ENGINEER PH-55 鉄腕ハサミGT
バイクメンテナンス専門誌の編集部で働いていた当時は、バイク旧車界隈やカスタムショップやレースの現場など様々なメカニックの方々に取材をして、工具箱を見せていただく機会が多々ありました。
数万から数十万する国内外の有名工具メーカーのものを筆頭に、私の知らないような隠れた逸品銘品工具や、純正SST(専用工具)、自作工具などなど、メカニックそれぞれがこだわりが凝縮されていて、それはもう見ていて楽しいものでした。
そんな中で、私がいつもモヤッとしていたのが「ハサミ」です。
バイク整備の現場では意外とハサミの登場機会が多いのですが、どのメカニックもハサミに関してはたいてい適当で、小学校のお道具箱に入っていたようなチープなものを使っていたりするのです。
500万くらいするようなスペシャルなバイクをいじるのに、百均のハサミとかは如何にも不釣り合いです。
かといって、いくら良いハサミを買うとしても文房具としてのハサミでは、バイク整備の現場では耐久性に難があります。
丈夫で切れ味鋭い工具メーカーの造ったハサミ!
そんな折に見つけたのが「ネジザウルス」でお馴染みの工具メーカー「ENGINEER」の「PH-55 鉄腕ハサミGT」です。
見た目からしてベビーデューティーで、工具箱に入れてあっても違和感なし!
切れ味もそのルックスに見合うもので、柔らかいものから硬いものまで、総じて良く切れるのです!
さらにその刃が非常に丈夫なので心強いのです。それもそのはずPH-55 鉄腕ハサミGTの刃に使われているステンレス鋼材は文具用の大量生産用ではなく、刃物用に特化した素材を使用しているとのこと。
そのため、耐久性が期待できるだけでなく、切れ味の良さが末永く続くのです!
多彩な刃で様々なものを斬る
PH-55 鉄腕ハサミGTは、切る対象によって使い分けられる4つの刃を持っています。
刃のストレートの部分は紙とかビニールなど薄くて柔らかいものをカットするのに適しています。
刃の中程にあるノコギリのような部分は、厚みのある素材を切るのに適しています。
刃の根本の部分、グリップ側の切り欠きのような刃は針金など硬いものを切断するためのものです。
さらに刃の反対側の峰の部分はダンボールなどの開梱用です。カッターを使うと中に入っているものを誤って切ってしまうこともありますが、これなら封をしてあるテープだけを切ることができます。
このようにPH-55 鉄腕ハサミGTの多彩な刃は様々なシーンで役立つのです。
グリップにも秘密あり!
デザイン的な特徴にもなっているグリーンの樹脂製グリップ部分ですが、これも実に機能的にできています。
普通にハサミとして握るにも、もちろんグリップ性が良いのですが
例えば硬いものを切る際にもっと大きな力を加えたい際は、グリップ外側を握ることもできます。
硬いものを切ると、切れた瞬間に勢い余ってグリップに手のひらの肉を挟んで血豆を作ることがあるのですが、鉄腕ハサミGTはグリップ部分にフィンガーガードが付いており、手を挟みにくいようになっているのですよ!
力を込めて何度か硬いものを切りましたが、手を挟むことはなく、ここは非常に感動ものでした。
さらにグリップ部にストラップホールがあるので携行や整理整頓に便利なのです。
実録!! バイクメンテナンスで活躍するPH-55鉄腕ハサミGT
ここからは、実際にバイクメンテの中でハサミが活躍するシーンを想定しつつ、PH-55 鉄腕ハサミGTの使い勝手を解説していきます。
部品の袋の開封に
バイクの純正部品ってどんな部品でも小分けのビニール袋に入ってきますよね?エンジンOH作業の時とか部品袋が20個も30個も山になります。
これ、手でも開封できるんですが、小さい部品だと開封した瞬間に床に落として無くしたり、紙ガスケットとかだとビニールと一緒に破ってしまったり、まだ部品が入っているのに他の開封済ビニール袋と一緒に捨ててしまったり……。
これメカニックならわかる、あるあるだと思います。
だからこそ部品のビニールの開封にはしっかりとハサミを使いたいのです。
PH-55鉄腕ハサミGTなら柔らかくて薄いビニールもサクッと切れてストレスフリーなのです。
配線作業時のビニールテープの切断に
配線作業する際はハーネスをまとめるのにビニールテープを使います。
ビニールテープは手でも切れるのですが、切り口が汚くなるので、見た目に悪いのはもちろん、端がピッタリ密着しないので剥がれやすくなるんです。
美しい仕上がりのためにはちゃんとハサミを使いたいものです。テープも剥がれにくくなり、結局は効率的になるのです!
