ドゥカティが、ドゥカティワールドプレミア2022の最終回「エピソード9」にて、サーキット専用モデル「パニガーレ V4 SP2」を発表した。
エンジンはMotoGPから派生したV型4気筒「デスモセディチ・ストラダーレ (1103cc)」を搭載し、ユーロ5の排ガス規制にも対応。また、MotoGPライダーの提案によってダッシュボードへ「トラックEvo」表示モードが加えられている。
搭載されているライディングモードは4種類。またGPSモジュールが標準装備しているので、自動ラップタイム機能をはじめ、自身の走りを分析することだってできる。
ホイール・ウイング等各種パーツは軽量カーボンファイバーを採用し、フェアリングはマットブラック仕上げ仕様。カラーラインナップは、名前からも潔さを感じとれる「ウインターテスト」1色のみ。気になる販売開始時期は、2022年3月を予定している。
ドゥカティ、”究極のレーストラック・マシン”「パニガーレ V4 SP2」を発表
- パニガーレV4 SP2は、ドゥカティ・スーパースポーツバイクの最上位モデルであり、サーキット走行のための特別仕様である。より直感的にサーキット走行を楽しむことが可能で、ライダーの身体的な負担も軽減されたモデルだ。
- カーボンファイバー・ホイール、ブレンボ製Stylema R®ブレーキキャリパー、MCSラジアルマスターシリンダー、乾式クラッチ、520チェーン、ビレットフットペグ、サーキット走行専用キットを備えた「SP」バージョンは、パニガーレV4のレース特性を最大限に引き出し、2022年のバージョンに加えられたすべての改良に対応するものである。
- パニガーレV4 SP2は、「ウィンターテスト」カラーリングとカーボンファイバー製ディテールが特徴だ。
「Ducati World Première 2022」の最終回となる第9回で、ドゥカティは新型パニガーレV4 SP2を公開した。サーキット走行への情熱を十分に体験できるように設計され、パニガーレV4の性能をさらに高めたナンバーズシリーズのスペシャルバイクだ。
ドゥカティ・パニガーレ・ファミリーは、レースの世界から市販車への絶え間ない情報と技術のフィードバックを最大化しており、ドゥカティ・コルセのプロトタイプと同様に、新しいバージョンが出るたびに毎年進化を続けている。「SP2」は、パニガーレV4のスポーティさを頂点に、エアロダイナミクス、エルゴノミクス、エンジン、シャシー、エレクトロニクスなど、あらゆる面で進化を遂げた2022年型モデルであり、「パニガーレV4」の魅力を最大限に引き出すモデルである。
パニガーレV4 SP2は、略称「SP」(スポーツ・プロダクション)の典型的な技術仕様を備えていることが特徴で、ドゥカティのエンジニアがパニガーレV4 2022で行ったすべての改良と相まって、パニガーレ史上最もハイパフォーマンスなモデルとして誕生したのだ。
「SP2」バージョンでは、さらにパワフルなブレーキシステム、軽量カーボンファイバー製ホイール、WorldSBKのレーシングバイクから受け継いだファイナルドライブと乾式クラッチ、レーシングフットペグ、一連のカーボンパーツが採用されている。また、リアビューミラーを外した際に装着するビレットアルミ製ミラーホールカバー(※)、ライセンスプレートホルダーを外した際に装着するカバーキット(※)、オープンクラッチカバー(※)などのサーキット走行用キットを付属品としてパッケージされる。
これにより、「究極のレーストラック・マシン」が誕生した。プロフェッショナルではないライダーが、自己の記録に挑戦するサーキット走行を体験するために最適なスペシャル・モデルと言えるだろう。
パニガーレV4 SP2のカラーリングは、マットブラックのフェアリング、マットカーボン仕上げのホイールとウィング、鮮やかなレッドのアクセント、ブラッシュドアルミニウム製燃料タンクの輝きとのコントラストが特徴の「ウィンターテスト」特別仕様となっている。ダブルプロファイルデザインのウィングには、パニガーレV4 R SBKのオフィシャルモデルにも採用されているイタリア国旗があしらわれている。ホットエアーエクストラクターが新設されたボトムフェアリングにはDucati Corseのロゴが入り、ダブル素材のブラックシートにはモデル名が記された赤いディテールが施されているのが特徴的。ステアリング・ヘッドは無垢材から削り出され、バイクのプログレッシブ・ナンバーが表示され、各モデルをユニークなものにしている。
