ホンダのモーターサイクルの代名詞と言えるCB。排気量やカテゴリーはもちろん、「CBX」や「CBR」など、たくさんのモデルにCBの名称が受け継がれています。チョロバイも数々のCBが商品化されました。漫画にも登場した歴代の名車を紹介します。
長年の謎だったCBの由来
CBの由来は長年の謎でした。しかし2024年4月7日に開催された「2024年CBミーティング・リベンジ in 袖ヶ浦フォレストレースウェイ」で元ホンダ広報の高山正之さんが「開発者の原田義郎さんからMotorcycleのCとBetterのBを組み合わせたと聞いた」と証言しています。
それまで有力と考えられていた「クラブマン(アマチュアライダーの呼称)説」は、全日本クラブマンレースや第3回浅間火山レースで、当時無名の北野元選手が市販車のCB92で勝利したことからイメージが独り歩きしたそうです。
ナナハンという呼び名を定着させた「DREAM CB750Four」
1969年に発売された「CB750Four」は、CBシリーズのフラグシップモデルであり「ナナハンライダー」という漫画が人気になるなどブームを巻き起こしました。スペックは空冷4ストローク2バルブSOHC4気筒、最大出力67ps/8,000rpmです。「たいしたことねーじゃん」と思うなかれ。当時では画期的なハイスペックでした。チョロバイは特徴的な4本マフラーを再現しています。
70年代はナナハン=暴走族のイメージがありました。「CB750Fourみたいなハイスペックなバイクが販売されたら取り締まりに支障をきたすんだよね」と警察が思ったか定かではありませんが、CB750Fがきっかけで日本国内メーカーはパワーを自主規制し始めました!その流れから1975年にはバイクの免許は中型限定と限定解除に分けられています。
免許改正制度直前に発売「DREAM CB400FOUR」
1974年に発売された「DREAM CB400FOUR」の最大の特徴は排気量です。現在の400ccクラスは399cc以下に抑えられていますが、CB400FOURの排気量は免許制度改正前のため408cc。その後制度改正に合わせて10ccダウンしたモデルが発売されましたが、初期モデルは大型免許を保持していなければ乗ることができないレアな存在になりました。
チョロバイは流麗なデザインの4in1マフラーや、コンニチワ…もといコンチハン、リベット打ちのシートなど、細かなディテールを再現しています。ちなみにCB400FOURは、ヤンキー漫画「疾風伝説 特攻の拓(かぜでんせつ ぶっこみのたく)」に登場するキャラクター、爆音小僧の7代目の鮎川真里(マー坊)の愛車でした。マー坊は暴走族のメンバーで怪力ながら見た目は女の子のよう。作中では「相原 勇(横綱 曙の元カノ)そっくり」と表現されています。
流れるようなフォルムが美しい「CB750F」
ドリームCB750Fourの成功で勢いづいたホンダが1976年に世に放ったCBシリーズのネクストモデルです。燃料経済性と中低速域での使い易さを一段と向上させると同時に、当時の国内2輪車最大級の出力70馬力を実現させたスポーツモデルです。1983年〜1991年にかけて週刊少年マガジンに掲載された「バリバリ伝説」の主人公、グンの初期の愛車として登場しています。
チョロバイは1979年6月に発売された初期型のCB750F「FZ」がモデル化されています。ストリームラインと呼ばれる燃料タンクからサイドカバー、シートカウルへと流れるようなデザインを忠実に再現されています。デザインを担当した森岡實氏は新たなマーケットを調査するためにヨーロッパを視察し、サーキットで現地ライダーの傾向を調査し、本シリーズを含む16種のデザイン草案を完成させていたそうです。
驚愕のプライスも納得「CB1100R」
CB1100RはCB750Fの海外仕様であるCB900Fを元に、1981年から1983年まで生産されたスポーツバイクです。排気量1,062cc空冷4ストロークDOHC4バルブ直列4気筒エンジンを採用し、全世界で約5,000台を生産。限定生産のホモロゲーションモデルのため、一台一台組み立てる方式で生産されました。そのため新車価格はCB750Fが4台も替えてしまう驚愕の250万円でした。
CB1100Rはライダーのバイブルと呼ばれた漫画「キリン」の初期にバイク乗りが集まる喫茶店「ランブル」のマスター長尾泰三の愛車として登場しています。車名のRはレーシングバージョンの意味。チョロバイはデカールやゴールドのホイールやヘッドカバーも忠実に再現しています。