フランス発電動スクーターシェアリング事業会社Troopy(トゥルーピー)は、欧州初となる「日本ブランド二輪電動スクーターシェア事業」の運営を開始したと発表。パリでは複数社が同様のサービスを提供しているが、同事業は「ジャパン・クオリティ」を強みに、ヤマハの電動スクーターに特化することで差別化を図り、運営を行っている。現在、約1,600台を導入しており、2024年までには3,000台まで増やす見込みだ。
パリ発・欧州初の「日本ブランド二輪電動スクーターシェア事業」が活躍中!
〜「ジャパン・クオリティ」でパリ五輪までに 3,000 台規模の導入をめざす〜
フランスのスタートアップ Troopy(「トゥルーピー」、本社:フランス・パリ、社長:アクセル・ヴィラセーカ)は、パリでヤマハの電動スクーターに特化した欧州初の「電動スクーターシェア事業」を運営しています。最近日本でも導入の始まった「電動キックボード・シェアリング」は、パリにおいては安全面への不安からその是非を問う住民投票が大差で「廃止」を表明したばかりですが、Troopyは、「より安全で持続可能な」電動スクーターのシェアリングを推進しています。「ジャパン・クオリティ」を強みに、現在 1,600 台の電動スクータシェアを展開、2024 年のパリ五輪までに 3,000台規模の導入をめざすとともに、欧州全域での展開へ向けビジネスパートナーとの連携に意欲を燃やしています。
欧州都市はシェアリング・モビリティのショーケース
地球温暖化対策のため、欧州の各都市ではスマートシティ戦略が進められており、特に温室効果ガス排出量を減らすためのモビリティ分野の電化が加速しています。これらの都市では自転車、電動キックボードから電気自動車まで、様々なシェアリング事業があることは知られていますが、日本ではまだほとんど実例のない電動スクーターのシェアリングも進んでいます。
電動二輪シェアリングにヤマハのバイクで挑む Troopy(トゥルーピー)
世界でも最も電動二輪シェア台数が多い都市のひとつ、パリにおいて、日本ブランド「ヤマハ」の電動バイクに特化してシェアリング事業を展開しているのが、2017 年にバイク販売の老舗であるシャパ・グループ(Groupe Chapat)のアクセル・ヴィラセーカが立ち上げたスタートアップ、Troopy です。シャパ・グループは1839 年創業、パリで開店した 1910 年以来、1 世紀以上、ヤマハ、ホンダ、トライアンフ、BMW などの二輪車を販売してきたフランス最大の二輪ディーラーです。
Troopy は 2018 年、ヤマハの三輪バイクを使ってパリでシェアリング事業を始めましたが、2022 年、ガソリンバイクと決別して 100%電動二輪に切り替え、ヤマハの NEO’S(ネオス 50cc 相当)と E01(イーゼロワン 125cc相当)の二車種を投入しました。2023 年 3 月現在、パリで約 1,600 台の電動二輪シェアリングを運営中で、2024年のパリ五輪までにはこの規模を 3,000 台まで増やす見込みです。
二輪車のシェアリング事業とは?
<ユーザー登録> アプリをダウンロードしてアカウントを作成し、個人情報のほか、ID・写真、運転免許証 とクレジットカードを登録します。 <使い方> – アプリで現在地に近いバイクを探して予約 – ロックを解除して乗り、利用後は指定区域内に乗り捨て OK 小回りの利く NEO’S はパリ市内で、郊外まで足をのばすなら 130 キロの航続距離 がある E01 を使えばより安心です。 <料金> – NEO’S: 1 分あたり 38 セント(3 月 19 日現在 54円)、停止時は 19 セント(同 27 円) – E01 が 48 セント(同 68 円)、停止時は 24 セント(同 34 円) 基本は利用時間に応じた課金となり、その他各種料金プランやパック料金もあります。
参考例)山手線内と同じくらいの大きさと言われるパリ市内。
ユーザーの多くが利用する「5〜7 キロ程度」の短距離移動の場合、Troopy を利用すると 10-20 分、6-7 ユーロ(同852 円〜994 円、基本プランの場合)がかかります。地下鉄よりは高いが早く目的地に着けるのがメリット。パリ市内においては電動キックボードや EV シェアに比べると安くて早い計算に。
パリでは電動キックボード・シェアリングの是非をめぐる住民投票で市民が「ノン」
欧州で 2017 年頃から始まった電動キックボードのシェアリング事業は瞬く間に各都市に広がり、行政は新たな車両の安全対策などの法制化に追われました。しかし、相次ぐ事故や駐輪マナーの悪さなどが社会問題化し、パリでは 2023 年 4 月 2 日、電動キックボードシェアリング事業の是非を問う住民投票が行われた結果、パリ市民はシェアリングの廃止を大差で支持。一方、Troopy は「電動スクーターのシェアリングは、電動キックボードより安全で持続可能」と考えます。電動スクーターについては以下に整理する通り事業者・利用者ともに各種制限があり、無責任な行動をとりにくいのが主な理由です。
競合ひしめく中、クオリティで勝負
現在、パリでは複数社が同様のサービスを提供していますが、Troopy はヤマハのバイクとシャパ・グループのサポートを武器に差別化を図っています。ヤマハのバイクは「ジャパン・クオリティ」として信頼性が高く、操作性に優れていて、特に中長距離の走行が楽と評判です。ヤマハとの専属ディーラー契約のあるTroopy は、ヤマハと共同開発したシェアリング用装備をフランス国内の自社工場ですべてのヤマハ電動スクーターに装着、クオリティ・マネジメントを徹底しています。Troopy の経営陣は、シェアリング市場のみならず二輪そのものを熟知しているだけに、生産、レトロフィット、オペレーション、修理・メンテナンスから転売まで、二輪車のライフサイクルをしっかりと管理しながら事業を展開でき、事業運営の面でも持続可能性を誇ります。パリ発の日本メーカー二輪車を活用した「電動スクーターシェア事業」を、フランスから欧州全域へと展開させることを目指し、パートナー開拓にも意欲を燃やしています。
o Troopy フランソワ・ウーランジェ マネージング・ディレクターコメント:「長年ヤマハの専属ディーラーとしてフランス中のディーラー網を築いてきたシャパ・グループのネットワークを利用すれば、当初投資がほぼ不要な独自のフランチャイズモデルが可能です。『日仏コラボのモデル事業』ともいえるこのビジネスを、フランスのみならず、欧州各地のマーケットへと、迅速かつ有益に拡大したい」
■ Troopy SAS(単純型株式会社)について
Troopy はパリの大手電動スクーター・シェアリング事業者。2017 年からヤマハ発動機の 100%子会社Yamaha Motor Europe N.V.と提携。Troopy の社員はパリで約 70 人です。
・本社所在地:40 Avenue de la Grande Armée, 75017 Paris
・社長:アクセル・ヴィラセーカ(Axel VILASECA)
・マネージング・ディレクター:フランソワ・ウーランジェ(François HOEHLINGER)
・ホームページ:https://www.troopy.com/
リリース提供元:Troopy SAS