。
最近のヘルメットでは一般的になったメガネスリットもしっかり確保されています。
あえて太いフレームの眼鏡をかけてみましたが、圧迫感や痛み、メガネが内装に押されてズレることはありませんでした。
あご紐は最近増えてきているラチェット式で、一般的なDリングよりスムーズに使えました。
大きなヒモ式の取っ手がついてるため、グローブをしたままでもサッと外しやすかったです
マスツーリングの必須アイテムとなりつつあるインカムの取り付けスペースも確保されています。
左右両方にあり、ケーブルを隠す配線用の凹みまで用意されているため、スマートに装着できそうです。
普段は内装と同じ素材のイヤーカップでフラットになっているので、インカムを装着しなくても使用上の問題はありません。
内装はアメリカのインビスタ社が扱うクールマックス素材で、さらっとした触り心地。
肌に直接触れる部分はすべて脱着できるようになっていて、細菌の増殖を抑制する制菌加工も一部に施されているそうです。
通勤や普段使いで使用頻度が高い方にはありがたい機能ですね。
ツーリングシーンでも快適性は高い
ヘルメットの性能が大きく影響するロングツーリングにも持ち出して、SHUMAの使い勝手や快適性を試してみました。
高速道路・渋滞の市街地・ワインディングを含めて走行距離約300キロ、走行時間7時間弱のロングツーリングです。
ツーリング中は1~2時間に一度のトイレ休憩くらいで休憩は少なめでしたが、長時間着用による「ヘルメット疲れ」はかなり少ない印象です。
内装の圧力が程よく分散されているので、当たりが強い部分が痛くなったり疲れたり「ヘルメットのせいで休憩したくなる」シーンはありませんでした。
特にこめかみから耳回りの余裕が、長時間着用時の快適性につながっているような気がします。
高い換気性能のおかげで頭がムレにくいため、長時間被り続けてもかなり快適ですね。
高速道路では、シールドから頭を出してウインドプロテクションのないネイキッド状態で時速100km走行すると、ヘルメット内の風量が増加して目元が乾くシーンがありました。
しかし口元のベンチレーションを締めれば目元への風は治まり、快適な風量に調整できます。
頭側のベンチレーションも高速域になるとかなり風量が増えますが、僕はフルオープンでも快適に走れました。
センターだけでも一般的なフルフェイスヘルメットくらいの風量があるので、季節やお好みに合わせて調整しやすいと思います。
残念ながらツーリング中雨に遭遇しましたが、外気温6度で湿度100%の状況でもベンチレーションのおかげで結露は発生しにくかったです。
別売りのピンロックシートも装着できますので、寒い時期や雨天時に走る方も使いやすいと思います。
真夏も走るならぜひ検討したい一品
今回はお借りしたSHUMAは、快適性が高く普段使いからロングツーリングまでこなせるオールラウンダーなヘルメットだと感じました。
単色モデルなら定価税込み28,600円と3万円を切るリーズナブルな価格設定なので、エントリーライダーさんの初めてのヘルメットやサブヘルメットの追加にもおすすめ。
高いベンチレーション性能のおかげで夏も快適そうですし、風量を調整できるので秋冬の寒い時期も含めてメインヘルメットとして一年中使うこともできそうです。
快適なヘルメットを探している方は、ぜひ選択肢の一つに加えてみてください。