パニガーレV4 SP2の心臓部は、MotoGPから派生した1,103ccのデスモセディチ・ストラダーレで、低回転から大きなトルクを発揮するカウンター・ロテーティング(逆回転)クランクシャフトを備えたV型4気筒エンジンで、サーキットでバイクの持つレース魂を表現することが可能だ。2022年、デスモセディチ・ストラダーレは、専用の技術要素を導入することで、パワーの向上とスロットルレスポンスの改善を実現している。
これらの介入と新しい専用マッピングにより、ユーロ5バージョン(日本仕様)のエンジンは13,000rpmで最高出力215.5hpを発揮し、パニガーレV4 2021と比較して1.5hpのパワーアップを果たし、ピークパワーを超えた14,500rpm時には2.5hp増加している(※※)。
このエンジンのポテンシャルを最大限に活かすため、新たに設定された専用のギアレシオにマッチするトルクカーブと4種類のパワーモード(フル、ハイ、ミディアム、ロー)が開発された。フルとローは新たに設定された一方で、ハイとミディアムには新しいストラテジーを採用している。
サーキットで使用する場合、アクラポヴィッチとの共同開発による新しいフルチタンのドゥカティパフォーマンス製レーシングエキゾーストをアクセサリーとして入手することで、Desmosedici Stradaleの性能をさらに向上させることができる。
このエキゾーストは、テール部にハイサイレンサーを装備し、性能向上と騒音抑制のために再設計されており、騒音規制の厳しいサーキットでもフルレーシングエキゾーストで走行する機会をすべての人に提供するものである。このエキゾーストにより、パニガーレV4 SP2は5kg軽量化され、バイクの乾燥重量はわずか168kgになる。アクラポビッチ製エキゾーストは、12.5 hpの出力増加を保証し、最大出力は228 hp、最大トルクは131 Nmに上昇する。
スーパーバイク世界選手権に参戦するレーシングバイクとの連携は、パニガーレV4の「SP2」バージョンでより顕著になる。パニガーレV4 2022に搭載された、より「サーキット指向」のギアボックスに加え、520チェーンとSTM-EVO SBK乾式クラッチで軽量化されたファイナルドライブが備わっている。STM-EVO SBKクラッチは、パニガーレV4 Sの湿式クラッチと比較して、サーキットでの過酷な使用においてより効果的なアンチホッピング機能と、オフスロットル時のあらゆる局面でのスムースな作動性を保証する。また、Ducati Performanceアクセサリーカタログから異なるセカンダリースプリングを選択して、エンジンブレーキのレベルを「機械的に」カスタマイズすることが可能だ。
パニガーレV4 SP2のシャシーには、デスモセディチ・ストラダーレエンジンをストレスメンバーとして使用したアルミニウム製フロントフレームが採用されている。アルミ製スイングアームとアルミ製シートポストはエンジンに直接接続されている。スイングアームのピボットは、アンチスクワット効果を高める位置にあり、コーナー立ち上がり時やスロットル開度変化時のリアの沈み込みを抑え、加速時のバイクの姿勢を安定させる。
サスペンションは、125mmのフォーク・トラベルを備えた電子制御式オーリンズNPX25/30加圧式フロントフォークで、レーシングフォークに由来する加圧カートリッジ式ダンピングシステムを採用している。このフロントフォークには、Öhlins TTX36リアショックアブソーバー、同じくÖhlinsの電子制御式ステアリングダンパーを組み合わせて、OBTi(Objective Based Tuning Interface)ロジックによる第2世代のSmart EC 2.0システムを形成している。
サーキットでのパフォーマンスとパニガーレV4のダイナミックな資質をさらに高めるため、「SP2」バージョンには、パニガーレV4 Sのアルミニウム鍛造ホイールよりも1.4kg軽い、ハイクォリティ5スプリットスポークのカーボンファイバー製ホイールが装備されている。カーボンリムは慣性を大幅に低減し(フロント26%減、リア46%減)、俊敏性、コーナーの切り返しにおける軽快さ、狙ったラインの追従性が向上している。
パニガーレV4 SP2には、専用のブレンボ製Stylema R®フロントブレーキ・モノブロックキャリパーも装備されており、長時間のサーキット走行でもブレーキレバーの引きしろが変化することなく、高い制動力と優れた一貫性を発揮することが保証されている。フロント・ブレーキは、MCS(マルチプル・クリック・システム)を備えたブレンボ製ラジアルポンプによって作動する。これにより、簡単な操作でレバーレシオを3段階に調整して、ブレーキ・フィールをカスタマイズすることができる。フロント・ブレーキレバーには、「リモート・アジャスト」デバイスが装備されているため、ライダーは、レーシングマシンのように左グリップのノブを操作することでレバーの位置を調整することができる。さらに、「SP2」バージョンでは、ブレーキレバーとクラッチレバーのエッジ部分に機械加工が施され、空気抵抗が減少している。
