屋外活動を制限しなければならないほどの暑い夏が過ぎ、ライダーたちの秋シーズンがようやく到来しました。近年免許を取得したライダーの中には、ソロツーリングに挑戦したいんだ!と考えている方もいると思います。今回はとある二輪指導員による教習所で使用する運転教本をベースに、ソロツーリングデビュー方法とその楽しみ方などをご紹介します。
運転教本に記されている「ツーリングの心得」とは
ツーリングに出かける準備不足や無理な運転計画、無謀な運転による危険走行などに注意し、楽しい内容になるようにしましょう……と、運転教本に短く記されています。道中、頼れる仲間がいれば心強いものの、いざ「ソロツーリング」を想像すると不安を感じる方も少なくないようです。自身を持ってソロツーリングへ行くには「ツーリングの心得」すなわち事前準備が重要になります。
ツーリングの準備と心構え
仲間同士やソロにかかわらず、出発前の点検(タイヤの空気圧チェックやライト類の点灯確認など各部の作動チェック)を確実に行っておきましょう。とくにソロツーリングの場合、急なトラブルへの対処にも、とりあえず一人で対応しなければならないということを心に留め、トラブル予防のため、日常点検を欠かさないようにしましょう。
ゆとりある運転計画
初めてのソロツーリングとなるとルートや時間配分はもちろん、ツーリング目的(絶景スポットや史跡観光など)からランチメニューまで入念に調べることをオススメします。特にツーリングの目的・・・いわゆる「旅のハイライト」をより明確にすると運転操作に迷いが出にくくなるという効果があるので是非試してみてください。
ソロツーリング決行当日は何をする?
ツーリングの経路にもよりますが、当日の朝は早起きを心がけるとよいでしょう。特に初めてソロツーリングに挑戦する場合、余裕を持って最終の準備を整えるとともに朝食をしっかりと食べアタマと身体に活力を与えるなど、出発前のモチベーションを上げることが肝心です。ある意味、このポシティブな気持ちを作り上げる事がソロツーリング全体の質を左右するものになるかもしれません。
一人だからといってダラダラしていると、ソロツーリングに対するモチベーションが下がってしまい「旅のハイライト」を達成することを断念、最悪は「初めてのソロツーリング」へ行かず終いということも考えられます。とはいえ、初のソロツーリングは不安を感じるかもしれませんが、勇気を持って一歩踏み出してみましょう。それがライダーとしての「大きな一歩」になることと思います。
出発後は不安と期待でいっぱい?
出発後、状況になれるまで多少の不安はあるかもしれませんが、むしろソロデビューしたという事に心弾み、ツーリングへの期待感が大きくなっていくかもしれません。「入念な準備」を済ませ「旅のハイライト」への道中に愛車であるマシンを通じて「孤独の楽しみ方」をポジティブに楽しみましょう。
バイク旅、モチベアップはグルメ&甘味で決まり!?
ツーリングの醍醐味とも言えるのが各地の名物グルメや休憩で立ち寄った際に出会うスイーツの数々。ライディング中は高い集中力と、そこそこの体力を要するという大義名分がありますから、エネルギーチャージは遠慮なくおこないましょう。何せ一人ですから、何を食べても時間も自由です。他人に合わせる必要がないという休憩中の気軽さがソロツーリングの醍醐味ではないでしょうか。
明るいうちに帰宅する
初めてのソロツーリング、入念な計画をしてもいざ実行となると時間配分の不安は拭いきれないかもしれません。
一日あたりの事故発生時間帯をみると16時から20時に最も多く発生していることから「帰宅時間」と重ならないように早めに帰宅すると良いでしょう。明るい時間帯に帰ることでツーリングの余韻に包まれながら片付けや愛車の洗車等に時間を充てることができます。次の日に疲れを引きずらないようにバイク旅の幕を閉じてあげましょう。
16時から20時は交通事故が多い時間帯と紹介しました。薄暮時はヘッドライトをつけている車両、またポジションライトのみ、あるいは無灯火の車両などが混在しているため、四ら見るとバイクの灯火は発見が遅れやすくなる傾向が強くなります。近年は夜間の死亡事故発生が目立っているので、ゆとりを持った運転計画を心がけましょう。
プロテクター装備で安心安全なツーリングを。
近年、ライダーに対して「プロテクターの正しい着用」の働きかけが官民一体で行われています。ヘルメットについては着用率が96%以上と高い水準にあるものの「アゴひも」の締りが緩かったり、アゴひもを通していないなど正しく着用されていないため、転倒時にヘルメットが脱落するケースが非常に多いというデータが出ています。
また、胸部へのダメージにより死亡に至るケースが浮き彫りになってきていることから「胸部プロテクター」の装備を是非検討してほしいと思います。命あってのバイクライフですので、今まで馴染が無かったライダーも着用していただきたく思います。
プロテクター着用の大きなメリットであると考えられるのが「守られている」という感覚を持つことで、自信のあるライディングに変容すると考えています。万が一コケてもヘルメットとプロテクターが守ってくれるというライディングギアを着用の安心感がソロツーリングデビューを後押しする要素にもなり得ます。
帰宅後はソロツーリングの振り返りをする
「さて、ソロツーリングの感想はどうですか?」
実際に一人のツーリングを終え、旅の振り帰りをすると、見落としていた名所やグルメ、ツーリングルートやイベントなどが散見されるかもしてませんが悔やむことはありません。その心残りが次回のソロツーリングの動機づけになり、あるいはバイク仲間との次なる目的地になり得ます。「いつか行ってみたい場所」を日本中に作り、末永いバイクライフを楽しんでいきましょう。