PH-55鉄腕ハサミGTはビニールテープもスパッと切れるので、刃にテープの糊が残りづらい印象。テープをたくさん切るような場面でも使い勝手が良かったです。
結束バンド(タイラップ)も切れる!
バイクメンテ時には様々な箇所に使用する結束バンドですが、この余剰を切るにもPH-55 鉄腕ハサミGTが使えます。普通のハサミでは結構難儀しますが、鉄腕ハサミGTなら楽に切断できてしまいます。
配線も切れる!
電装品の取り付け作業の際は、配線の取り回しに気を使うもの。PH-55 鉄腕ハサミGTは直径8mmまでの配線を切ることができ、中のニクロム線を変に潰すことなく被覆もろともスパッと鮮やかに切ることができます!
燃料ホースも切れる!
燃料ホースなどのゴムチューブ、ビニールチューブなどの切断も容易いものです。ノコギリのようなギザ刃が円形のチューブを逃さないので、楽にスパッと切ることができました。切り口も真っ直ぐです!
ゴムとかスポンジの切断も!
ETCユニットやドラレコなど、電装品の車体設置の際にゴム板やスポンジシートなどを最適な形状に切って使用するなんてことも多々ありますが、切れ味悪いハサミとは別格の仕上がりで、綺麗にスパッと切ることができます。
ペットボトルもサクッと切れる!
私はオイル交換の時などにペットボトルを切って、じょうごとして使うんですが、カッターだとなかなか切り口が真っ直ぐにならないものなのです。
しかし、鉄腕ハサミGTなら切り口鮮やかペットボトルも一刀両断です!
ステンワイヤーも切れる!
ワイヤリングの時にはステンワイヤーを使いますが、これを刃のグリップ側のに設けられたワイヤーカッターで切断することができます。
ここでは、0.7mmくらいのステンワイヤーを切ってみましたが、刃こぼれもなく、あっけなく切ることができました!
機能的にも見た目にもキャンプでも活躍する!
5mmくらいの枝であれば、ギザ歯で切断できますし、切れ味の良いハサミは料理にも便利なのでキャンプ時の携行にもお薦めです!
パラコードを切断しても切り口鮮やか!
価格もリーズナブルなので数個は持ちたい!?
工具箱にはもちろんですが、キャンプや釣りなどのアウトドアシーン、さらにはオフィスやガテン系お仕事の現場にも、様々な場所で活躍することは間違ありません。
価格的にも非常にリーズナブルなので、ひとりで複数個を持つのも「アリ!」と言わざるを得ません。
ぜひ、ご自身で「PH-55 鉄腕ハサミGT」の有能さを体感してみてください!
ENGINEER PH-55 鉄腕ハサミGT
価格 | 2,816円(税込) |
全長 | 160mm |
刃長 | 56mm |
刃厚 | 3mm |
グリップ幅 | 83mm |
重量 | 120g |
材質 | ブレード/刃物用特殊ステンレス、グリップ&キャップ/PBT |
切断能力 | ギザ刃/ビニルキャブタイヤ(2mm²×4)、同軸ケーブル(5C)、綿被覆コード(φ8mm)、トラロープ(φ10mm)、アラミド繊維(各種)、革ベルト(厚み4mm) ワイヤーカッター/銅線(φ1.6mm)、針金φ(1.2mm) |
発売元/株式会社エンジニア https://www.nejisaurus.engineer.jp