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マディ対策徹底実践。フェンダーマット応用編

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

マディ対策アイテムとして人気の高いZETA RACINGのフェンダーマット。昨年行った実践企画「マディ対策の定番、フェンダーマットの効果を実感」に続き、今回はその応用方法を編集部が試してみました

今年も梅雨時期がやってきます。マディ対策の準備はできていますか? マディ対策のノウハウはライダーによってこだわる部分が異なり、かなり奥が深いトピックです。中でも、ZETA RACINGのフェンダーマットは装着することで泥の付着を防ぐ効果があり、全日本モトクロス選手権で多くのライダーが使用しています。以前、ライドハック編集部ではフェンダーマットを試し、その効果を実証した記事も掲載しています。

https://www.dirtfreak.co.jp/special/ridehack/?p=5334

当時はフェンダーマットの基本的な使い方に沿ってフェンダー裏のみに装着しました。しかし、稀に見る大荒れのマディコンディションとなった2024 D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ第3戦では、フェンダー裏だけでなく、ハンドガードやフェンダー上部など、ライダーごとにフェンダーマットの応用術が見られました。そこで、今回は昨年行った「マディ対策の定番、フェンダーマットの効果を実感」に続く応用編として、装着位置による効果の違いについて検証してみました。

目次

それぞれのフェンダーマット応用術

先述した通り、2024 D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ第3戦は大荒れのマディコンディションとなり、ライダーたちの様々なフェンダーマット応用術が見られました。今回は、まずそのテクニックを学ぶべく、ダートフリークサポートライダーにインタビュー。第3戦で初優勝を果たした#2大倉由揮選手と、同じく第3戦でベストラップタイムを記録した#11福村鎌選手、小島庸平選手、さらにJNCCライダーの馬場大貴選手にポイントを聞いてみました。

ハンドガードにつけてハンドル周りの重さを軽減

ハンドガードは装着することで飛んでくる石や泥が手に当たることを防いでくれるアイテム。そのまま装着するだけでも泥除けの効果は高いです。しかし、第3戦時の#2大倉由揮選手や#11福村鎌選手を見ると、ハンドガードの装着だけでなく、ハンドガード自体にフェンダーマットを貼り付け、泥対策を徹底していました。

これについて大倉選手にお話を聞くと、「ハンドガードに泥がつくと重さで走行中に位置が下がってしまい、泥除けの意味がなくなってしまいます。また、ハンドル周りの重さが増えてマシンコントロールがしにくくなるので、できるだけ泥の付着は避けたいです。フェンダーマットで少しでも泥がつかないようにしています」とのこと。

フェンダー上部に装着し、前からの泥も防ぐ

フェンダーマットは通常フェンダー裏につけるのですが、第3戦ではフェンダー上部につけているライダーも見られました。フェンダー裏につける場合、タイヤからはねる泥の付着を防ぐことを目的としています。一方、フェンダー上部はそう簡単に泥がつくイメージがないかもしれません。1人で練習する際にはそこまでの泥はつきませんが、レースとなると話は別。スタートで一番前に出ない限り、前を走る選手からの泥を浴びることになります。

JNCCで活躍を続ける馬場大貴選手に話を聞くと、フロントフェンダー上部や、フロントゼッケンとフェンダーの隙間にマットを使用することで、前からの泥を防ぐと言います。

スイングアームやリアブレーキにつけて泥詰まりを防ぐ

スイングアームやリアブレーキ部分にフェンダーマットを貼るのも効果的。ここは地面に近く、泥が詰まりやすい場所でもあります。また、チェーンの下やリアブレーキ周りに泥が詰まるとチェーンの動きやレバー操作にも影響してくるためフェンダーマットが活用されています。

ダートフリークサポートライダーの小島庸平選手は、全日本モトクロス選手権にフル参戦していた際、汚れるのが嫌で様々なマディ対策を行ってきたといいます。お話を聞くと、フェンダーやシート、ハンドガードなどはもちろん、スイングアームやリアブレーキ周りといった細かい部分にも活用していたそうです。「動いて剥がれてしまうこともあるのですが、シフトレバーやリアブレーキとの間にも装着していました。マディの時は泥によって滑りやすくなります。それによってレバー操作のミスに繋がることもあるので、なるべく泥がつかないように使用していました」とのこと。

ヘルメットに装備して首への負担を減らす

2024 D.I.D 全日本モトクロス選手権シリーズ第3戦では、ヘルメットにフェンダーマットをつけているライダーも多く見られました。マシンだけでなく、ヘルメット自体にも泥はたくさん付着します。これにより頭にかかる重さも増え、ライディングに影響が及びます。