パニガーレV4 SP2を特徴づけるもう一つの重要な要素は、カーボンファイバー製ヒールガードを備えたRizoma製のアルミニウムフットペグを装備していることだ。このフットペグはフルアジャスタブルで、サーキットでより効果的に使用するためにグラウンドクリアランスを最大化することができる。このレーシングフットペグは、サーキットでの限界走行に欠かせないブーツのグリップ力を高め、さらに2022年に一新された人間工学に基づく燃料タンクとシートの形状が寄与し、フライングラップでも長時間のセッションでも、パニガーレV4の性能を最大限に発揮できるよう、コントロール性を高めるために研究されている。
パニガーレV4 SP2は、すべてのライディング・フェーズを管理する電子制御パッケージを搭載し、その操作パラメータはデフォルトで4つのライディングモード(レースA、レースB、スポーツ、ストリート)に統合されている。
ダッシュボードには、MotoGPライダーの提案を念頭に置いて開発された新しい「トラックEvo」表示モードが追加され、バイクのすべての電子パラメータを明確に視覚化することが可能だ。この画面では、水平基調のタコメーターが、もっとも目立つ高い位置に配置され、ギアポジション・インジケーターがディスプレイ中央に表示される。右側の領域には、異なる色の4つのセクターがあり、それぞれ電子制御 (DTC、DWC、DSC、EBC)専用となっている。
これらのセクターは、電子制御システムが特定のパラメーターで作動しているときに個別に点灯し、ライダーがどのインジケーターがアクティブになっているのかを識別するのに必要な時間点灯し続ける。このシグナルモードにより、ライダーは、どのシステムが実際に作動したのかをより良く理解することが可能になり、電子制御システムをより詳細にカスタマイズして、パフォーマンスの向上につなげることができる。左側のセクターには、ストップウォッチ、走行したラップ数、速度が表示される。
「SP2」バージョンでは、GPSモジュールが標準装備され、自動ラップタイム機能を有効にすることができ、ラップしているコースのセクタータイムを瞬時に表示することができる。さらに、ドゥカティパフォーマンス製ソフトウェア(アクセサリーとして入手可能)をロードすることで、レース用スリックタイヤやレインタイヤ用に特別に開発されたドゥカティ・トラクション・コントロールが利用可能になり、記録させた5つまでのサーキット座標毎に、完全にカスタマイズ可能な5種類のライディングモードを追加設定することも可能。さらに、SP2に標準装備されているドゥカティ・データ・アナライザーにより、すべてのパフォーマンスデータの詳細な分析ができる。
新型パニガーレV4 SP2は、2022年3月より「ウィンターテスト」のカラーリングで発売予定(※※※)。
主な標準装備
カラー
- ウィンターテストのカラーリング
マットブラック、細部はブライトレッド、燃料タンクはブラッシュドアルミニウム製
装備
- 無垢材から削り出されたステアリングヘッドにバイクのプログレッシブナンバー表示
- ブラッシュド・アルミニウム製の燃料タンク
- 「V4 SP2」ロゴ入り専用サドル
- カーボンファイバー製ウイング
- カーボンファイバー製フロントマッドガード
- STM-EVSBK乾式クラッチ
- 520チェーン、専用ピニオン、クラウンを使用したファイナルドライブ
- 5分割スポークのカーボンファイバーホイール
- ブレンボ製スタイルマRフロントブレーキキャリパー
- ブレンボMCS19.21フロントブレーキポンプ(マルチプルクリックシステム)、リモートアジャストメント付き
- “アンロード “フロントブレーキ&クラッチレバー
- カーボンヒールガード付きビレットアルミニウム製アジャスタブル・ライダーフットペグ
- シングルシート仕様
- GPSモジュール付きドゥカティ・データ・アナライザー+(DDA+)キット(付属品)
- オープンクラッチカバー (付属品 ※)
- ナンバープレートホルダー取り外しカバー (付属 ※)
- ビレットアルミニウムミラーホールカバー (付属 ※)
バイクの仕様や装備はマーケットによって異なる場合がある。
(※) 本製品はクローズドサーキット専用車両。一般公道での使用は法律で禁止されている。
(※※) この値はEuro5エンジン仕様のもの。
(※※※) バイクの仕様や販売店の状況はマーケットによって異なる場合がある。
リリース提供元:ドゥカティジャパン株式会社