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現在に続くスズキ油冷エンジンを紐解く!【前編】

※記事内容は全て執筆時点の情報です。

エンジンの冷却方式の一つである油冷。空冷はエンジンのシリンダーヘッドやシリンダー周辺に設けられたフィンで冷却し、水冷はシリンダー周囲を冷却されたクーラント(冷却水)を循環させることでエンジンを一定の温度に保つ。水冷はエンジンの温度管理に優れているが、空冷エンジンと比べてクーラントを冷やすラジエター、循環させるウォーターポンプが必要となり、エンジン自体も冷却水が通る道“ウォータージャケット”が必要となる。パーツ点数が増え、構造も複雑になる。

そこで考えられたのがエンジンを潤滑させるオイルを用いて冷却する油冷方式だ。

油冷は、空冷や水冷のように熱を持つシリンダー周りを間接的に冷却するのではなく、ピストンやシリンダーヘッドなどに直接オイルを噴射して冷却させる。
エンジンオイルを冷却媒体として使用することで、水冷よりも軽量でコンパクトなエンジンを実現し、同時に水冷エンジンと同等の高出力を発揮することができた。
油冷エンジンは、空冷エンジンのシンプルさと水冷エンジンの冷却効率を両立させたものだったのだ。

スズキの油冷エンジンは、1985年に登場したGSX-R750に初めて採用された。その後、同GSX-Rシリーズをはじめ、GSF1200、INAZUMA、Goose、DR800、ジェベル250、イントルーダー1400など、多くのモデルに搭載。
その独特のスタイルと性能は多くのファンを魅了し、スズキのフラッグシップエンジンとして長きにわたり君臨した。
2008年にGSX1400が生産終了したことで、スズキの油冷エンジンは歴史の幕を一旦閉じることとなる。理由は、排出ガス規制の強化と、水冷エンジンの性能向上などが挙げられる。

それから11年後の2019年に、スズキから新たな油冷エンジンを搭載したジクサー250が登場することとなる。

後編へ続く。

目次

スズキ初の油冷マシン
GSX-R750(1985)

1984年のIFMAケルンショーで国際デビューした後、国内で発売が開始。従来のスチールフレーム比で半分以下の8.1kgというアルミ合金製のマルチリブ・角形フレームを採用したこともあり、車両乾燥重量は、750ccクラスの他車が200kgを大きく超える中で、179kgとなり大幅な軽量化を達成した。

エンジン:油冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ
排気量:749cc

ナナハンモデルを排気量アップ
GSX-R1100(1986)

1985年に登場したGSX-R750をベースに排気量アップして登場。エンジン重量は従来の空冷に比べて22%軽量化。その結果、乾燥重量197kgとなり、パワーウェイトレシオは驚異の1.51を達成した。130馬力で最高速度265km/hのモンスターマシンは話題を呼んだ。

エンジン:油冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ
排気量:1052cc

高速ツアラーGSX-Fシリーズ
GSX1100F(1988)

1988年に登場した高速ツアラーシリーズのGSX-Fシリーズ。欧州からの要望で産まれたGSX1100Fは高い安定性とスポーティな走りを両立。パニアケースがオプションとして用意されていた。

エンジン:油冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ
排気量:1127cc

ラリーマシンのレプリカ
DR750S(1988)

“砂漠の怪鳥”という異名を持つ、ラリーマシン「DR-Zeta」。当時、二輪のラリーマシンはトップスピードを稼ぐ目的から2気筒がメイン。そんな中、単気筒で挑みファラオラリーで優勝したのだ。このレプリカマシンとして発売されたのがDR750S。現在のVストロームにその面影を感じることができる。

エンジン:油冷4サイクル単気筒 SOHC4バルブ
排気量:727cc

北米ではKATANA750として販売
GSX750F(1989)

大型スクリーンを装備したGSX750F。エンジンはGSX-R750をのベースに低中速でのトルクを増し、ニューリンク式フルフローターリヤサスペンションや新設計のダブルクレードルフレームなどを採用し、ツアラーとしての資質を高めている。

エンジン:油冷4サイクル直列4気筒 DOHC4バルブ
排気量:748cc

オフ車初の倒立フォーク採用
DR250S(1990)

市販4サイクル250㏄クラスのオフロード車としては国内で初めて倒立式フロントフォークを採用したDR250S。新設計の油冷エンジンは初心者でも扱いやすい操縦性ながらハイレベルな性能を両立し、市街地走行からオフロード走行までシーンを選ばず走りを楽しめた。

エンジン:油冷4サイクル単気筒 SOHC4バルブ
排気量:249cc

レプリカ全盛の中で誕生した単気筒
GOOSE350/250(1991/1992)

GOOSE350

1991年に海外で販売されていたエンデューロレーサーのDR350をもとに誕生したシングルスポーツ。レッドゾーンを10,000回転に設定したエンジンは低回転から高回転まで充分なトルクを発生した。GOOSE250はオフロードモデル・DR250Sのエンジンを採用。車名のGooseはマン島TTレースのヘアピンコーナーGooseneckにちなんで付けられている。

GOOSE250

エンジン:油冷4サイクル単気筒 SOHC4バルブ
排気量:348cc/249cc

大排気量ネイキッド登場!
GSF1200/750(1995/1996)

GSF1200

発売当時、国内販売車種では最大1200ccエンジンを採用したビッグネイキッドGSF1200。4000rpmの低回転域で9.8kg-mのビッグトルクを発生した。一方GSF750はGSF1200と同一のフレームにGSX-R750(1990~1991年モデル)をベースとした油冷エンジンを搭載。最高出力はそのままに低・中速域重視にリファインされていた。

GSF750

エンジン:油冷4サイクル並列4気筒 DOHC4バルブ
排気量:1156cc/749cc

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