【Brand pickup】
エンジンオイルはバイクにとって非常に重要、とはあらゆるところで語られている。
その理由はエンジンオイルが潤滑、冷却、洗浄、防錆、密封といった非常に多くの役目を担っているからだ。
重要だからこそ良いオイルを選ぶべきなのだが、実際にはその違いはなかなかわかりくいもの。
そこで、良いエンジンオイルは何が違うのかを、レースという非常にエンジンにとって過酷な状況でバイクを走らせているプロライダーの秋吉耕佑選手に話を伺った。
想像以上にエンジンの性能を左右する、エンジンオイルの重要性を紹介してこう!!
8耐優勝ライダーだからこそエンジンオイルの重要性を実感!
2007年、2011年、2012年に鈴鹿8時間耐久レースで優勝をし、全日本ロードレース選手権のJSB1000クラスでは2度のチャンピオンを獲得するなど、輝かしい戦歴を持つ秋吉耕佑選手。
2020年からは自身でチームを立ち上げ、全日本ロードレース選手権JSB1000クラスに参戦している。
そんなトップライダーの彼だからこそ、エンジンオイルの重要性は人一倍感じているのだ。
ベースオイルが性能を左右する!
モトメガネ内の『エンジンオイル選び方のポイント』という記事で、鉱物油、部分合成油、化学合成油の作られ方を紹介し、そこでも良いオイルは『質の高いベースオイルを元にして作られている』と言っている。
では具体的に質の高いベースオイルはどう違い、何がいいのだろうか?
「ベースオイルの質の高さが、走行してエンジンオイルに熱が入った後の性能の変化に大きく関わってきます。
良いエンジンオイルは、エンジンの熱で高温にさらされた後でも、高い潤滑性能を保っています。
質の悪いエンジンオイルは一旦熱にさらされてしまうと、オイルが変性して潤滑性を妨げるようになるのです。
具体的には、エンジンオイルがべっとりとしてきます。
そうなるとエンジンからは振動が出てきて、パワーが如実に出なくなります。
アクセルを開けてもエンジンが上までスムーズに回らなくなるんです。
当然、燃費も悪くなり……。
耐久レースだと、なおさらエンジンには厳しい状況になります」と秋吉選手は言う。
さらには、一般に良いと認知されているようなオイルでも、熱によって大きく性能がダウンしてしまうものもあるそうなのだ。
「エンジンオイルに求められる性能は多岐にわたり、それを高いレベルでクリアするには非常に難しいものなのです。そこで、ベースオイルに添加剤を加えて作ることになるのですが、ベースが良くなければせっかく足した添加剤も意味がなくなってしまうわけです。長期に渡って高い性能を維持できるオイルには、質の高いベースオイル必要不可欠なのです」。
良いオイルの見極め方は?
質の高いオイルがレースを左右するというのは秋吉選手の話しからも分かったが、良いオイルを選ぶポイントはどこなのだろうか?
「使ってみて良いオイルかどうかの判断は先程話したように、エンジンオイルに熱が入った後でも、高い潤滑性能を保っていることが基準ですね。エンジンからの振動が出ない、パワーをキープしている、燃費が下がらないといったことです」。
トップライダーと一般ライダーでは、バイクからの情報を感じ取る感覚が違うので、細い違いがわからないこともしばしば。
それ以外に判断できる基準はあるのだろうか?
「添加剤を自社で持っている企業のエンジンオイルは、質が高く良いですね。
MotoGPや世界的な耐久レースでサプライヤーとして有名なメーカーのオイルなら安心です。
LIQUI MOLY(リキモリ)はMoto2/Moto3の単独オイルサプライヤーなので、それだけ信頼性が高いということにもなりますね」。
秋吉選手が使うオイルは一般ユーザーも購入できる商品を使用!?
レース業界では1/100秒を競い合うシビアな世界。だからこそ様々なスペシャル仕様の製品が使われている。
そんな超シビアなレースで秋吉選手が使っているオイルは、我々一般ユーザーもバイクパーツ用品店で購入できるLIQUI MOLY(リキモリ)」の『Motorbike 4T Synth 5W-40 Street Race』を使っているという。
「自分のレースマシンに使っているオイルはMoto2/Moto3でも使われていて、誰でも普通に購入できる製品です。
レースで要求されれる高い性能をクリアしているのに、この価格はかなりお得だと思います。
これより高いオイルも様々なメーカーから出ていますからね。そんなオイルにまったく引けを取らない性能です。
このオイルに合わせてオイル添加剤の『Motorbike OIL Additive MoS2 SHOOTER』も使っています。同じメーカーなので自分が使っているオイルとの相性も良いです」。
オイル粘度を選ぶ基準は?
基本的にエンジンオイルの粘度は、メーカーが指定しているものを選びたい。
「レースではフリクションを嫌いますから5W-40を使っています。でも新しいエンジンで慣らしをするときは10W-40を使って、各部のあたりを出すようにしています。5W-40は慣らしが終わった後からですね。
それと、エンジンオイルの粘度は同じ数値でも、柔らかめだったり硬めのところがあったりとメーカーによって硬さは微妙に変わってきます。LIQUI MOLY(リキモリ)はレースで使用されているメーカーなので、そこらへんの心配も無用ですね。」
化学合成油がやっぱり良いの?
「過酷な状況でも安定した性能を発揮し続けられるのはフルシンセティックオイル、100%化学合成油ですね。
油膜切れも少ないです。油膜が切れるとすぐにエンジンから振動が出てくるようになります。
予算的に選べるのならフルシンセティックオイルを使いたいですね。シンセティックオイルでも悪くはないですよ。それと古いバイクだとシールの関係からフルシンセティックは使えず、ミネラルオイルのみだったりします。車両別にあったオイルを選べる、ラインナップの広いLIQUI MOLY(リキモリ)なら最適なオイルを選べますね。
話が最初に戻りますが、ベースオイルがしっかりしているところのものならどれを選んでも失敗はないでしょう」。
定期的なオイル交換は必須!
良いオイルは過酷な環境でも高い性能を保つ。だからといって、交換スパンが伸びるわけではない!
「フルシンセティックオイルはシンセティック(半化学合成油)やミネラル(鉱物油)よりも持ちは良いです。ただし、だからといって交換するスパンを伸ばせるというわけとは違います。
オイルにはエンジン内を洗浄する役割も担っているので、車両メーカーの定める期間と距離で交換しましょう」。
秋吉選手の使うオイルメーカー『LIQUI MOLY(リキモリ)』とは
レースで使われ、ドイツの高級自動車メーカーでも認証オイルとして使用されているLIQUI MOLY(リキモリ)。
ドイツと言えば速度無制限のアウトバーンが有名だ。
そんなアウトバーンを、長時間高回転でエンジンを回し、一般道でもストップアンドゴーを繰り返すドイツの車両はエンジンにとっても非常に過酷だ。
エンジンオイルに対しても非常に高い性能を求められる。
この過酷な環境で磨き上げられたのがLIQUI MOLYなのだ。