ちょっとした小傷直しに便利なタッチアップペイント
例えば鍵の束をぶつけてしまったとか、工具を落っことしてしまったとか、燃料タンクにちょっとした傷が入ってしまうことってありますよね?
傷が入った直後は大変にがっかりするものです。しかもタンクの鉄の地肌が出てしまっているような時は、錆が発生してくるので、なるべく早く対処するしかありません。
部品交換するか?プロに補修してもらうか?いっそ別の色に塗りなおしてイメチェンしてしまうか?などリカバーするにはどれもお金がかかってしまうので、お財布の方にもダメージが少なくないものです。
そんな小傷に対して有効なのがタッチアップペイントなのです。
同色の少量塗料で、蓋の部分に小筆が付いているので、傷にちょいちょいと塗れば、小さな傷なら遠めに見ればわからなくなりますし、腐食の心配も無くなります。
なので、バイクを手に入れたら一緒にボディ同色のタッチアップペイントを購入しておくと、いざというときに助かります。
しかし、タッチアップだけではよく見れば傷の痕跡がわかってしまう
同色と言ってもタッチアップは結局筆塗りなので、やっぱり筆の跡は残りますし、凹凸が残る仕上がりは避けられません。少し近づけば補修跡だなというのはすぐわかってしまいます。
しかし、タッチアップでも、少し手間をかけることで見た目にほとんどわからないレベルの補修ができるかもしれません。
バイクの塗装というものは、素材の上に下地ペイント、カラーのペイント、クリアのペイントと、少なくと3層の塗膜で構成されている訳です。
それをタッチアップの1層のみで補修するわけですから、厚みがどうしても足りず、それが凹凸になることでどうしても傷が目立ってしまうわけです。
つまり、タッチアップを盛りに盛って、周囲の塗装と同一面まで削ってしまえば良いのです。そうすれば傷の凹みは無くなり、うまくいけばほとんど補修跡が目立たないように仕上げることができます。
車の小傷で修理実践!
車とはいえ、バイクのペイントと同じなので手順は変わりません。
バックドアにいつの間にか付いていた2つの小傷です。
左側の方が深く大きいです。
使用するタッチアップペイントは99工房の「タッチアップペン」カラー番号を調べて同色のものを準備します。
使用前には必ずよく振ってから。
蓋の部分に小筆が付いています。
補修前にまずパーツクリーナーで良く脱脂洗浄しておきます。汚れがひどい場合には部分的で良いので水洗いしておきましょう。
綿棒などで傷の奥までしっかり洗っておきます。油汚れが残っていた場合、塗料が乗らず剥がれてしまいます。
洗浄が済んだところで傷の周囲をマスキングテープで囲んでおきます。
ここからタッチアップを塗っていきますが、一度では終わりません。というか、とりあえず傷を目立たなくしたいというのであれば、ちょんちょんと塗って、以上終了でも構いません。
ただ、なるべく完成度を上げるのであれば、周囲の塗装面よりも傷の部分が盛り上がるまで何度も塗り重ねます。
5回くらい塗り重ねました。塗り重ねは乾燥しないとできないので、作業には2〜3日かかるかもしれません。ドライヤーで強制乾燥させれば作業時間を短縮することもできます。
周囲より補修部分が盛り上がったのを確認したら、その盛り上がりを研磨して周囲の塗装面と同一面になるまで削っていきます。使用するサンドペーパーは1000番〜2000番の目の細かいものを使用します。塗料は柔らかいのでわりとすぐに削ることが出来ます。
まずは、マスキングを貼ったまま削れば傷の無い部分の塗装を無駄に削ることはありません。
マスキングテープと同じ高さくらいまで研磨できたら、マスキングを剥がしてさらに研磨を行います。
水を付けてサンドペーパーの目詰まりを防ぎつつ、研磨を進めます。
指先で触れて周囲の塗装面と同一面になるまで補修部分を削ることが出来ました。もう、傷の凹みは消えたことになります。
しかし、このままではサンドペーパーの磨き目が残っているのでコンパウンドで研磨して艶を出していきます。
手で磨いても良いですが、時間がかかるので今回は以前購入した激安ポリッシャーで磨くことにします。
曇りが取れるまで時間がかかりましたが、綺麗になりました。大きな方の傷は指先の部分なのですが、近くからよく見ればかろうじてわかるくらいのレベルです。DIYのタッチアップ補修としては仕上がりは上々といえます。
スタートがここからでしたので、作業前とは雲泥の差なのでした。
もちろんバイクのタンクも綺麗になる!
バイクの小傷を直すなら、おすすめはやはりデイトナの「イージリペア」です。バイクの塗装と同じ色で、ラインナップも豊富なので、自分の愛車のカラーリングがあるかデイトナHPで確認していただければと思います。
イージーリペアの良いところはペンタイプであることです。普通のマーカーペンで塗るように、補修ができてしまうのです。初心者でも失敗リスクは少なく、自分で補修に挑戦できます。
燃料タンク付いてしまった傷を補修していきます。
同様の手順でマスキング後に傷に塗料を盛り付けるように塗っていきます。
やはり他の塗装面よりも補修部分が高くなるように、何層も塗料を塗って盛り上げていきます。
盛り上がったところで、研磨して平滑に仕上げていきます。
マスキングテープの厚さまで削れたら、さらにテープを剥がして研磨を続けます。
他の塗装面と同一の高さになったところでコンパウンドで研磨していきます。
サンドペーパーの磨き目が消えるまで磨くとこれはさらに補修箇所がわからない仕上がりとなりました。
とりあえず塗るだけで傷を目立たなくできるタッチアップですが、盛り上げて研磨する工程をプラスすることで、さらに完成度が高まります。愛車に小傷が付いてしまった際にはここで紹介した方法で腰を据えてタッチアップペイント補修してみることをお勧めいたします。