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「この小さなパーツを愛車に装着するだけで、エンジンの振動が減ったり、エンブレが滑らかになったり、加速がスムーズになる!」と言われたら、その原理を知らない人はちょっと怪しさを感じながらも、大半のライダーが興味を持つはず。TERAMOTOのT-REVは、クランクケース内部を減圧してフリクションを低減するアイテムだ。シリーズの中でも、現在とくに人気を集めているのが「T-REV mini」。こちらは、カブ系やグロムなどをはじめとする250cc以下の単気筒エンジンに適合するぞ!
レース由来技術のT-REVとは?
大阪府大東市に拠点を構える寺本自動車商会(TERAMOTO)は、かつて全日本ロードレース選手権などで活躍し、現在も鈴鹿8時間耐久ロードレースに参戦を続ける寺本幸司さんが率いるショップ。同社を代表するバイクカスタムパーツが、約15年前から展開されているT-REVシリーズだ。寺本さんは、メーカー契約でレース参戦していた時代に、エンジンブレーキによるショックを軽減するアイテムとして同様のパーツの存在を知り、研究開発を重ねて独自構造も盛り込みながら、T-REVの製品化と発展を手がけてきた。
T-REVは、TERAMOTOでは「ブローバイガスマネージメントバルブ」、一般的には「内圧コントロールバルブ」などとも呼ばれるパーツ。構造は非常にシンプルで、エンジンのブローバイラインにワンウェイバルブのT-REVを割り込ませることで、クランクケース内を負圧状態にして、ピストン抵抗およびクランク回転時の撹拌(かくはん)抵抗を軽減する。
ここからしばらくはちょっぴり難しい話なので、メカニカルなことに興味がなければ読み飛ばしてもらってもOKだが、一般的な二輪用エンジンは、シリンダー内で圧縮された混合気の燃焼によりピストンを押し下げ、クランクシャフトを回転させている。このため、例えば単気筒エンジンの場合は、ピストンが最も上にある状態と下がった状態では、クランクケース内部の体積が排気量分増減する。また、燃焼時にはシリンダー内にブローバイガスが発生し、その一部はピストンリングとシリンダーの隙間をすり抜けてクランクケース側に流れ込む。そして、このような体積変化に対応するため、現代のバイクにはエアクリーナーボックスとクランクケースをつなぐブローバイラインが必ず設けられている。
つまり、ピストンの上下に連動してクランクケース内の空気は動かされ、ピストン下降時はブローバイラインから空気が排出され、ピストン上昇時にはブローバイランから空気を吸引。エンジン稼働中のブローバイライン先端では、脈動現象が起きていることになる。
T-REVを、この脈動が起きているブローバイラインに割り込ませると、ピストン上昇時の空気逆流が阻止されるため、クランクケース内が負圧状態に。これは空気密度が低くなることを意味し、ピストンを下げるときの抵抗を減らすだけでなく、クランクシャフトの回転に対する空気の攪拌抵抗を減らすことにもつながる。
とまあ、ここまではやたらと難しい説明になってしまったが、要するにT-REVは、「エンジン内部の空気抵抗を減らして、動きをスムーズにするパーツ」ということ。ちなみに、空気密度が低くなると運動抵抗が減る原理は、「高地にあるゴルフ場では飛距離が伸びる」というのと同様で、これは科学的にも証明されているのだ!
T-REV miniは250cc以下の単気筒に適合
T-REVシリーズには、スタンダードタイプやマフラーの排気圧も活用したαシステムなどさまざまなタイプがあるのだが、近年のマーケットでとくに高い人気を誇るのは、250cc以下の単気筒エンジンに装着することを前提に開発された「T-REV mini」だ。
こちらの製品は、スタンダードタイプのT-REVと比べて、本体の25%小型化と43%軽量化を達成(miniの重量はわずか41g!)。ちなみに価格も、スタンダードの2万8600円に対してminiは1万5400円とお手頃だ(※価格は2024年6月現在)。ワンウェイバルブの核となる部分には、性能と耐久性の実績があるリードバルブ方式を継続採用。スタンダードの3枚構造に対して、miniは1枚構造とすることで、小型軽量化につなげている。miniは、発生する脈動現象の力が大きな単気筒エンジンへの装着が前提となるため、1枚バルブでも十分な減圧効果が発揮できることが確認されている。
本体のカラーラインアップは3タイプ。スタンダードでも人気のブラック、ゴールドに加えて、mini専用色としてチタンも用意されている。
装着とメンテナンスは超簡単!
