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便利工具を活用すれば自力でもできる、オンロードバイクのタイヤ交換

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

熟練のオフロードライダーならタイヤ交換(パンク修理)のスキルはたいてい習得しているもの。これは林道などでパンクしてしまった時に自走で生還するために、必要に応じて覚えていくからです。「JAFを呼べばいいじゃん?」と思っていると、携帯の電波が届かない山の中でパンクしてしまった時に、どうにもならなくなってしまいますし、例え電波が入ったとしてもそんな山奥にまでJAFは来てくれません。

オフロードバイクは車体が軽量でタイヤが外しやすく、タイヤ自体も太くないためタイヤレバーで脱着がしやすいのですが、オンロードバイクのタイヤ交換はバイクショップが使うような大型のチェンジャーがないと出来ない、というのが一般的な認識でしょう。

しかしUNITから発売されているロードバイク用タイヤチェンジャーを使えば、オンロードバイクでも一般ライダーが自分で交換することも可能なのです。

UNIT
ロードバイク用タイヤチェンジャー
定価:¥21,450(税込)
サイズ:奥行910×幅580×高さ430mm
素材:スチール
重量:約8.2kg

オンロードタイヤと言っても排気量によってタイヤサイズもバラバラですが、今回使用したのはYAMAHA XSR900。純正タイヤはブリヂストンのBATTLAX HYPERSPORT S22の180/55 R17 M/C(73W)TLサイズです。

講師をしてくれるのは連載企画「DIYメンテ de オフロードバイクが巧くなる!」でお馴染みの渡辺健さん。

目次

リアタイヤを取り外す

まずはタイヤを外してもバイクが倒れないように固定するのですが、ここではタイヤチェンジャーと同じUNITブランドのロードバイクスタンドを使用します。

UNIT
リヤスタンド アジャスタブル
定価:¥10,120(税込)
サイズ:奥行570×幅570mm
リフトアップ高:265〜335mm
高さ調整:5段階
耐荷重:200kg

付属のL型アタッチメントを使用してもいいのですが、昨今はスイングアームの形状が様々で、決して水平ではないことも多いので、U型アタッチメントを使用しました。アクスルシャフトの下あたりにリフトアップ用に空けられているサービスナットホールにボルトを差し込み、そこにU字アタッチメントを引っ掛けて、リアタイヤの下に滑り込ませるように差し込むと、リアタイヤが持ち上がります。

この時、U字アタッチメントがスイングアームに当たって傷がつかないように、養生テープなどで保護しておくことをオススメします。

また、不意にバイクが動いてしまうことがないように、タイラップなどを使ってフロントブレーキをかけておくことがとても大事。これを怠ってしまい、作業中にバイクを倒してしまう事例が結構多いのだそうです。

しっかりバイクが固定できていることを確認したら、アクスルシャフトを抜いてリアタイヤを取り外します。

タイヤチェンジャーで楽々ビードを落とせる

外したタイヤをタイヤチェンジャーにセットします。

センターシャフトはΦ19とΦ14の2種類が用意されているため、アクスル径15mm以上の車両に対応します。上からシャフトコーンを差し込んで固定することで、ホイールのガタつきも抑えることができます。

次にエアバルブのバルブコアを緩めてタイヤの空気を抜きます。

空気を全部抜いたらビードを落としていきます。オフロードタイヤだと足で踏めば大体のものは落ちるのですが、オンロードタイヤの、特にラジアルタイヤはコンパウンドが硬くて剛性も高いため、そう簡単にはいきません。ここでタイヤチェンジャーに付属しているアームが役に立つんです。タイヤのサイズに合わせて取り付け位置を調整して、写真のようにビードブレーカーをセットします。

そしてロングハンドルを使ってこのようにビードを落としていきます。長いアームのおかげでテコの原理を利用できるので、力はほとんど必要ありません。

ベコッという音がするまで落としたら、OK。タイヤを回して一周全部落としていきましょう。

ここで注意して欲しいのが、写真のようにエアバルブの真上にはビードブレーカーを差し込まないようにしましょう。エアバルブを破損してしまう恐れがあります。

一周全部ビードを落とし終わりました!

