チェーンを介してエンジンの出力を後輪に伝える大切な役目を担うスプロケット。その形状は基本的に50年以上前の旧車も最新の新車もほとんど変わらない。純正のスプロケットは、コストと耐久性の観点からスチールのユニクロメッキや黒クロメートの簡素な仕上げとなっており、見た目的には少し味気ないものだ。
しかし、大切な愛車にはできるだけ良い部品を装着したいし、隙無く仕上げたカスタム車に純正のスプロケットでは何とも味気ない。
カラーリングや表面仕上げ、丁数まで自分好みに!「X.A.M(ザム)」
「X.A.M(ザム)」は、スチールやアルミを素材に多彩な表面処理で様々なスプロケットをリリースするメーカーだ。
車種別の通常ラインナップ以外にも、丁数(歯数)やオフセット、アルミの場合はアルマイトのカラーに至るまで細かなオーダーにも応えており、旧車ファンからカスタムフリークまでその信頼は非常に厚い。
こうしたワンオフオーダーはコンスタントに週50件近く入ってくるそうで、いかに需要が大きなものかが伺える。
途方もない手間をかけたダブルアルマイトのスプロケット
そんなX.A.Mの東京MCSにブースで参考出品として初披露されたのが「ダブルアルマイトスプロケット」である。
アルミを着色すると共に、腐食や摩耗を抑制するのがアルマイト加工だ。X.A.Mでも赤や青やゴールドといった様々なカラーアルマイト施工を行なっているのだが、今回登場したのは、主に表面はブラックで、側面の切削部分はゴールドという2色のアルマイトが施工されているという点が最大の特徴なのである。
全く新しいビジュアルを持つこのダブルアルマイトだが、このカラーリングを実現するために非常に手間のかかる工程を経ている。
アルマイトの上にアルマイトはかけられない!
アルマイトは一度施工するとその上から再びアルマイトをかけることはできない。そこで、このダブルアルマイトを実現するために
- まずはアルミ板材の状態で黒のアルマイトを施工
- 穴開け加工を実施
- 切削部分にゴールドのアルマイトを施工
上記の手順を経てやっと実現できるのがダブルアルマイトなのだ。加工時は決して傷を付けることは許されず、繊細な仕事が要求されるのである。
その市販化は未定だが、ぜひ一般販売を期待したい商品だ!
レインボーの彩とスチールの耐摩耗性を両立した「タフライトスチール」の新商品
スプロケットにとって軽さやカラーは大切なファクターだが、街乗り車の場合は耐久性も気になるところだ。
そんなユーザーの贅沢な悩みに応えるのがX.A.Mのタフライトスチールである。
スプロケットの歯先に高周波焼入れを施した炭素鋼S45C材を素材に、大胆な肉抜きで軽量化を実現。さらにチタンの焼け色のようなレインボーの特殊メッキで耐摩耗性と美しいドレスアップ性を両立している。
このタフライトスチールが今回、マルケジーニやOZ、BST、ROTOBOXなどカスタムホイールに対応する商品をラインナップすることになった。
高性能なホイールに見合う存在感で、カスタムファンも大注目の新商品となっている。
「タフライトスチール」とチェーン、フロントスプロケットのワンパッケージ商品
この「タフライトスチール」をフロントのスプロケットとドライブチェーンとセットで購入できるのが「XAM PREMIUM-KIT」だ。車種別のセットとなっており、チェーンはブラック、シルバー、ゴールドから選ぶことができる。
チェーンとスプロケットは3点同時交換が基本。愛車の駆動系が交換時期にあるなら、ぜひ候補に入れたい商品だ!
軽量&高耐久はそのままに漆黒のタフライトスチール
「タフライトスチールブラック」は、タフライトスチールの上から塗装を施しており、受注生産品となる。ブラックのスプロケットは愛車の足回りを引き締めてくれるはずだ!
まだまだある!X.A.Mのスプロケットラインナップ
純正品を上回る耐久性とデザイン性「X.A.M CLASSIC 鉄」
純正スプロケットが摩耗して交換時期なので、何かアフターマーケットスプロケットを使ってみたい。けれど、耐久性は犠牲にしたいくない!というならば、おすすめは「X.A.M CLASSIC 鉄」。
見た目は純正よりも随分洗練されているが、素材はスチールで歯先に高周波焼き入れ処理が施されており、耐久性は純正を上回る。初めて社外スプロケットを使ってみるという人にもおすすめの商品だ。
潤滑するスプロケット!?「PREMIUM プレミアム」
フロントフォークのインナーチューブなどに施工することで、潤滑性を向上させることができる硬質潤滑アルマイト「カシマコート」。その技術をスプロケットに導入したのが「PREMIUM プレミアム」である。
カシマコートの特徴であるブロンズのような色味を持ち、自己潤滑性も有するので、チェーンの駆動を滑らかにしてフリクションを低減しつつ、摩耗にも強いという特徴がある。スチールより摩耗しやすいアルミだが、カシマコートによって長寿命化を望むことができるのだ。
ブラックの特別バージョンの発注も可能
硬質アルマイト「カシマコート」のブラックバージョンをオプションで注文することもできる。別途施工費が3300円(税込)がかかり、納期は3~4週間となる。
カスタムマシンといえばゴールドの輝き「CLASSIC クラシック」
80年代後半から巻き起こったカスタムブームの中、雑誌の特集を飾ったカスタム車は必ずと言って良いほどゴールドのスプロケットを装着していた。そんなゴールドスプロケットを現代の加工技術で生産し、ラインナップしている。
素材はA7075-T6超々ジュラルミン材を使用。絶版車のカスタムとベストマッチするはずだ。
全10色のバリエーションでカラーオーダーに対応!
アルミスプロケットは「商品代+2000円~」でカラーオーダーが可能。ゴールド、シルバー、ブルー、レッド、グリーン、ガンメタ、ブラック、ピンク、オレンジ、パープルから選ぶことができる。
写真のカラーサンプルはスプロケットの真ん中部分の端材で製作されたエコなノベルティだそうだ。是非、商品化していただきたい!
高性能ブレーキパッドにも注目!
X.A.Mではロードレース向けからスポーツ車向け、小排気量車向けからスクーター向け、さらにオフロード向けなどなど幅広いバリエーションを持つブレーキパッド「CL BRAKES」の取り扱いも行なっている。
この「CL BRAKES」は実は旧カーボンロレーヌの製品で、その信頼性や制動力は確かなものだ。こちらにも注目したい。