プライヤーがず〜っと掴んでいてくれるので両手がフリーになる!
ロッキングプライヤー(バイスプライヤー)という工具をご存じでしょうか?
その名の通りプライヤーの顎の部分をロックしたまま、つまりプライヤーを握った状態のまま保持できる工具で、ディープなサンデーメカニックなら、工具箱にひとつやふたつ、時には何十個も入っているはずです。
主な使い方としては例えば溶接の時など、2つの鉄板を突き合わせた状態で保持できるので、非常に便利です。溶接時に手で鉄板を掴んでいる訳にはいかないですからね!?
私の自宅にも3つのロッキングプライヤーがありました。
その中でもロブテックス製のものは先端にボルトの頭を掴みやすいように曲面形状になっています。これが作業時に効きます!
ロッキングプライヤーの基本的な使い方
グリップの端部のネジで顎の開き幅を調整できます。掴んで(咥えて)ロックしておきたい対象物に合わせてネジを締め、緩めします。
最大に開くとかなり大きなものまで掴むことができます。
開口幅を調整した後、グリップを握り込んで何かを咥えてテンションがかかっていればロックされている状態になります。これで自然に外れることは無くなりますが、かかっているテンションが緩いと外れてしまうので、緩い場合は開口部をさらに狭めた上で握り込んでロックします。
グリップ部分のレバーでロックを解除することができます。これが基本的な使い方になります。
ロッキングプライヤーがガレージやツーリングで大活躍する!
溶接など家でする人などは稀なので、自分にはロッキングプレイヤーは必要ないかとお思いかもしれません。ところが、バイクのメンテであるとか、ツーリングの際に実はかなり役立つ使い方があるのです。
ボルトの頭が嘗めてしまった時のリカバーに!
先にも述べたようにロッキングプライヤーは顎の最大開口サイズ内であれば、しっかり掴んだまま固定してくれます。
例えばプラスビスの頭が嘗めてドライバーがスリップしてしまうような場合、頭の部分を掴んで固定してしまえば、ロッキングプライヤーごと回して緩めることができるかもしれないのです。
柄の部分の開口幅調節ネジを締め緩めして、掴むもののサイズに合わせます。今回はプラスボルトの頭の部分です。
この使い方だと、写真のような先端形状でないとボルトの頭はキャッチできないかもしれません。
そのままグリップを握り込めば顎は握った状態でロックされます。ロックされれば手を離しても掴んだ状態が維持されます。
しっかりロックされていれば、そのままロッキングプレイヤーを回転させてボルトを緩めることができるはずです。もちろん、頑固に錆びついたり固着したボルトには潤滑浸透剤とか熱を加えるとかの事前準備は必要となってきます。
このように、ボルトの頭に少し掴めるスペースがあるのならば、嘗めてしまったボルトでもロッキングプライヤーで緩めることができるかもしれないのです。
事実、用品店メカニックとして働いていた頃から、趣味のサンメカ作業時代、モトメンテの編集部時代までピンチを救われた経験は少なくありません。
ツーリング時に携行していると助かる場面があるかも!?
さらにロッキングプライヤーの活躍の舞台はガレージにとどまりません。
ツーリングに携行しておけば万が一のピンチの際、救世主となるかもしれません。
例えば転倒時です。軽い立ちごけでもレバーが折れてしまうことは良くありますが、クラッチでもブレーキでも、レバーが短くなって操作できなくなれば、そこから自走で帰ることは困難になってしまいます。
そんな場面でも、ロッキングプライヤーを持っていれば、レバーの残った部分に固定して何とか操作ができるかもしれません。
レバーの残った部分を咥えて、ロックしてしまえば
とりあえずのブレーキレバーとして機能させることができます。
ペダルが折れた時にも!
同様に、やはり転倒でペダルが折れてしまうこともありますが、そのような時でもペダルの残った部分に固定して、非常手段としてペダル代わりにできるかもしれません。
ツーリング先の車載工具としても役立つ
ステンレスワイヤー(針金)を使った作業の時や、ナットの山が崩れてしまうのであまり積極的にはお勧めできないですが、緩んだミラーのナットをしっかり締めたりすることができます。
あまりメジャーな工具ではないので、車載工具やセット工具には含まれていることは稀ですが、ここで紹介したように実は様々な用途に使えるのがバイスプライヤ―の良いところです。
ホームセンターで1000円程度から購入できますので、ひとつ持っておくのがお勧めです。