トライアンフ BONNEVILLE T120 × BONNEVILLE BOBBER
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トライアンフのラインナップの中でもトラディショナルなモデルである「ボンネビル・シリーズ」。1959年の登場から現在に至るまで、その姿を大きく変えることなく進化を続けてきた。
今回、そんなボンネビル・シリーズの中でもフラッグシップモデルとなる「T120」と、クラシカルな出で立ちが特徴の派生モデル「ボバー」の2025年モデルをじっくりと試乗することとなった。
伝統を継承したスタイリングの中に最新のメカニズムを搭載
TRIUMPH BONNEVILLE T120
<SPEC>●全幅/全高:785㎜/1,125㎜ ●車体重量:237㎏ ●ホイールベース:1,450㎜ ●シート高:790㎜ ●エンジン型式:水冷 SOHC並列2気筒8バルブ ●排気量:1,197㏄ ●最高出力:59kW〈80PS〉 ●最大トルク:105Nm ●ブレーキ形式:F=ダブルディスク、R=ディスク ●タイヤサイズ(前/後):F=100/90-18、R=150/70 R17 ●価格:1,679,000円(税込)〜
ボンネビルT120は、トライアンフのモデルラインナップの中でもブリティッシュテイストをしっかりと残されたモデル。そして「モダンクラシック」としての佇まいの中に伝統のバーチカルツインエンジンを搭載している。昨今の環境対策などにより最新モデルは水冷エンジンとなったものの、空冷用のフィンを残しながらラジエターをフレームの間に置いたことで、ボンネビルらしさはまったく損なわれていない。最新のメカニズムとしてスロットル操作は電気信号で伝えられるライドバイワイヤを採用し、「ロード」と「レイン」の2モードが選択が可能。トラクションコントロールやABS、アシストクラッチ、USBソケットも装備されているのだ。
完成の領域に達していると言えるほどの乗りやすさ
2025年モデルのボンネビルT120を試乗してみる。長年熟成を重ねてきたモデルだけあって、もはや完成の領域に達していると言えるほどの乗りやすさを感じた。時代に適応するために、キャブからインジェクションへの変更、空冷から水冷へと進化を遂げてきているが、往年のボンネビル・シリーズが持つ「ブリティッシュテイスト」は少しも薄れていない。むしろ乗りやすくなったことで、幅広い層のライダーを受け入れる懐の深さを備えたと言えるだろう。
ビッグバイクとは思えない軽いクラッチを握り、シフト操作を行うが実にスムーズ。スロットルの反応も穏やかなので、イージーライドを楽しめるものになっていることが乗ったとたんに感じられる。
270度クランクのエンジンは適度な鼓動感がありながらもスムーズな加速を味わえる。最高出力は80馬力と高くはない数値だが、太いトルクを発生させるので、3000回転程度でポンポンとシフトアップをするような走らせ方が楽しい。一方でシフトチェンジが億劫な時にはギアを固定したままでも乗ることもできるのはこのボンネビルのバーチカルツインエンジンならではのものと言えるだろう。
ハンドリングについては、ボンネビルT120はフロント18インチ、リヤ17インチの組み合わせだが、予想以上に癖がなく軽快な走りを楽しむことが出来た。ポジションは手を自然に伸ばした位置にハンドルがあり、ステップも違和感を感じないポジションに配置されている。シート高は790㎜と抑えられているおかげで、ビギナーや女性ライダーも扱いやすいはずだ。
装備面ではクルーズコントロールを標準装備している点は嬉しいポイント。ロングツーリングをのんびりと楽しむにはありがたい装備と言えるだろう。
細部まで美しさにこだわった装備類
ライディングポジションは誰が乗っても違和感を感じさせないもの。手を伸ばしたい自然な位置にハンドルがあり、ステップの位置もちょうど良い。足つきはかかとまでしっかり着くので不安を感じることは全くなかった。
「ボバースタイル」ながらボンネビルらしい乗り味はしっかり演出
TRIUMPH BONNEVILLE BOBBER
<SPEC>●全幅/全高:800㎜/1,025㎜ ●車体重量:252㎏ ●ホイールベース:1,510㎜ ●シート高:690〜700㎜ ●エンジン型式:水冷 SOHC並列2気筒8バルブ ●排気量:1,197㏄ ●最高出力:58kW〈78PS〉 ●最大トルク:106Nm ●ブレーキ形式:F=ダブルディスク、R=ディスク ●タイヤサイズ(前/後):F=130/90-16、R=150/80-16 ●価格:1,899,000円(税込)〜
2017年にボンネビルシリーズのニューモデルとして登場したボンネビルボバー。ハードテイルスタイルが特徴のフォルムを採用。2021年に大幅な改良が行われ、タイヤサイズを前後16インチに変更するとともに、大径のフロントフォークを装備。またボンネビルT120をベースとした専用チューニングのバーチカルツインエンジンはユーロ5の排出ガス規制をクリアしている。
ボバーならではのクセのあるハンドリングが個性の一つ
一方のボンネビル ボバーは、ボンネビルT120をベースにした派生モデル。巧みなフレームワークによって表現されたハードテイルスタイルによるクラシカルなボディワークは、まるでカスタムビルダーの手によって仕立て上げられたかのような雰囲気を醸し出している。旧き時代を感じさせるファットな小径タイヤや、サドルシートで終わらせた大胆なリヤセクションなど、まさしくボバースタイルを表現しているデザインと言えるもの。
ポジションはほぼ一文字のハンドル位置はやや遠く、腕が伸びがちになる。加えてステップ位置がミッドコントロールなので、腕と足を前に投げ出すようなライディングポジションとなるが、クルーザーモデルに慣れているライダーであればさほど違和感を感じることはないはずだ。
エンジンはボンネビルT120と同じ1,197㏄のバーチカルツインを搭載するが、専用チューニングを実施。実際に乗ってみるとT120との違いはすぐに感じられる。より鼓動感があり、昔ながらのバーチカルツインを彷彿させるフィーリングとなっている。
大トルクを発生するので、一度アクセルを大きく開ければ、鼓動感のあるサウンドと合わさり怒涛の加速を味わうことができるので実に楽しい。
乗り味については、前後ともにサスペンションストロークが短めということもあり、路面が荒れている箇所ではやや固めに感じるものの、リヤサスペンションがしっかり仕事をして路面を捉えてくれるので、不安を感じることはなかった。
ハンドリングについてはボバーならではのクセを多少感じさせる。直進安定性が高いので直線での加速を楽しめる一方で、ハンドリングは少し立ちが強く倒し込みには慣れが必要だ。だが、これぞボバーならではの味わいということで個人的には気に入った。
T120との差別化を図る、ボバー専用の装備類
シート高は690〜700㎜に変更可能で足つきは良好
ライディングポジションは腕と足を前に出す姿勢となる。緩やかな前傾姿勢なので長時間でもさほど疲れることはないはず。シート高を10㎜変更することができるが、700㎜でも両足がべったりと接地する。