T-REV miniは、前述のように本体をブローバイラインに割り込ませるだけで機能する。スリーブはホース内径9mmのみに対応するが、ホンダのCT125・ハンターカブやモンキー125やグロムやADV150/160、ヤマハのトリシティ125やシグナス系、スズキのアドレスV125など、適合する車種はとても多い。
基本的には、純正のブローバイホースをカットしてT-REV miniを割り込ませるだけだが、TERAMOTOでは人気車種を中心とした多くのモデルの取り付けガイドを公開中。DIY装着の参考になるので安心だ。装着時の注意点としては、「とにかく向きに注意する!」こと。T-REVはワンウェイバルブなので、逆向きに装着するとクランクケース内圧が異常に高まり、エンジントラブルの原因となってしまう。
またT-REV miniには、ホンダのダックス125やCT125・ハンターカブ、クロスカブ110など一部車種用に「SPキット(2024年6月現在の価格は2万3100円)」も用意されている。こちらには取り付けステーやホースなどが同梱されており、本来はエンジンや外装類などの裏側に隠れてしまうT-REV mini本体を、外側からよく見える位置に装着できるキットだ。これによりルックスとしてのカスタム度に加え、メンテナンス性も向上する。
ちなみにT-REVは、ブローバイガスにより内部が汚れるため、装着後1年または1万km走行時点での点検清掃と、2年または2万kmでのフルオーバーホールが推奨されている。点検清掃は、両端のブローバイホースを取り外して、速乾性のパーツクリーナーをT-REV miniの内部に吹き付けるだけと、極めて簡単。コンプレッサーによるエアブローは、リードバルブを損傷する可能性があるため避けよう。またオーバーホールのために、フッ素ゴムパッキンやシム板(リードバルブ)などがセットになった「フルオーバーホールセット(2024年6月現在の価格は2200円)」が用意されているのに加え、TERAMOTOにオーバーホールを依頼することも可能だ(2024年6月現在の価格は9240円)。
パーツの性能はデータでも実証済み
T-REV miniは、クランクケース内部を減圧することで、ピストンの上下やクランクシャフトの回転に対する運動抵抗を減らすアイテムだ。しかし実際には、一般ユーザーが“減圧そのもの”を数値として確認することは難しい。そこでTERAMOTOでは、特殊な圧力計測装置を使用して、CT125・ハンターカブのクランクケース内圧を測定したデータを公表。前述のように、クランクケース内部の空気は常に大きく動かされており、スロットルのオンオフによってもクランクケース内圧に変動が起きるのだが、ノーマルとT-REV mini装着時で同じようにスロットルを開けてエンジン回転数を上げた状態では、ノーマルが+0.12Kpaと若干の加圧状態であるのに対して、T-REV mini装着時は-2.46Kpaと、大幅に減圧されていることが実証されている。
振動低減&エンブレ改善で、公道走行に効く!
T-REV miniの効果は数値でも実証されているが、一般ユーザーにとってそれよりも大事なのは、「装着することで走りがどう変わるのか?」だろう。寺本さんは、体感しやすい効果としてまずは「振動の低減」を挙げる。
「例えばニュートラル状態でスロットルを空吹かししたときに、エンジン回転数が高いところから落ちてくるときの『ビビビビッ……』という振動が、角の取れた滑らかな感じになるところは、装着してすぐに気づいてもらえると思います」
もちろん、効果は走行中も確実に感じ取れる。その中でも特に明確なのは、「エンジンブレーキの滑らかさやシフトショックの低減」と寺本さんは推す。
「T-REVシリーズを装着したユーザーの中には『エンブレが減った』なんて表現する人もいるのですが、エンブレはギヤ比に依存するものなので、これは間違い。正しくは、スロットルを閉じた瞬間の衝撃が柔らかくなっているんです。これは、スロットルを閉じたままギヤを落としてクラッチをつないだ瞬間も同様です」
スロットルオフやシフトダウンによるショックは、車体の挙動を乱すことにつながり、これが走りをギクシャクさせる大きな原因のひとつになる。上級者は、繊細なスロットルワークやクラッチワーク、シフトダウン時のブリッピング(スロットルを一瞬あおる操作)などで、この衝撃を消す運転をしているが、そのような技術がない初中級者でも、T-REV miniを装着すればスムーズな走りが可能になるというわけだ。寺本さんはこの状態を、「リヤタイヤがきれいに転がり続ける」と表現する。
ちなみにT-REVは、スロットルを開けたときにも効果を発揮する。ADV150/160やPCX、シグナスシリーズ、アドレスV125などのスクータータイプは、無段変速機を搭載しているためエンブレの効果が元々薄く、スロットルオフ時のショックは比較的感じづらいが、「スロットルを開けたときのピックアップが良くなり、軽快なフィーリングが確実に得られます」と寺本さん。もちろん、加速時の変化はマニュアル変速の車種でも体感できる。
寺本さんがT-REVを開発するきっかけとなったのはレースシーンだが、走行環境を考えたら公道のほうが、シフト操作やスロットルをオンオフする機会は多くなるはず。とくに原付二種以下のクラスは、走れるのが一般道だけなのでスロットル開度一定で巡航する時間は少なく、T-REV miniの装着により受けられる恩恵は大きい。加えて、T-REV miniが適合するのは単気筒モデルばかり。つまり、元々のエンジン特性として振動は多めでエンブレは強くかかりやすい傾向なので、効果を体験しやすい。このように考えていくと、すでに多くのユーザーがT-REV miniを高く評価していることも納得だ。