次にタイヤレバーを使ってタイヤをリムの外側に出していくのですが、ここではタイヤレバーでリムを傷つけてしまわないようにリムプロテクターを使用します。

DRC
プロタイヤレバー
定価:¥1,760(税込)
サイズ:260mm/230mm

力技になりますが、全周タイヤが出ました……! そして問題はここから、タイヤを完全にリムから外します。

こんな感じにリムプロテクターを入れて、リムの傷つきを防止します。

そしてタイヤレバーを写真のように差し込んでタイヤをリムから外していきます。

レバーを返していくとレバーの先端がリムの内側に当たってしまうので、写真のように厚めのゴム板などを挟んで予防しておきましょう。

こちらXSR900の180サイズのタイヤはかなり硬く、熟練のスキルが必要ですが「250ccくらいの140サイズでしたら、一般の方でも作業可能と思います」とのことでした。

外れました〜!!

そしてXSR900のホイールは写真のように内側のビードが逃げるスペースが少なく、これも作業の難しさを上げていました。こういった形状のホイールは欧州のバイクに多く見られます。日本車のほとんどはもっと内側が凹んでおり作業しやすいようにできているのですが、近年では日本車でもこのような欧州っぽい形状のホイールが増えてきているようです。

とにかくこれで古いタイヤが外れたので、新しいタイヤを組んでいきます。今回は特に新しいタイヤを用意していないので、外したタイヤを再び装着していきます。

まずはビードにビードクリームを塗り、滑りやすくしておきます。こうしておくとビードが上がりやすくなります。

DRC
ビードクリーム
定価:¥605(税込)
内容量:40g

そしてタイヤをハメるのですが、片側は工具を使わなくてもハマります。絶妙な力加減が求められますが、リムの上からタイヤを水平に叩きつけるイメージで押し込むと、ポン、とハマってくれます。初心者にはなかなか難易度が高い技なので、難しければやはりレバーを使って組んでいきましょう。

そうしたら裏返して反対側のビードを入れていきます。ここでもビードブレーカーが役に立ちます。

また、チェンジャーにはタイヤレバーを固定する受けが付属していますので、写真の要領で使うと便利ですよ。

ある程度入ったら、最後はレバーで入れていきます。ちょっと油断すると先に入れたビードが外れてきてしまうので、足や膝で抑えながら作業してください。

ビードが全周入ったら、エアバルブにバルブコアを入れ、エアを入れてビードを上げます。こちらはコンプレッサーを使っていますが、オフロードバイク用などで市販している空気入れでやる場合はなかなかビードが上がらないため、空気を入れた後にタイヤーをプラスティックハンマーで叩いたり、タイヤの外周をタイダウンで締め付けたりしてビードが上がりやすくします。もしくはこの作業の時だけタイヤをガソリンスタンドなどに持っていって空気を入れてもらうのもオススメです。

ビードが上がったらメーカー推奨空気圧に設定。XSR900は290kPaです。

最後にタイヤを組み付けて作業終了となります!

なお、別売りのポータブルタイヤチェンジャーと併用することで、高い位置で作業することができるようになり、腰痛の予防などにも繋がります。今回は屋内での作業だったため、実際には使用しませんでしたが、3本の足の先端には固定用のペグ穴もありますので、地面などに固定すると安定した作業が可能になりますね。

UNIT
ポータブルタイヤチェンジャー
定価:¥12,980(税込)
組み立てサイズ:幅/奥行770×高さ575〜920mm
折り畳みサイズ:幅/奥行170×高さ555mm
シャフト径:16mm
重量:5kg

BIVOUAC所沢×STRADA
住所:埼玉県所沢市坂之下296
TEL:090-7230-3674
営業時間:10:30〜19:30
定休日:火曜・水曜

今回取材にご協力いただいた渡辺氏は2022年7月にOPENしたバイクショップ「BIVOUAC所沢×STRADA」の店長に就任。林道ツーリング、ラリー、トライアル、エンデューロ、モトクロス、トレール、レーサー、電動などなど、あらゆるオフロード遊びを楽しむライダーを応援してくれます。さらに日本新上陸の電動バイク「CAOFEN(カオフェン)」の輸入元でもあります。

text&photo RIDE-HUCK

RIDE-HUCK掲載日:2022年9月23日

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