前編では、北海道・池田町に住むDIYビルダーのミノルさんが、ワゴン車をカスタムして作り出した「北斗星ファーゴ」を紹介しました。まさに路上を走る寝台特急。ミノルさんの奥様は地元で「北斗星婦人」と呼ばれているそうです。
「北斗星ファーゴ」以前から作り続けているのが、カワサキZⅡをイメージしたバイクです。パッと見ても、よく見ても何がベースなのかさっぱりわかりません。ミノルさんに説明してもらいました。
ハスラー50+創意工夫=ミニZⅡ
ミノルさん「ミニZⅡのベースは、スズキのハスラー50です。最初はタンクがないガラクタでした。適当なタンクを付けて乗っていましたが、 2サイクルのピーキーなエンジンが気に入らなかったので、思い切ったカスタムを行いました」
2ストロークを4ストローク化
ミノルさんの息子さんが、どこからか中国製のカブ系110ccのエンジンを入手してきたのをきっかけに4スト化を決行します。フレームを切断して鉄パイプで延長し、力技でエンジンを納めました。
廃パーツとDIYの結晶
タンクはスズキ・GN125、テールランプはスズキ・K50、マフラーはカモメカブ(通称)とカブ90、サイレンサーはヤマハ・メイトで、リヤホイールはカブ90、リヤショックはホンダ・CB50、サイドカバーは木を削って作成しました。
シートも木にウレタンを貼り付けて黒いレザーをミシンと手縫いで仕上げています。タンデムバーはホンダ・シャリイ、テールカウルは100均のゴミ箱をカット。廃パーツとDIYが徹底されています。
ミノルさん「配線はとても苦労しました。空冷ハスラー50(ポイント)とカブ(CDI)の配線図をにらめっこしてニコイチで作っています」
憧れのZⅡを自分の手で作喜び
ZⅡのスタイルになった理由を「憧れ」といいます。
ミノルさん「実物は高くて重い。しかも僕は大型免許を持ってない!その点、原付2種なら気軽に乗れます。ホンモノに近づけるために、整備工場で不用になったエキマニをパイプの根本から切断し、水道管の部品とパイプベンダーで曲げた単管パイプを溶接して4気筒エキパイを作りました」
塩ビパイプの部品や木材を使ってハリボテのVM26キャブレターを装着。インシュレーターは農機具のホースを流用しています。最初に作ったタンクの細さが気に入らなかったため、発泡ウレタンを貼ってFRPで仕上げる改良を開始しています。次々とアイデアが浮かぶので、ミノルさんのカスタムに終わりはありません。
たくさんの人たちと交流できる十勝の隠れ家
ミノルさんは「たくさんの人たちと交流できる場を作りたい」と、十勝の豊頃町にある古民家をリノベーションして「みのるーむ」というコミュニティスペースをオープンしました。カフェスペースの飲み物の料金はお賽銭方式。コーヒー、紅茶等を飲みながら薪ストーブと振り子時計の中でゆっくりとしたひとときが過ごせます。
ミノルさん「営業時間や定休日などは決まっていません。DIYカスタムに興味がある方、ライダー、鉄道ファンも大歓迎。まずは僕のX(旧Twitter)のダイレクトメールに連絡してください。田園に佇む古民家でお待ちしています」
写真提供:ミノルさん
みのるーむ
住所:北海道中川郡豊頃町育素多112
https://twitter.com/hokutoseihiece