目次
KTM 390ADVENTURE SWの車種プロフィール
車両の特徴
走り
ワインディング
高速道路
総括
※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成したものです。
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※記事内容は全て執筆時点の情報です。
今回紹介する「390ADVENTURE SW」は、2024年5月に発売された中型免許で乗れるコンパクトなアドベンチャーモデル。先代モデルは前後ともにキャストホイールを装備していたが、現行モデルからはスポークホイール(車名のSWはSpoke Wheelの意味)を採用し、よりアドベンチャーな雰囲気を醸し出すモデルへと生まれ変わっている。
車体サイズはホイールベースが1430ミリで、乾燥重量は159kgとなっている。タイヤはフロントに19インチのバイアスタイヤ、リアに17インチのラジアルタイヤを履き、アルミリムのスポークホイールながらチューブレスタイヤを採用している。
エンジンは水冷4ストローク・単気筒373.2ccのDOHCで4バルブを採用。最高出力は44馬力/9000回転、最大トルクは37Nm/7000回転を発揮する。
このモデルはアップダウン両対応のクイックシフターを搭載しているので、お手軽なシフト操作ができると期待していたのだが、低回転域ではその利便性をあまり発揮できず、若干ギクシャクした操作感になってしまう。というのも、このエンジン自体がどちらかといえば高回転域を欲しがるセッティングに振られているようで、ギアを3速に落として回転数を上げた途端、クイックシフターも期待通りの性能を発揮してくれた。
では、得意とする高回転域はどうか? このバイクにはシフトタイミングを表示するインジケーターが搭載されており、6000回転あたりでタコメーターのスケールが点滅することで、ベストなタイミングを知らせてくれる。そして、そのあたりの回転数を維持しながら走ると、イキイキとした伸びのある走りを披露。レッドゾーンまで回り切りそうな、KTMらしいスポーティなエンジンだということを再確認させられる。
タイヤは前後ともメッツラーのツアランスを装着していて、フロントはチューブレスのバイアス、リアはラジアルを採用。KTMとその傘下にあるブランドは、小型~中型排気量のモデルにもグレードの高いタイヤを装着していることが多く、今回のように短時間の試乗でも非常に良い印象を受ける。
サスペンションはフロントに伸び側と圧側のダンピングを調整できる倒立フロントフォークを、そしてリアはリンク式ではないが、WP製のショックアブソーバーとKTM独特のオープン構造を持つロングスイングアームの組み合わせで武装。最初のセッティングはアドベンチャーモデルにしては固めで、どちらかと言えばシャキッとした乗り心地。せっかく調整機構がついているので、すべてのダンパーを緩めたところからスタートして、必要に応じてこう締め上げていくという使い方が良いのではないだろうか。
ハンドルバーの高さや幅について。何も考えずにシートに着座して手を伸ばせば、そこにグリップがあるという自然な位置にあるので、真っ直ぐ走ることが主体となる高速道路ではとてもフィットする。幅はやや広く、何かの拍子でタイヤが取られた時でもグッと押さえ込みやすく、とてもコントローラブル。車線変更でも19インチという大きさのフロントタイヤだからこそ感じられる“ちょっとした重さ”が安定感につながり、アドベンチャーモデルらしさを感じさせてくれる。
短時間の試乗ながら強く感じられたのは、全体的なバランスの良さ。エンジンに関しては中回転域~高回転域にかけて元気がいいスポーティなキャラクターではあるものの、突出した何かがあるエンジンではないというのが正直な印象。しかしながら前後タイヤ&ホイール、それを支えるサスペンションはとても豪華な装備を搭載しているので、ミドルクラスのアドベンチャーバイクとしては完成度が高く、バランスに優れているモデルだと思われる。
※当記事は動画「MOTO BASIC」協力のもと、モトメガネが編集構成したものです。