実際にフェンダーマットを活用していた福村選手は「特に重たいマディの場合、どうしてもヘルメットに泥がつくんですよね。ヘルメットを被る時点で重さがかかるのに、さらに泥で重くなると首が耐えられなくなってきます。なので、ヘルメットにいかに泥がつかないかを研究して、対策を練っています。その点フェンダーマットは効果もあるし、つけていない時に比べて安心感があります」と好評。泥がつくだけでライダーの体力がいかに削られるのか、対策がどれだけ重要かということが感じられます。

いざ装着。取り付けは切って貼るだけ

応用術を学んだところで、いざ実践。まずは各所に装着していきます。フェンダーマットは粘着シートが最初から付いているため、カッターまたはハサミがあれば取り付けは切って貼るだけ。

フェンダー上部はフロントとリアともに装着。取り付ける際、フロントフェンダーとゼッケンの間や、リアフェンダーとシートの間といった隙間をしっかりと埋めることで泥詰まりを防ぎます。

シートを剥がして取り付けるだけと簡単
ハンドガードの形に合わせて……
形を切り取って整えれば完成

ハンドガードは形に合わせて切り取っていきます。今回ハンドガードの淵ギリギリで切ってしまいましたが、少し大きめに切り、余った部分を折り込むようにつけることでハンドガードの端まで泥の付着を防ぐことができそうです。

スイングアームにも満遍なく取り付けていきます。フェンダーやハンドガード取り付け時に出た切れ端も、もったいないので活用していきましょう。

ヘルメットは、バイザーにいらないゴーグルレンズをつけて長さを出すことで、前から受ける泥をさらに防ぎやすくなります。まずはレンズを貼りつけて、その上からフェンダーマットを取り付けていくと良いでしょう。

マディ対策最強装備の完成!!

応用術をいざ実践。効果はいかに

今回は雨の次の日を狙って、埼玉県にあるモトクロスヴィレッジにて取材をしました。当日は晴れており、昼過ぎには路面が若干乾いてきていましたが、水たまりなどに溜まった水分量多めの泥と、水分量少なめで重たい泥の2種類があったため、2つのコンディションを想定してテストしていきます。

なお、今回の応用術は前から飛んでくる泥に対しての対策が多いです。そのため、1人で走っていてもあまり効果は見られず……。ということで泥をかけてもらいました。走りながらは難しいので、もういっそのこと止まった状態でかけてもらいます。ライダー役の伊澤はとても嫌そうな顔をしていますが、無視します。

まずは水たまりに溜まった水分量多めの泥を容赦無くかけてもらいました。昨年も同じことをしたような……、とデジャブを感じつつ泥だらけに。

泥をかけてもらった後がこちら。水が滴りつつ、水分量多めの泥がベッタリとついています。

フロント部分はこんな感じ。水を弾いているのがわかります。また、隙間を埋めていたおかげで泥が詰まっていません。

リアフェンダーは主に走行時にタイヤから跳ねてきた泥がついていますが、こちらも水は弾いています。上に乗った泥の塊は走行しているうちに落ちるので、重さの心配はありません。

スイングアーム部分は泥が詰まっていますが、マシン自体に付着していないため、走行時の振動や衝撃で落ちやすくなっています。

先ほどは水分量多めの泥だったため、水分量が少なめの重めの泥もかけてもらうことに。飛んできている泥の塊具合から、その重さが伝わるでしょうか。

かけられた直後は前面に泥がへばりついています。特にゼッケン部分への付着が目立ち、フェンダーマットをつけている部分にはあまり泥がついていないとわかります。

2回目の走行後、スイングアーム部分は1回目と比べて泥の量が変わっていません。つまり、泥は詰まっていないということがわかります

最後にヘルメット。泥を受けた際の動きを見てもらうとわかりますが、泥がかかると思った瞬間にヘルメットを下げ、バイザーで泥を受け止めています。あれだけの泥の塊が飛んできていながらも、見てみると塊が付着していることはなく、頭には重さも感じませんでした。効果覿面!

今回は水分量が多い泥と、水分量が少なく重さのある泥の2種類でフェンダーマット応用術を実践し、どちらも効果を感じることができました。レースに出場するライダーはもちろん、マディが苦手・嫌いというライダーも対策をすることでマディコンディションを楽しむことができるでしょう。今回の記事を参考に、ぜひその効果を試してみてください。

text&photo RIDE-HUCK

RIDE-HUCK掲載日:2024年6月15日

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